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江川咲彩 工学部 化学バイオ工学科 2年

 派遣期間:平成30年9月4日~9月17日

日本語教室での活動内容
日本語クラスでは中学校の英語の教科書を使って、それを日本語に翻訳してもらいました。その中で、漢字や、日本語ならではの言い回しなどを教えました。漢字に興味を示してくれることが多かったです。授業の時間を利用して公園などに案内してもらい、そこで日本やラトビアの文化の違いや趣味について話しました。ホワイトボートを使って、日本語を教えることが多かったのですが、自分が書く字が日本人以外の人だと分かりにくい部分があるそうで、ひらがなについても深く考えるきっかけになりました。また、「ある」と「いる」の違いについて問われました。普段日本にいるときには意識することのないことなので、うまく説明することができなかったのが一つの後悔です。また、日本のアニメの話題になりました。彼らは日本人でもわからないようなアニメや漫画をしっていました。彼らに日本のことを教えてもらうという経験もすることができました。

日本語教室以外での交流活動
9月7日に日本語教室で出会った方々に旧市街と国立美術館を案内してもらいました。旧市街には7日の前にも日本人だけで何度か行ったことがありましたが、その時は、ただただ旧市街の景観の美しさに感嘆してばかりでした。7日は彼女たちが建物にまつわる様々な話や、ガイドブックには書かれていないような話などを交えながら案内してくれました。国立美術館には私の想像をはるかに超えた数の絵画がありました。彼女たちは絵画にとても詳しく、一つ一つの作品に関して説明をしてくれました。もし、日本人だけで国立美術館に行っていたらおそらく知ることができなかったことだと思います。とてもありがたかったです。
後日、また、彼女たちと遊ぶ機会を得ることができました。彼女たちと植物園に行き、様々な植物を見ました。植物に関しても知識があり、日本語で説明をしてくれました。そのあとは小規模ではありましたが、ラトビア人によるライブを見ました。ラトビアの音楽を堪能することができました。そしてこの日は私が彼女たちと会う最後の日でもあったので、別れの時はとてもさみしかったのですが、また会おうと約束をし、日本語で「またね」という意味を持つ、「ata!」とあいさつをして別れることができました。
バルト海にも行くことができました。日本語教室に来てくれる方々とたくさん話すことができました。いい写真をたくさん撮れたのでよかったです。
オペラやバレエも見ることができました。あまりいい席ではなかったのですが、オペラやバレエというものには今まで触れる機会がなかったため、逐一感動していました。白鳥の湖では黒鳥が印象的でした。最後の終わり方はよくわからなかったのですが、よくもまあ、あんなに回転できるものだと感動しました。

参加目標への達成度と努力した内容
私の参加目標は、異国の地で異国の人とコミュニケーションをとり、自らの成長をはかるといった内容でありましたが、実際はそんな簡単にうまくいくわけもなく、人に頼ってしまう場面が多かったです。どこに行っても日本語の通じない場所ばかりで自分なりに英語を話してはみるものの、恥ずかしさや緊張が邪魔をして、どもってばかりいました。日本語教室では、回を追うごとに接し方には慣れてきている自覚はありました。少しの緊張をもちながら、自分なりに日本語の型を教えました。がしかし、日本語の型といっても例外がたくさん出てきて大変でした。五十音の順番を確認しながら、日本語について説明をしました。

プログラムに参加した感想
これは誰もが感じるであろうことだと思いますが、いい経験ができたに尽きます。初めての海外であったため、見るものすべてが新鮮で驚きの連続でした。リガに降り立った時、映画の中に紛れ込んだかのような感覚に見舞われました。街を少し歩けば、ユニクロのCMに出てくるような人間がうじゃうじゃいました。顔は小さく、脚は長いラトビア人。日本人がシャイになるのも仕方がないように思えました。
初めての日本語教室では、緊張しながらも周りの人の力やスマホの力を借りて、なんとか乗り切ることができました。日本人以外の人ときちんと向き合って話したのは初めてでした。その経験はこのプログラムに参加しないとなかなか得られないと思いました。日本語教室に参加するラトビアの人々はとても優しかったです。そして、それ以上に感じたのは、私たち日本人に対してとても誠実に関わってくれたということでした。私の拙い英語をきちんと理解してくれようとしていたし、日本語に対しても日本人よりも誠実に向き合っていました。プログラムに参加して日本語は難しいということを改めて痛感しました。

今回の経験による今後の発展
日本語教室、日本語教室以外での活動の中で痛感したのは自分の英語力の乏しさです。また、それ以上に痛感したのは、自分が持っている能力を100%活かすことの難しさです。自分の中にある恥ずかしさが邪魔をして、日本語教室ではもちろん、それ以外の生活でもなかなか会話というものを楽しむ余裕がありませんでした。日本人はシャイだとよく言われますが、人種の問題ではなく、自分自身の自信のなさ、英語から逃げてきた自分の甘さが今回の経験で露呈されたのだと思います。
今後の展開としては、言うまでもなく、英語、英会話の上達です。それに加えて様々な分野における知識の蓄積です。私が出会ったラトビアの人々は、音楽や美術などの芸術、自国の歴史についてとても詳しく、またわかりやすく説明をしてくれました。それに比べて私は、日本の歴史について人に説明できるほどの知識はありませんでした。また、彼らは現代史についてもしっかりと自分の意見を持っていました。これらを受け、私は、日本が歩んできた歴史、外交史、政治についての知識を増やしたいと思いました。インターネットといういつでもどこでも世界のあらゆることを知ることができるツールを使い、様々な分野の知識を増やしていきたいと思います。