ホーム > 国際交流・留学 > 学生大使派遣プログラムについて > H30ラトビア大学 > 浅野未来

浅野未来 農学部 食料生命環境学科 1年

派遣大学・期間:ラトビア大学 H31.2.21~H31.3.7

 【日本語教室での活動】
 現地では上級・中級・初級の3クラスにレベル分けし、授業を設定した。授業時間は90分、各クラスの生徒の予定に合わせ初級中級が週に3回、上級は週に2回の授業を夕方に行った。初級クラスでは50音の練習や自己紹介を書いて話してみるところから始め、基本的な動詞や文型、簡単な日本語を作って書いて話せるように授業を行った。中級クラスでは少し長い日本文を使って助詞の正しい使い方や、単語の正しい並び、簡単な漢字などを中心とした。私が担当した生徒達とはお互い日本語で自国の文化を紹介することを目標として語彙を増やしたり、日本文を作ったりした。上級クラスでは、日本の新聞記事を用いてより実用的な日本語を学んだ。どのクラスもクラス内での日本語力の差は大きく、さらに興味のあることや学びたいことにも大きな差があった。漢字をよく知っている生徒、文法を学びたい生徒、たくさん喋りたい生徒そして日本の大学を目指す生徒。様々な生徒がいたからこそ、教え方も画一的な者には出来なかったが、それだからこそ此方も得るものがあったしより授業を楽しむことが出来たと思う。

【教室外での交流活動】
 日本語教室の生徒には旧市街の案内をして貰ったり、様々な場所に連れて行ってもらったりした。ユールマラなど電車に乗らなければ行けないような場所は、自分たちだけではいけなかったであろう場所なので連れて行って貰えてとても嬉しかった。他にも博物館を案内してくれた生徒は芸術大学も案内してくださり、普通では出来ない体験が出来たと思う。どの生徒もその場所についての案内や丁寧な説明などをたくさんしてくださり、とても楽しかった。また、渡航期間中にラトビアで日本語弁論大会が開催されており、運良く見に行くことが出来た。ラトビアの人々の着眼点は様々で拙い日本語でそれぞれが感じたことを一生懸命に伝える姿を見て、素直に凄いと感じた。弁論大会の後に行われたバンケットにも参加し新たな交流の機会にも恵まれた。

【目標達成度と努力した内容】
 授業では、しっかりと生徒の日本語力・学びたいことを考慮し授業を組み立て、進行中でも内容に絡めてより日本について知ってもらうにはどうしたら良いかを考えながら授業を行うことができた。今回の渡航に当たって私が立てていた目標は独りよがりの授業をしない、生徒が知りたいこと+αを教える、ラトビアの文化について知ることで自国の文化をより深く学ぶことの3つ。これらに関して、概ね達成できたと思う。しっかりと生徒と向き合い生徒は何が知りたいのか、何を教えれば良いのかなどを考え授業を行うことに努めることができた。

【感想】
 海外での単独の乗り換えやヨーロッパへの渡航は今回が初めてだったので、行く前は少し憂鬱ではあったが、何の問題も起こることなく現地入りできた。私は最初に現地入りし、さらに到着した木曜から次の月曜まで授業がないという状況で何をすれば良いのかと不安になったが、ルームメイトや日本語教室の生徒さんのお陰で間の三日間も無駄にすることなく充実させることができたと思う。日本語を教える中で一番嬉しかったことは自分で作った練習問題がうまく機能したことである。中級クラスで受け持った生徒用に正しい日本語をしっかりと考えて解けるようにと自作した問題であったが、生徒が楽しそうに解いていてとても大きな達成感を得ることが出来た。日本語の基本を教えるというのは初めての経験で戸惑う部分もあったが日本語を振り返るとても良い経験となった。ラトビアの日本語教室の特徴として生徒の年齢がバラバラという点がある。高校2年生の人もいれば50歳で仕事が終わってから教室に通っている人もいた。毎年教室に通っている人もいれば今年初めて来てくれた人もいる。この日本語教室での授業は様々な人と触れあえる貴重な機会でもあった。色々な話をする中でたくさんのことを教えていただいた。私が生徒に教えた者以上に、私が生徒から受け取ったもののほうが多いのではないかと思ってしまうくらいだ。今回得た縁は私にとってとても大事な縁となった。これを無駄にせず、これからも彼らとの親交を深めていきたいと思う。

 【今後の展望】
 私は以前から留学に興味があり、その体験的なものとして今回のプログラムに参加しました。このプログラムに参加したことにより、留学に対する見方も変わり自分の見聞がまた一つ広がったように感じる。しかし少し知ったことによりもっとよく知りたいと思うようになった。ラトビアの人のこと、歴史のこと、政治のこと。私はまだまだ知らないことに囲まれて生きているのだと痛感させられた。ラトビアで過ごした2週間はとても短いものであった。だからこそ私は少しでも無駄にしないようにと生活した。これからも少しでも多くのことを吸収できるように、日本を知り世界を知りそして自分をもっと良く知れるように一分一秒を大事にして生きていこうと思う。
 学生大使に関して、私は渡航前に同じラトビア大学に行く人と知り合うことが出来なかったが、今回体験してみて渡航前に同じ大学の者同士で集まれる機会を作った方が良いのではないかと感じた。事前に会って話し合うことで、もっと日本語教室での授業の質を上げることが出来るのだと感じる。また、現地に着いてから先に入っている人に会えるかどうかがほとんど運頼みであったことにも驚いた。事前に集うことが出来ていれば、連絡先交換も安心して行えるし、現地入り後もスムーズに会うことが出来るのではないだろうか。

ラトビアの街の画像
ラトビアの街

聖ペテロ教会からみた町並みの画像
聖ペテロ教会からみた町並み

ユールマラ訪問の画像
ユールマラ訪問