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酒井るな 人文社会科学部 グローバルスタディースコース 1年

派遣期間:平成30年9月3日~9月17日 

日本語教室での活動内容
 私は9月3日から9月17日までラトビア大学に行った。日本語教室は平日午後6時から7時半までと月水金の10時から11時半まで、月水の午後4時から5時半までの時間で開かれていた。今回、学生大使でラトビアに派遣される山大生の人数が多く、私が派遣された期間からは、現地の日本語受講生よりも山大生の人数が多くなり、また、教室も狭かったため、山大生が教室にあふれるような状況になってしまった。そこで、黒板を使って一人が授業するというそれまでの授業形態を見直さなければならなくなり、一人一人の日本語受講生に何人かの山大生がついて、日本語を教えるという形をとるようになった。最初は誰に何人が担当すると決めておらず、一人の受講生に4人の山大生がつくというような状況になるなど、受講生にプレッシャーを感じさせてしまうようなこともあった。しかし、山大生を2、3人のグループに分けて、毎回違う人を担当するように決めると、教室がうまく回るようになった。教室に人が入りきらないことへの対策としては、大学の一階にあるホールの机や、天気のいい日には大学の中庭、カフェに行って授業するなどして解決していった。
 日本語の教え方は、その人の日本語の習熟度によって変えていった。日本語がある程度できる上級者には、中学校の英語の教科書を使って、その教科書の本文に書かれている英語を日本語訳したり、英語の文法書に書かれている熟語を覚えて例文を訳したりなどした。ひらがななどは覚えているが、まだ日本語に訳すことができない人には、色や動物などの簡単な単語や挨拶の仕方などを教えた。中には初めて日本語を習う生徒もいた。その方には、ひらがなから教え、挨拶や簡単な単語などもできる範囲で教えた。
 また、今回私たちは、山形大学の日本語教室だけでなく、学生大使の担当をしてくださっているラトビア大学教授のHaijima先生の日本語クラスも2回ほどお手伝いさせていただいた。そのクラスの受講者は、日本語を始めたばかりだったので、ひらがなの練習から簡単な挨拶の練習などをしていた。外国で行われている日本語の授業を見ることは私にとってはとても面白いことだった。日本語の単語欄には、「国際関係学」など日本語の初級者にとっては難しいのではないかと思われる単語が最初に出てきたりしていた。一回目にお手伝いしたときは、Haijima先生の補助といった形で、ひらがなを黒板に書いたり、学生ができていないところがないか見て回ったり、会話練習の相手をしたりした。二回目はお手伝いというよりは教室を任される形だった。Haijima先生から授業内容は大体聞いていたが、詳しい説明はなかったため不安を抱えたまま授業をした。授業はひらがな、単語、時間の読み方の練習などをやり、最後に単語のクイズをした。難しかったが、いい経験ができたと思う。

 日本語教室以外での活動
 日本語教室以外での活動は毎日充実したものだった。ラトビアの首都リガにある旧市街をほぼ毎日散策した。旧市街は世界遺産に登録されていることもあり、歴史的な建物やヨーロッパらしい町並みは本当に美しいものだった。芸術にも触れることができた。ラトビア国立歌劇場という場所では、オペラとバレエを見ることができた。チケットは高くなく学生料金もあるため、日本よりも敷居が高くないのだと感じた。また、日本語教室に来ていた方にコンテンポラリーアートの美術館に連れて行ってもらった。ラトビアにはコンテンポラリーアートを始め至る所に芸術にふれあえる場所があり、身近に芸術を感じられる環境にうらやましく思った。また、ラトビアで有名なチョコレートのブランドであるLamiaのチョコレート博物館に連れて行ってもらったり、展望台に上って、リガの景色を見たり、教室のみんなでバーやバルト海に行ったり、ピザを食べに行ったりと楽しい思い出を作ることができた。観光では行くことができないような穴場的なバーや美術館に連れて行ってもらうこともでき、貴重な経験をすることができたと思う。

 参加目標への達成度と努力した内容
 参加目標として私があげていたのは、英語学習への意識を変えること、そして現地でしかできない経験をたくさんすることだった。まず、英語学習への意識を変えるという目標は現地の学生や人々とふれあう中でかなり変わった。ラトビアを始め、ヨーロッパの人はほとんどの人が英語を話せ、大体の場所で英語が通じる。また、寮などで3,4カ国語話せることはという人を見て、英語を話せることは当たり前でプラスな何かができるようでなければならないとあらためて感じた。現地でしかできない経験をたくさんするという目標は芸術を見たり観光地に行ったりすることはもちろん、日常生活の中でも経験することができた。

 プログラムに参加した感想
 今回学生大使のプログラムに参加して本当によかったと思っている。参加する前は航空券をとるのが遅くなって高くなってしまったり、滞在費がどのくらいなのか曖昧でわからず不安だったり、日本語の授業がどのようなものなのか想像がつかなかったりと不安要素だらけだったが、行ってみるとそのような不安はどこかにいき、楽しい思い出でいっぱいになった。このプログラムでは観光で行くだけではできない現地の人との交流や体験をすることができるため、充実した時間を過ごすことができた。

 今回の経験による今後の展望
 今回、ラトビアに行ったことが私の初めての海外体験だったが、今回の経験を通してより海外に興味を持った。また、今まではヨーロッパよりもアジア諸国への関心の方が強かったが、ヨーロッパの文化や歴史も学んでみたいと思うようになった。今回の経験や、帰ってきた今の気持ちを忘れずに、これからの大学生活を過ごしていきたい。