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津志田真由子 地域教育文化学部 音楽芸術コース 4年

派遣期間:2018年9月3日~9月20日

 <日本語教室での活動内容>
 ラトビアでは受講生に比べて山形大学生の人数が多かったため、少人数グループに分かれて授業を行いました。日本語教室の受講生は大学生から社会人、年配の方など様々で授業で求められることも様々でした。受け持った受講生の各々のレベルに合わせて会話練習や英語を日本語に訳す練習問題などをしたり、街に一緒に出かけてリガを案内してもらいながら会話練習をしたりしました。受講生の中には、自分が知らない漢字を知っている方や、日本語だけでなく他の言語も意欲的に学んでいる方も多く、みなさんが言語に興味をもって努力する姿勢に刺激を受けました。

 <日本語教室以外での交流活動>
 日本語教室以外では、日本語教室で知り合った方々にいろいろなところへ連れて行っていただきました。ラトビア大学生の三人の女の子と仲良くなり、旧市街やおすすめのお店、植物園、コンサートなどに一緒におでかけをしました。彼女たちはとても日本語が上手でほとんど日本語で会話ができます。ラトビアについての質問をしたり、日本についてお話ししたりしながら、楽しい時間を過ごすことができました。同年代の友達ができたことはとても嬉しく、これからも大切にしていきたいと思います。
 また、ラトビアのプロ合唱団の練習見学にも行きました。ラトビアには四つのプロ合唱団がありますが、そのうちの二つの「AVE SOL」と「Youth Choir Kamēr」、そして今年十年ぶりに来日コンサートを行う「リガ大聖堂少年合唱団」の練習を見ることができました。ラトビアには100万篇もの民謡があり、歌の民・合唱王国ともいわれるほど合唱が盛んな国です。それを実際に自分の耳で聴けたことは私にとって本当に貴重な経験になりました。合唱団の方々はとても喜んで快く迎え入れてくださり、そしてその歌声は圧巻でした。
 私は日本語教室終了後に、日本語教室の受講生の方にリガの街を案内してもらいながら一緒に合唱団の練習場へ向かいました。自由の女神像の下に刻まれている合唱団と軍隊の絵、神戸市の時計台、リガにたった一本だけある銀杏の木などなど、いろいろな豆知識を教えていただきました。なかでも面白かったのは、ラトビア大学の豆知識です。ラトビア大学の入り口には真ん中と両端に階段がありますが、ラトビア大学の学生たちは真ん中の階段を使わないそうです。なぜなら真ん中の階段を使うと試験に失敗するというジンクスがあるからです。よく見てみるとラトビア大学から出てくる学生たちは、たしかに真ん中の階段を使わず、両端の階段を使っていました!
 そして合唱団の練習が終わり外に出ると、案内してくれた方が私の帰りを心配して外で待ってくださっていて、私が「寒い中すみません!」と言うと、「日本語の勉強をして帰りましょう。」と言ってくださり、私はそのやさしさに涙が出そうになりました。そして、私も人にやさしくしようと心から思いました。
 このほかにもたくさんの方々に本当に良くしていただき、ラトビアの方々の情の熱さ、やさしさを感じることができました。一生忘れられない交流になりました。

 <参加目標の達成度と努力した内容>
 私は、コミュニケーション能力の向上とラトビア音楽について学ぶことを参加目標としていました。コミュニケーション能力については、自分の英語力のなさを実感できたことが大きな収穫になりました。私は今まで海外に行ったことが無かったので、英語の必要性を感じたことがありませんでした。英語といえば学校の勉強や受験のために必要なものというイメージで、実際に使える英語は何も身についていなかったことに初めて気が付くことができました。ラトビアにきて英語しかコミュニケーション手段がない時に、自分が伝えたいことが言葉にできないもどかしさ、相手の言っていることがわからない申し訳なさをいろいろな場面で感じました。この経験を通して初めて、実際に使える英語を本気で勉強しようと決意しました。
 また、以前から日本語で話す場合も考えすぎて言葉に詰まり、言いたいことを我慢してしまう傾向がありました。しかし、英語でもどかしい思いをした分、日本語は思い通りに言葉にすることができるので、今までより言葉を躊躇せずに話すことができるようになったと思います。
 ラトビアの音楽を学ぶことについては、大きな達成感を感じています。私は、ラトビアがなぜ合唱王国なのかについて興味があったので、今回ラトビアに行けたことはとても貴重な機会でした。事前に現地の方に質問したいことを考えていき、沢山の方にラトビアの音楽・合唱について話を聞くことができました。そのお話からはもちろんですが、街を歩けばどこからともなく音楽が聴こえてきたり、一緒に話しているひとが楽しそうに歌いだしたり、本当に音楽に溢れた素敵な国だということ実感することができました。

 <プログラムに参加した感想>
 このプログラムに参加して、私はラトビアという国が大好きになりました。18日間ラトビアで生活してみて感じたのは、ラトビアの温かい人間関係です。道ですれ違ってぶつかりそうになったらちゃんと振り返って声をかけるし、バスでチケットをかざすときに困っていると必ず誰かが助けてくれるし、「ありがとう」というと笑顔で「どういたしまして」と返してくれます。日本では淡泊になってしまった人間同士の温かい関わりがラトビアにはありました。単に英語力の向上ということだけではなく、ラトビアでしかできない体験をできたことを幸せに思います。

 <今回の経験による今後の展望>
 私はラトビアの文化・音楽・人々のやさしさに触れて、ラトビアで音楽を勉強したいと強く思いました。現地で感じた感動や、言語での悔しさを忘れずに日本で努力していきたいです。そしてまたラトビアの地で勉強ができるように頑張ります。 

本場のオペラの画像
本場のオペラ

自由の女神像に刻まれた合唱団の彫刻の画像
自由の女神像に刻まれた合唱団の彫刻

日本語教室で出会った友人の画像
日本語教室で出会った友人