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坂上元規 工学部 高分子・有機材料工学科 1年

派遣期間:平成30年8月16日~9月21日(37日間) 

日本語教室での活動内容
 8月21日に日本語教室のガイダンスがあり、ビギナークラスとエクスペリエンスクラスの2クラスにわけて、授業の日程や時間を決め、翌日22日から授業が始まった。
 まだ山大生は私1人しかいなかったので、教室前方にあるホワイトボードを用いて授業を行った。
 ビギナークラスの生徒は、ひらがながわからない人がほとんどだったので、最初の授業では、ひらがなの読み方や書き方を中心に行った。そのあと、簡単な挨拶などを教えた。これは、最後の日本語教室までの一か月間意識したことだが、ひらがなの下にローマ字を書くことを意識した。
 エクスペリエンスクラスに関しては、私が日本から持ってきた教材を最初の2、3回用いて授業を行った。日本語のレベルはみなレベルが高く、難しい文もしっかり訳せていた。このクラスでは、まずひらがなで訳を書き、その下に漢字を書くことを意識した。
 どちらのクラスも授業の内容は、早く終わることが多かったので、しりとりや伝言ゲーム、折り紙などをして遊んだりした。
 これらのことは、自分しかいないときに行ったことである。
 日本語教室が始まってから数日後に佐藤先輩がきて、先輩が持ってきたテキストを使って授業することにした。それは、英語のテキストであり、英語から日本語に上手に訳せるようにした。それは、ビギナークラスでも同じである。
 9月に入り、山大生が多く来てからは、グループ毎に授業を行った。なので、その人が疑問に思っていることや興味を持っていることなどを中心に教えた。例えば、化学が好きな人ならば、元素や化学物質の名前を日本語で教えた。
 最後から2回目の授業では、俳句をまず読み、俳句の作り方を説明し、最後みんなで俳句を作るということを行った。季語について説明したが、みんなそれをうまく利用して作っていた。
 最後の授業はみんなで日本の歌を聴いた。曲は私の好きな歌手であるコブクロから‘桜‘と‘蕾‘を選曲した。ハイジマ先生のパソコンを使用してもよいと許可をいただいたので、日本語の歌詞、ローマ字、英訳をそれぞれプリントアウトして配った。まず、曲を聴き、歌詞の意味や疑問点などを解説して最後はみんなで歌った。

日本語交流以外での交流活動
 私は、ラトビアに来た当初は日本人一人しかいなかったので、日本語教室が始まるまでの5日間まず寮の中で友達を作ることを優先した。寮の友達とはすぐに打ち解けることができ、サッカーなどして遊んだ。8月18日には、リガで100周年の祭りがあり、それを寮生たちといった。祭りはとても盛大で日中は旧市街に民族衣装を着てる人たちが多くいて、夜には盛大な花火大会があった。祭りは日本とは結構違い、その国独特の雰囲気を味わうことができた。他にも、隣部屋の方と夜クラブに行ったりした。
 国際寮だったので、毎日夜までロビーでみんなで話したりしたのは良い思い出になった。
 日本語教室の生徒とは二人でリガの町中を回って案内してもらい、一緒に博物館や美術館に行った。山大生とラトビア人で何回も食事したり、電車に乗って海に行ったりした。
 ラトビア人との交流での一番の思い出は、みんなでアイスホッケーにいったことである。アイスホッケーはラトビアの国技であり、それを現地で観戦でき、応援もできてとても楽しかった。

参加目標達成度と努力した内容
 僕は、日本語を教えることはもちろん、それをわかりやすく教え、かつ、日本文化を教えることも務め、日本により興味を持ってもらうような授業をすることを心掛けた。
 上記に書いた通り、しりとりや伝言ゲームなどの日本のゲームをみんなでやったり、俳句を作ったり、日本の歌をみんなで聴いて歌ったりした。これらのことから、学生大使としての目標は達成できたと思う。
 今回の学生大使で一番努力した点は英語力だと思う。私は、もともと英語は大の苦手であり、ラトビアについた当初もそれは変わらなかった。なので、私は、日本人が私自身しかいないという状況を逆に利用し、どんな時も積極的に話しかけるようにした。寮の人たちも日本語教室のラトビア人もみんな優しく、私の話を聞いてくれた。
 英語力を向上させるために私は3つの点を取り組んだ。まず1点目は、会話中英語を頭の中で正しい日本語に翻訳することである。これは、英語力のない私にとって、とても長い時間がかかり、難しい作業であった。2点目は、1点目が慣れてからやり始めたことで、英語を翻訳することなく、英語のまま理解するということである。まずは、簡単な文章から初めて、最終的には会話中にそれができるところまで成長することができた。3点目は、2点目と同時進行で行っていたことで、何も考えずに、英語を話すということである。私は、今まで、頭の中で日本語を考えそれを英語にし、話していた。しかし、それをすると、無駄に時間がかかってしまう。なので、英語をそのまま理解し、英語を話す、とてもシンプルなことだが、37日間という長い期間滞在することによってできることができ、もっと会話が弾むようになった。
 これが今回の学生大使で努力した点である。

プログラムに参加した感想
 海外には1回だけ韓国に家族旅行で行ったことがあるが、1人で37日という長期間海外に行くのは初めてである。また、もちろんだが、外国人に日本語を教えるというのも初めてだった。何を教えればよいかわからなかったが、日本語教室の生徒が今日はこれをやりたいと言ってくれたり、アルバイトでの塾講師の経験もあり、楽しくわかりやすい授業ができたと思う。
 また、日本人1人だけという状況で、大学の人文学部の場所が分からなかったり、食事をどこで取れば良いか分からなかったり、他にも色々困難なことがあった。しかし、それら1つ1つを対処していくことができた。これらの経験によって、私は人間的にも成長し、自分にしか体験できないことを体験できたと思う。
 国際寮に滞在できたこともとても良い経験になった。合計7か国の人たちと友達になることができ、彼らとは毎日のように夜寮のロビーで話をし、日本に帰ってきた今も連絡を取り合っている。みんな日本にとても興味を持っており、日本にいつか行きたいと口をそろえて言っていてので、また集まりたいと思っている。

今回の経験による今後の展望
 私には、まだ将来なにをやりたいか決まっていない。今回の経験で将来に大きな変化があるとは思わないが、学生大使でしか経験できないことは数多くあった。これらの経験を踏まえ、将来何をやりたいか決めたいと思う。また、今回の経験で培った英語力ももっと磨きをかけて、もっといろいろな国に行きたい。