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奥谷友里加 理学部理学科 1年

派遣大学先:ラトビア大学 
派遣期間:2019年2月27日~3月13日 

  • 日本語教室での活動内容

 日本語教室は、月、金曜日は1回、火、水、木曜日は2回行った。開始は16時半、17時と夕方からであったため、ゆっくりと授業の準備をしたり、街へランチに出かけたりもできた。授業は初級、中級、上級の3クラスにわけて行った。基本的にマンツーマンで授業を運営した。教室は狭かったが、なんとか全員が座ることができていた。相談した結果、初級と中級ではインターネット上でみつけた日本語のテキストをベースに授業を展開することになった。上級では日本の新聞を読んだり、センター試験を解いたりした。初級はレベルのばらつきか大きかったため、滞在中ずっと同じ学生に教えていた。中級と上級はレベルがほぼ同じであったため、沢山の人と交流できるように毎回ランダムで担当を決めていた。

 私が初級で担当したのは高校生の女の子だった。彼女は中国語を学んでいるため、漢字について知識があり、日本の漢字を学びたいと言われた。日本語を勉強したことはなく、ひらがなはなんとなく見たことがあるというレベルであった。ベースとしていたテキストはひらがなが読める人向けであったため、彼女のために授業を組み立てる必要があった。前半はひらがなとカタカナの練習、後半は小学校で使われるような漢字一覧表で漢字を教えるというスタイルに落ち着いた。漢字は1つずつ、書き順、読み方、意味を教えた。漢字をみせると、「これは○○で読み方あってる?」「中国語ではこういう意味だけど日本語も同じ?」というように積極的に学ぼうとしてくれて授業がとてもやりやすかった。私が帰る頃には、ひらがなも覚えてくれて日本語の文章も読めるようになったのでとても嬉しかった。

 上級では新聞を読むことが効果的であったように感じた。私は上級では、日本の高校への留学経験がある男子高校生が一番印象に残っている。彼は本当に日本語が上手でイントネーションも自然で、彼と話しているときは日本の男子高校生と話している気分だった。さらに彼は、日本人が感覚で使っている文法も論理的に理解していて、その理論を日本語で説明できるほど日本語能力に優れていた。彼と交流したことで完璧に外国語を話せるようになるには、徹底的に突き詰めることが必要だと学んだ。また、自分も努力次第で外国語をネイティブのように話せるようになれるかもしれないという可能性を感じた。これは、これから他言語習得に励む上で強力なモチベーションになるだろう。 

  • 日本語教室以外での交流活動

 日本語教室に参加してくださった方々はみんな優しく、授業後や休日にご飯や観光など様々なところに誘ってくれた。私たちがお土産を買いたいと言えばおすすめのお店に連れて行ってくれたり、授業終わりに一緒にスーパーに行ってくれておいしい物を教えてくれたりと沢山助けていただいた。

私が初級クラスで担当していた学生に街を案内してもらったときいろいろな話を聞かせてくれた。彼女は学校でロシアに対して悪い感情を持つように教育をされていると言っていた。彼女は過去のラトビアとロシアの歴史を知っているが、それでもロシアのことを嫌だとは思わないし、そういう教育はするべきではないという考えを持っていた。自国の歴史への関心の高さと、教育に流されることなく自分の意見を持っていることに驚かされた。戦争に関する博物館に行ったときも展示物にまつわる情報を教えてくれたおかげで、ラトビアの歴史を理解できた。

交換留学生としてラトビアにいる山大の先輩のおかげで、ラトビアにいる日本人留学生の方々と食事をさせていただく機会があった。関西の大学から来た人、アメリカの大学に通っている人、交換留学などではなく正規でラトビアの大学に入学した人など様々な人がいた。なぜラトビアを選んだのか、どうして留学しようと思ったのか、人それぞれ理由が違って、私にはなかった考え方ばかりで興味深かった。これから先の計画や将来の目標が明確にある人たちの話を聞くことは良い刺激になった。 

  • 参加目標の達成度と努力した内容

 私は渡航前に2つ目標を立てた。1つ目は、日本や日本語に興味・関心を持ってくれている人に、もっと日本を知りたい・学びたいと思ってくれるようするであった。質問に対しては正確な情報をわかりやすく伝えるよう心がけた。「野原」と「原っぱ」はどう違うのか、という日本語でも説明が難しい質問にも、ジェスチャーや絵を使ってなんとか説明することができた。2つ目は、一方的な授業にならないように、コミュニケーションを積極的にとるようにするであった。これに関してはあまり意識する必要がなかった。日本語教室に参加してくれる人たちは勉強好きの人なのか、ずっと書き取りをしたり、地味な作業をすることが苦痛ではないようだった。適度にコミュニケーションはとったが、無理矢理楽しませたりはしなかった。かるたや折り紙も準備していたが1度も授業内では使わなかった。マンツーマン指導ができることを活かし、それぞれのニーズに合った授業をすることを心がけた。昔日本語を勉強していたが忘れてきているので思い出したい人には、話すことに重点をおいて授業をした。日本語の授業の課題を一緒に解くなど、その学生に合わせて授業を行うことができた。 

  • プログラムに参加した感想と今後の展望

 このプログラムに参加して本当に良かったと思う。現地の人に案内してもらうことで他ではできない経験ができた。たくさんの人と交流したことで自分の考えの幅も広がった。私の拙い英語でもなんとか会話することができて良かった。だが、もっと英語が話せたらと悔しくなることも多かった。伝えたいことが上手く表現できなかったり、自分の考えは持っているのにそれを英語で言えなかったりと自分の英語力の低さを痛感した。これから語学学習に熱心に取り組みたい。

 私はもっと積極性を持つべきだと感じた。まだ将来やりたいことが決まっていないので、今からいろいろなことにチャレンジして、将来の夢を定めたい。

リガ大聖堂の画像
リガ大聖堂

一番おいしかった食べ物の画像
一番おいしかった食べ物

リガ大聖堂の展望台から見た景色の画像
リガ大聖堂の展望台から見た景色

リガの街並みの画像
リガの街並み