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大山智也 工学部 機械システム工学科 1年

派遣期間:平成30年9月5日~9月24日

日本語教室での活動内容
 ラトビアの学生大使は数名いたので、生徒のレベルに合わせてそれぞれ役割分担をして授業を行った。内容は日ごとに異なり、主に日本の英語の教科書の和訳を行った後、わからない表現や日本についての質問を受けるという流れで行った。漢字の意味や呼称について質問されたり、どうしてひらがなだけにしないで漢字も使い続けているのか、どうして日本人は血液型を気にするのかなどを尋ねられたりするなど、中には答えることの難しい質問も多かった。生徒からは受験勉強のような強制感は感じられず、私達との授業を楽しんでくれているようだった。そのため、私がうまく英語を使えなくてもフォローしてくれたり、いろいろな質問をしてくれたりと、楽しく授業することができた。
 授業内容は上記以外にも、日本語を使ったゲーム(伝言ゲーム、フラッシュゲーム、早口言葉など)を行った。伝言ゲームをしたときには、自分に言葉が返ってくる言葉にひらがなで書き表せない発音が混ざるなど、意図していなかった面白さがあった。フラッシュゲームとは紙やホワイトボードに書いた言葉を一瞬だけ見せて当ててもらうゲームだ。ひらがな一文字なら誰もが答えられたが、単語になると初心者には難しいものであったようだ。また早口言葉は日本語の発音に親しんでもらううえで良い教材となったと感じている。

 日本語教室以外での交流活動
 数回、日本語教室が終わった後に受講生たちとレストランにいって一緒に食事をすることがあった。食事中の会話の中では、ラトビアやラトビア語について話や、互いの勉強についての話もした。ほかにもボードゲームのできる施設に行って真剣勝負をしたり、生徒の方と日本人でアイスホッケーの試合を見に行き、リーガ市民と一緒になってチームを応援したり、想像していたものより遥かに多く方法でコミュニケーションが取れた。

 参加目標の達成度と努力した内容
 泊まった寮には日本人以外にも多くの人々がいて、互いに握手をし、挨拶を交わすことで、自分の中にあった異文化との壁のようなものを多少なりとも取り除くことができた。また、ラトビアで生活する中で、様々なものを日本と比較したり体験したりすることができた。日本にないモノを見て回り、日本にない慣習のなかで過ごし、様々な視点から物事を把握するための視野を広げられたと思う。
 普段から、街の様子や人々の対応などに気を付けて見てみたり、積極的に日本語教室の人たちに話しかけ、日本と違うことを見つけてはそれについて友達と議論してみたり、誰かに尋ねてみたり、視野を広げるということを頭に入れながら生活した。
 私は英語のリスニングがとても苦手だったため、寮のロビーやキッチンで会う外国人と挨拶程度の会話をしたり、日本語教室の人に英語で質問してみたりした。結局、その会話の内容をすべて理解するには至らなかったが、ラトビアに滞在する以前よりは明らかに上達したように思える。また、私の目標の一つは多くの人とコミュニケーションをとることであったが、会話の内容に関連した質問や返事をうまく返すことができていなかったことから、目標の達成とはいかなかった。

 プログラムに参加した感想
 今回、英語で日本語を教えるというプログラムを経験したことで、日本語の細かいニュアンスや日本語独特の表現に気を配るようになったり、分かりやすく伝わりやすい表現を考えるようにもなった。日本語は語尾や文中の助詞で意味が変わったり付け足されたりするため、授業で日本語訳をする時にどれを使うべきか慎重に考えたり、どうしてこの助詞を使うのかと聞かれることもあった。ラトビア人は日常生活から英語を用いてはいるものの私達が知っている英単語や表現をすべて知っているわけではないため、特に名詞において絵や写真、ジェスチャーを用いて相手に理解してもらうことが重要となる時もあった。日本語教室以外でも、町の人に尋ねる時など、より簡潔に簡単な表現のほうが相手から受け入れられやすいことも感じた。日本語と異なり、必ずしも丁寧な表現を必要としない英語を実際に使ってみたことで、伝わりやすさをより考えるようになった。
 今はネットで調べればどんな情報でも手に入れられる時代とよく言われるが、実際に体験してみないとわからないことがたくさんあることが分かった。例えば、この通りの治安が悪いといわれている所以は何なのか、外国の人は本当に日本を評価してくれているのか、日本食レストランの寿司は本当にまずいのかなど。実際に足を踏み入れることで、どのサイトにも載っていない自分なりの見解を見出すことができると分かった。
  新しい経験をすると、自分のなかに新たな価値観が生まれたり知識が増えたりするが、外国で日本語を教えるという特殊なプログラムの中では、そのような機会が多くあり、特に視野を広げるという目標の達成において、数々の貴重な経験をしたと思う。

 今回の経験による今後の展望
 英語を実用的なものとしていくに当たって今回はそのスタートラインとして良い経験だった。実際に英語を使ってみて、海外の人と話せることは、新たな発見もあり楽しいと感じたので、今後も語学学習を続け、英語に触れられるプログラムに参加するなど英語を自分のものにできるように努力したい。
 今後も海外や日本において国際関係のプログラムやボランティアなどに参加するということのほかに、それ以外のプログラムや授業においても今回の経験や広げた視野を活かしたいと考えている。例えば日常生活や講義でのディスカッションなど全く関係のないようなところで今回のプログラムが良い影響を与えてくれたら、今回のプログラムは私にとって有意義なものとなると考えている。