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黒沼隆志 人文学部 法経政策学科 1年

派遣期間:平成29年2月26日~3月14日

日本語教室での活動内容
  ラトビア大学では、1日1回5時30分から7時まで日本語の授業を行った。日本語教室には幅広い年齢層で様々なレベルの方々がいらっしゃった。そこでビギナー、ミドル、アドバンスの3つのレベルに分け、私はアドバンスクラスを担当することになった。アドバンスクラスともなると日本語を流暢に扱うことができ、日本についての知識が豊富な方ばかりだった。そこで授業では本の一部を抜粋して、漢字の読みや意味、その文が述べていること、要約などをした。また日本語を楽しんでもらうため、連想ゲームや漢字を部首や作りなどにわけて漢字づくりゲームなど様々なことを行った。その中でも好評だった、手ごたえを感じた授業が、オノマトペと川柳、俳句である。オノマトペはその数の多さに驚いた様子だった。また教える側の私にとって、日本語ですらその意味を説明するのが難しいものがあり苦労した。川柳、俳句は2つの違いを説明し実際に川柳を作ってもらった。初めてとは思えない想像以上の出来に驚かされる作品もあった。
 どのレベルの人にも共通して感じられたのは、日本語を学びたいという貪欲な気持ちである。そして20歳,30歳の若い人はもちろん、50歳,60歳を超える人までが積極的に新たな言語を習得しようとする姿勢に驚き感銘を受けた。

日本語教室以外での交流活動
 毎日授業終了後、現地の人を交えて一緒に食事に行き、様々な話をすることができた。そこではラトビアの文化、歴史に加え日々の暮らしなど、現地ならではの情報を聞くことができた。授業前にはリガの旧市街を回り、歴史的建造物や博物館などいろいろな場所を訪れた。休日は隣のリトアニアや少し離れた町へバスや電車で行き、リガの街とは違った雰囲気を味わうことができた。またホテルではインド人やウズベキスタン人など世界各国の人と交流することができとても良い経験になった。
 自分もあまり外交的な性格ではないうえ、ラトビア人の中にはさらにシャイな人がいて、最初はコミュニケーションをとるのに苦労したこともあった。できる限り積極的に話しかけるようにしていくうちに打ち解けることができた。

参加目標への達成度と努力した内容                         
 私がこのプログラムに参加した理由は、侵略され続けた悲しい歴史をもつラトビアを肌で体験することだった。多くの人はまず英語力の向上を掲げると思うが、共通語が英語であるため自ずとついてくるものと考え、あえて意識することはなかった。もちろん英語力の向上、特にリスニング力は大幅に向上したという実感はある。
 歴史を知るために、歴史的建築物や博物館をできる限り多く訪れた。そして隅々まで町を歩き、建物が大きく分けて3種類あることが分かった。まずは日本でも見られる新しいビル。次にソ連時代に作られた建物。最後にラトビアに古くからある建物。しかしこの古くからある建物とは、戦争などで破壊され修復されたものである。このような点にも様々な歴史があったことを感じさせる。博物館は日本ではお目にかかれないような生々しい写真や映像が展示してあり、悲しい過去を目の当たりにすることができた。ここで非常に驚いたことが2点あった。まずは博物館の半数以上が無料もしくは少額の寄付で入館でき、気軽に行くことができる環境が整っていたことだ。そして生々しい写真が展示されているにも関わらず、幼い子供連れのファミリーや若いカップルが多くいたことだ。日本ではそのような文化はあまり根づいていないように感じられる。幼い時から歴史を感じることは大切なことであると思うので、ぜひ日本人も見習ってほしい。
 このようにできうる限り歴史を知ろうと努力したが、私が見たものはほんの一部にすぎないと思う。しかしどちらかといえば侵略した側の国である日本では経験することができない、侵略され続けた側の歴史を学ぶことができた意義はとても大きい。

プログラムに参加した感想
 ラトビアで生活した日々はとても充実感のあるものだった。ラトビアに行く以前に頭の中で描いていたイメージとほぼ変わらないとても良い国だった。違和感を覚えた点を挙げれば鉄道の軌間が日本に比べ少し広かったところだけだ。このプログラムに参加したことで世界に友情の輪が広がり、何よりいかに日本が素晴らしい国であるかを再認識できた。それとともに自分の語学力の乏しさを身にしみて実感させられた。

今回の経験による今後の展望                      
 海外にはまだ自分の知らない場所、フロンティアが大きく広がっている。今の自分にとって「フロンティア=海外」である。西部開拓時代、人々は夢と希望をもってこの未開の地を切り開いていった。このようにフロンティアを開拓していくこと、すなわち海外へ行き様々な経験を積みたいと強く思っている。しかし未開の地である故、海外で何をし、どんなことを学べるのかほとんど想像がつかない。ただ大学生のうちはこのフロンティア精神をもって海外へどんどん飛び立っていきたい。そのためにも大学の勉強で知識を、アルバイトで資金を集めることが現実だ。フロンティアでは必ず将来につながる何かを発見し、今よりも一皮も二皮も剥けた自分に出会えることを期待している。

授業の様子の画像
授業の様子

集合写真の画像
集合写真

リガ旧市街の画像
リガ旧市街

ラトビア鉄道の画像
ラトビア鉄道

バルト海の画像
バルト海