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木野量子 理学部 理学科 2年

派遣大学:ラトビア大学 
派遣期間:2019年2月21日〜3月18日 

日本語教室での活動内容

ラトビア大学では、ハイジマ先生が生徒を集めてくださり、運営は全て山形大学生で行いました。初日には20名弱が集まり、レベル別に以下のようにスケジュールを組みました。

月:初級 17:00~18:30   木:上級 16:30~18:00
火:初級 17:00~18:30     中級 19:00~20:30
  中級 19:00~20:30   金:初級 17:00~18:30
水:上級 16:30~18:00
  中級 19:00~20:30

生徒の方々の年齢や日本語のレベル、学ぶ目的は人それぞれ異なりました。小学生もいれば社会人の方もいましたし、「こんにちは」「ありがとう」だけ知っている人、流暢に話せる人、漢字だけやたらと詳しい人など。ありがたいことに山形大学生の数が揃っていて、殆どのクラスで個別に指導し、対応することができました。

それにより、指導に使った教材も様々です。初級・中級では、他の学生が日本で用意していた4〜5歳児向けのひらがな・漢字教材や、文部科学省がインターネットに公開している在日外国人向けの日本語教育教材を使用しました。特に後者は、実際に使える日常会話から重要な構文やものの数え方を学んだり、日本の文化に触れたりすることができ、非常に良いものでした。上級では現代の日本で話題になっているニュースをピックアップして、インターネットから新聞記事をダウンロードし、一緒に読むことで漢字の知識や語彙を増やしました。中には日本の大学受験を目指す高校生もいて、センター試験を一緒に解いたりもしました。

指導において特に意識したことは、教材を元に派生する知識や実際によく使う言い回しなどの、ネイティヴの日本人だからこそ分かることを伝えるようにしたことです。教材を一緒に読むだけで終わらないよう、それらの知識を説明しつつ、逆にラトビアではどうなのかを聞いたりしながら楽しく進めることができたと思います。 

日本語教室以外での交流活動

日本語教室の生徒の方々は皆さん本当に親切で、暖かく迎え入れてくださり、週末も様々なところへ案内すると誘ってくださいました。私は現地で4度の週末を迎えましたが、1日も余すことなく満喫しました。

仲良くなった友達は家族ぐるみで歓迎してくださって、私は今回3軒のお宅にお邪魔しました。ラトビアの家庭料理をご馳走になったり、伝統文化を教えて頂いたり、彼女らの弟や妹たちとゲームしたりもしました。また、高校生の皆は私達をボーリングやアミューズメントプールに連れて行ってくれて、アクティブな経験もしました。他には、ラトビア大学の学生が主催する留学生交流パーティにもいくつか参加し、エラスムスで長期留学している様々な国籍の友達もできました。

一緒に時間を過ごす間、ラトビアの魅力やラトビア人の性格、教育システムに至るまで、様々な話を聞かせてくれて、私も使える範囲の英語で日本におけるそれらについて説明しました。

英語での会話に対してとても高いハードルを感じていましたが、慣れてくると正しい文法よりも伝えようと一生懸命話すことの方が重要であることに気付きます。私はルームメイトがスロヴァキア人の女の子だったので、英会話は毎日必須でした。初めは言語の壁を感じてしまいましたが、思い切って話しかけてみると、相手も祖国から一人留学してきて、寂しさを抱えていることは同じであることが分かりました。英語で自己表現をせざるを得ない状況の中で、積極的にコミュニケーションをとる絶好の機会であり、今までの自分にはなかったスキルが磨かれたと思います。 

参加目標への達成度と努力した内容

今回私は、英語での異文化交流を積極的に取ることを目標にし、このプログラムに参加しました。滞在中は自分から現地の人と接点を作り、現地の人とより密な会話をしたり、充実した時間を過ごしたりするよう心がけました。初めの数日間は、同い年前後で英語を自由自在に使えるヨーロッパ人に引け目を感じてしまいましたが、それでもなんとか積極的に話そうと努力しました。また、自分の持っている英語力ではどうしても限界があったので、毎日今日覚えた語をもう一度調べたり、英会話法を少しずつでもインプットしたりするようにしていました。

結果的に、現地の人々の優しさのおかげもあって本当に充実した日々を過ごすことができました。また、英語での会話へのハードルも低くなり、自分から積極的にコミュニケーションを取ることができたと感じています。 

プログラムに参加した感想

このプログラムは比較的自由な要素が多く、参加するだけでは意味がなく、現地での自分の過ごし方をいかにマネジメントするかで大きく得るものが変わると感じました。一般的な海外旅行と大きく異なる魅力は、現地の人々と交流する機会を与えられているという点です。その機会を存分に活かし、自ら能動的に動くことが重要です。 

今回の経験による今後の展望

今回は、国際学生寮に滞在していたこともあり、様々な国籍の学生と出会い、お互いの国について話をしました。どれも本当に興味深い話題ばかりでした。英語を使うだけで、異文化の中で育った異国の人々とコミュニケーションを簡単にとることができることを実感しました。日本にいれば、日本語だけで誰とも難なくコミュニケーションを取ることができるし、どんな分野でも学ぶことができます。娯楽も揃っています。しかし、外国は、特に今回訪れたラトビアのような歴史をもつ国では、そうはいきません。したがって彼らの言語に対する認識は全く異なり、他言語を学ぶ姿勢も感心するものがありました。これは非母国語の捉え方が試験に合格するためのものだけであった私にとっては、衝撃的なことでした。今後は英語を、相手をもっと深く理解するため、自己表現をするためのツールとして自分の身に付けられるような学習をしたいです。