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福本千紘 人文社会科学部 人文社会科学科 1年

派遣先 ラトビア大学 
派遣期間 3月1日~3月14日

 日本語教室での活動内容

私がラトビアに到着した時には既に日本語教室が開講されていたので、それまでのやり方に合わせて日本語を教えた。

日本語教室ではマンツーマンまたは生徒一人に対して先生が2人でおこなうことが多かったため、生徒一人一人のニーズに合わせた授業を行った。ラトビア大学では初級、中級、上級の三つのレベルの授業を開講していて、私は主に初級と中級の授業を担当した。初級の授業では、まったく日本語を学んだことがない生徒もいたので、簡単な自己紹介やひらがな、カタカナの書き方から始め、慣れてきたら5W1Hを用いて今日の出来事を日本語で書いてもらうといったことやオノマトペを用いた文章作りもした。自己紹介や今日の出来事を日本語で書いてもらうときには日本語の動詞の変化やですますなどの簡単な敬語を学んでもらった。初級の生徒は日本語を話せない人が大半だったので主に英語で授業を行った。中級の授業では、漢字を学びたい人、新聞を読みたい人といったように生徒の学びたいことがばらばらであったため生徒それぞれに合った授業を行った。私は漢字を主に学びたいという生徒を担当した。中学生高校生レベルの漢字の読み書きのプリントを作成し生徒に解いてもらい、時折質問に答えるという形で授業を行った。また日本のお菓子や折り紙のパッケージに書かれている漢字の読み方や書き方を学んでもらい授業がマンネリ化しないようにした。 

日本語教室以外での交流活動

 授業のないお昼の時間にレストランやカフェに連れて行ってもらいお昼ご飯を一緒に食べることが多かった。そのときはラトビアの伝統料理のお店やラトビアの日本食のお店などを紹介してもらった。そのあと授業が始まる時間まで旧市街地を案内してもらい、英語で聖ヨハネ教会やリーガ大聖堂、ブラックヘッドの会館などの建造物の歴史や様式について教えてもらった。

 また週末にはユールマラというラトビアの海水浴場に連れて行ってもらったり、美術館巡りをしたりした。美術館を案内してくれた方がラトビア芸術アカデミーの生徒だったため、大学の中を案内してもらい普通の観光ならいけない場所もみることができた。 

参加目標への達成度と努力した内容

私が学生大使プログラムに参加するうえで目標としていたことは、日本語教室で一人一人のレベルに合わせた授業をすることと、英語で積極的に話すようにすることだ。

一人一人のレベルに合わせた授業を行うという目標は達成できたと思う。日本語教室ではマンツーマン形式での授業が多かったため、その生徒が何をやりたいのかということをはじめの授業で聞き出し、それに合わせて授業を行うことができた。ただ授業に慣れてくると少しマンネリ化してしまったり、つまらない授業になってしまったりということがあったのでもっと生徒に日本語を学ぶ楽しさを伝えられる授業ができればよかったと感じた。英語を積極的に話すという目標も概ね達成できたと感じている。生徒の方と話しているときはほとんど英語で会話をしていたので自然と話すことができたと思う。ラトビアの人は私が話したいこともしっかりと耳を傾けてくれる人ばかりだったので失敗を恐れずにどんどん話すことができ英語で話すことのハードルが今までよりもとても低くなったと思う。また日本人同士で話しているときも英語を使うようにしてお互いに英語の話す能力を磨けたのもよかったと思う。しかし、自分で話したいことが思うように英語にできないことがあったり、聞き手に回ってしまったりすることも多くあった。もっと英語で話せたらラトビアの人ともっと仲良くなれたと思う。またラトビアで生活していく中で最も不足していると感じたのはリスニング能力だ。ラトビアの人はすらすらと英語を話す人が多く、自分の耳が早いスピードの英語に慣れていなかったため聞き逃してしまうことも多くあった。英語を話す能力はもちろん書く能力やリスニングの力など総合的に英語の能力を上げる必要性を感じた。 

プログラムに参加した感想

 学生大使に参加できてとても良い経験になったと思う。学生大使は航空券を取るところから帰国まで全て自分一人で行わなければならず道に迷ったり、公共交通の乗り方が分からなかったり英語が通じなかったりというトラブルに合うこともあった。しかし、その時は周りの人に聞いたり、ラトビア大学の生徒の方に助けてもらったり学生大使で派遣されている日本人同士で助け合ったりと周りの人の親切さに救われることがたくさんあった。人のつながりの大切さを実感できると同時にこんな自分でもやり遂げられたという自信や達成感を感じることができた。

 また日本語教室では生徒たちの学びに対する姿勢に感銘を受けた。ラトビアに住んでいる人はラトビア語、英語、ロシア語の三か国語を話せる人がほとんどだ。それに加え日本語を学ぼうとすることにとても感心していた。特に「こざとへんとおおざとは同じ形をしているのになぜ呼び方が違うのか」という質問や「ちがいないという言葉が何故否定の意味にならないのか」という質問が出たときはとても驚いた。また、最後の授業でオノマトペを教えたら授業終わりのお別れのときに「私は悲しいです。私はしくしく泣きます。」と日本語で言ってくれ、授業で教えたことをすぐに活用できることに驚いたし嬉しかった。

今回の経験による今後の展望

今回のプログラムに参加したことで、これまでの大学生活を振り返りもっと努力する必要があるということを実感できた。これまでは受動的に適当に大学生活を送っていたが、ラトビアの人々の貪欲な学びの姿勢や積極的な態度を見て、自分ももっと知識を広げ、積極的に動いていこうという目標ができた。

今回の経験が自分の成長のきっかけとなるように努力していきたい。

映画を見に行った写真の画像
映画を見に行った写真

旧市街を案内してもらった写真の画像
旧市街を案内してもらった写真

美術館巡りをした時の写真の画像
美術館巡りをした時の写真