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山本和輝 理学部 理学科 1年

派遣先大学:ラトビア大学
派遣期間:2/25~3/11 

Ⅰ.日本語教室での活動内容
 私たちは、日本語教室のレベルを3段階に分けて授業を行った。
 初級レベルでは、平仮名などの基本中の基本を教えた。そのあとに文法、漢字などを教えた。平仮名を教えるとき、私は子供用の教材を用いた。はね、とめ、書き順、などの意識していない部分まで説明する必要があった。その後に、生徒たちが簡単な自己紹介をできるようにした。名前、職業、好きなものなどを述べられるようにした。穴埋め形式のプリントを用いた。
 それからの授業は文法の勉強をした。簡単な文法の授業をした。「何」を「どうする」の構文が基本と考えたのでそれについて教えた。“おなかがすいた”などの単語は文字通りの解説をしたうえで英単語で説明した。また、時間、数字などの言い方の授業をした。
 中級レベルは、曜日、月、などを漢字で書けるようにし、日付の読み方を教えた。それを使い、生徒たちが誕生日を言えるようにした。私が教えた方はそれを簡単といわれたので、基本的な文法を教えた。
 正月、バレンタイン、ホワイトデー、ひな祭り、花見、お盆、ハロウィン、などの日本文化を紹介した。これらの文化の中には、世界共通の文化があるが、日本独自の特徴を話した。生徒にとって難易度が高かったようなので、最初に英語で説明した。その後、ラトビアの似たような文化を紹介してもらった。日本でのハロウィン、バレンタインとは全く異なっていたので驚いた。日本に比べて治安が悪いという理由で異なってる面もあった。
 上級クラスで新聞を読ませた。政治などの内容は難しいと考えたので、桜が咲いたニュースなど簡単な内容を読ませた。普通に日本人が読む、漢字のある文章を音読して理解していたので驚いた。

Ⅱ.日本語教室外での活動内容
 寮での活動は、様々な国の方々とお話をしたことである。私は英語が得意教科ではあったものの、英語でコミュニケーションを取ったことがなく苦労した。しかし彼らは自分の英語力を理解し、簡単な英語を話してくれたので、意思疎通を取ることができた。学校で学ぶ英語をそのまま使おうとしたが、ニュアンスが状況にあっているか不安だった。
 日本語教室の生徒とその友達と一緒に映画を見に行った。英語でコミュニケーションを取れるか心配だったが、彼らは日本について関心を示してくれたので、楽しく話すことができた。日本の漫画をベースに作られたハリウッド映画で日本を客観的に見たようで面白かった。そのあとの食事でも、たくさんお話しすることができた。冗談がうまい友達がいて面白かった。
 弁護士の方に海に連れてってもらった。とても寒かったが、日本のビーチとは雰囲気が違っていた。夏にラトビアに来るとき、ぜひ訪れたいと思った。その後、教会の中に入ったが、日本では絶対に見られない壮大な教会だった。
 ラトビアにはname dayという習慣がある。それは日本の誕生日と似た習慣で、日付ごとに名前が書かれており、その人を祝う習慣である。しかし、説明されたときに理解できず、お祝いの言葉を述べることができなくて罪悪感に苛まれた。
 日本語教室の生徒とラトビアの旧市街を回った。聖ペテロ教会に上った。景色が最高だった。美術館に行ったが、閉館十五分前だったため、あまりゆっくり楽しむことができなかった。夕食で水餃子を食べた。ピクルスのソースをかけるなど、中華料理とはだいぶ違っていたが面白い味がしておいしかった。
 私の帰国前日に日本語教室の生徒と山大生で遊びに出かけた。ボーリングをした後に巨大な図書館に出かけた。英語でのコミュニケーションに慣れ、円滑に交流ができた。笑い話をたくさんできて、とても楽しかった。現地の方々が私と過ごせて楽しかったと言ってくれたので、とても嬉しくなった。最高の一日になった。

Ⅲ.達成度と努力した内容
 このプログラムを通じて、様々なスキルを身に着けることができたと考える。
 1つは海外の方々と言語が違いつつもコミュニケーションを取れたことである。文法を意識するよりも伝えたいことを意識した。
 2つめは多様な価値観や考え方などを認め合うことである。日本人と似ている方もいれば、思ったことをすぐに口にする人もいた。自分と考えが異なってるから間違ってると考えるのではなく、認め合うことが大事だと思った。日本語教室では、どうして日本語を学ぼうと思っているのか気になったので、授業を楽しくすると同時にその理由を理解できるように授業をした。義務感に駆られる、もしくは役に立ちそうという考え方ではなく、楽しいから勉強するというものだった。自分とは異なる考え方だと思った。
 3つ目は、様々な状況に適応できる能力である。私は一人で飛行機に乗る、乗り継ぎをする、海外に行くことが初めてだったため、緊張した。そのような状況の中、何をすべきかを常に考えた。帰りの飛行機の表示が搭乗終了になってパニックになりかけたが、どうすべきかを冷静になって考えて行動した。(ただ遅延してるだけだった。)これは、実際に経験しないと得られないものだと思う。

 Ⅳ.感想
 初めて海外に行き、日本語とは違った言語でコミュニケーションを取れて嬉しかった。渡航前、全くコミュニケーションを取れないと考えていたが、英語の勉強を頑張ったおかげで、単純な英語は話すことができた。アメリカの留学生が間違えても話続けるといいと言っていたのでそれをこれからも意識したいと思う。ただ、聞き間違いが多かったので、英語のリスニングの勉強に力を入れるべきだと感じた。また私の発音が悪く、聞き取ってもらえないことがあったのでそれにも力を入れたいと思う。
 異文化について理解することは、意外と難しいと感じた。国内で全くない習慣が海外では当たり前であることなので、面白いと同時に少し大変な面もあるとわかった。自分の知らない文化に出会った時、ちゃんと理解できるようにしたいと思う。初めて海外に出て危険だらけで性格が合わず全くコミュニケーションが取れないという先入観を持っていたが、寮の方々や日本語教室受講生など、みんな温かかったのでとても楽しかった。それだけでなく、海外の方々が日本に関心を示していたので、日本人であることに誇りを感じた。

 Ⅴ.今後の展望
 私の勉強に対する考え方は、将来したい仕事のために頑張るというものだった。義務感に駆られて勉強などを頑張っている。しかし現地の方々は、“勉強が楽しいからする”、したいことをするという考え方だった。自分の価値観を変えることは不可能であるが、それを知ることができたので、柔軟な思考ができるようになったと思う。今回の経験以上に自分と日本について客観視し、多様な価値観を知り、英語を話すことができるようになりたいので、今度は長期留学にも挑戦したいと考える。