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栗原綾乃 医学部 医学科 1年

派遣期間:平成28年9月1日~9月16日(15日間)

<日本語教室での活動>
 
平日10:00~11:30,13:30~15:00の90分×2コマを担当。生徒は午前中は少なく5人~10人程度で、午後は13人~20人程。主にガジャマダ大学生だが、近隣の大学や高校の生徒さんも多い。専門分野も、工学・農学・人文学・社会学・政治学etc…、と多様。日本語を専攻している学生もいたが、ほとんどが日本語とは別に自分の専門を持っている。レベルは、初めて日本語を勉強する人から、日本語で会話をしたり作文を書いたりできる人まで様々なため、基本的にアドバンスとビギナーに分かれて授業を行った。
(指導内容)
①ビギナー
 本当に初めて日本語を学ぶ人には、まず挨拶、自己紹介、ひらがなを教えた。ある程度学習が進んでいる生徒さんには日本語検定のテキストに沿って英語で文法を教えた。まずテキストの例文の意味を確認してもらい、使われている文法を説明する。そしてその文法を使った例文を考え英語で書いて、生徒さんに日本語に訳してもらう練習を何回も繰り返した。
②アドバンス
 みんな私たちと日常会話が普通にできるほど日本語が上手で、何を教えたらよいのかわからず苦戦した。フリートークや会話練習、日本語検定に向けた漢字練習、日本語の歌の聞き取り、日本語を使ったゲーム(あたまとり、私は誰でしょうゲーム)などを行い、日本人講師が少ないときは作文を書いてもらった。
③全体
 基本的にはビギナーとアドバンスでクラス分けをしていたが、ゲームなどをやるときには全体でクラス分けをせずに行った。日本語を使ったゲームや、学生にとり札や絵札の文、絵から作ってもらう手作りかるた、折り紙などをした。また、授業が終わった後に法被や浴衣、和太鼓のばち、おはじきなどを見せて日本文化を紹介したりもした。 

<日本語教室以外での交流>
 
お昼休みや、授業後の放課後、休日は学生さん(ほとんどアドバンス)がご飯や遊びに連れて行ってくれた。ご飯を食べに行くときはいつもメニューの説明をしてくれたり、店員さんとのコミュニケーションを手助けしてくれた。放課後はゲストハウスに集まってみんなでおしゃべりしたり、トランプやリズムゲームなどをして遊び、そのまま晩御飯に一緒に行くことが多かった。また、カラオケや散歩、スーパー、モスクに連れて行ってもらった。みんながミー(麺)パーティーを開いて、ミーやテンペイを作ってくれたり、友達の家でBBQをしてくれたこともあった。休日は朝市や海、ボロブドゥール、ショッピングモール、ジョグジャカルタのお祭り、そしてイスラム教の犠牲祭にも連れて行ってもらった。交通手段は主にバイクで学生さんの後ろに何回ものせてもらった。他にもレンタカーやタクシー、ベチャを使うこともあった。最終日前日の夜はみんなへの感謝の意味も込めてゲストハウスで寿司パーティーをおこなった。

<プログラムに参加した感想>
 今回このプログラムに参加できて本当によかったと思う。日本語教室ではつたない英語でもビギナークラスである程度文法が教えられてよかった。しかし、アドバンスクラスでは何を教えてよいのかわからず、あまりみんなの身になる授業ができた気がしない。最後の最後になって、みんなの苦手や自分がネイティブとしてできることが少しだけわかってきたので、是非また日本語を教える機会を作ってこの経験を活かしていきたい。
 インドネシアのみんなは本当に優しくて、たった2週間の間でとても仲良くなれた。ついこの間初めて会ったばかりなのにご飯行こう、遊びに行こう、と誘ってくれたり、異国の地であたふたする私たちをいつも気にかけてくれた。彼らは日本人は優しいと言ってくれるけれど、インドネシアのみんなに比べたらまだまだおもてなしの精神が足りないなと思ったし、恩返しがしたいのでみんなが日本に来たときはいろんなところを案内してあげたい。また、仲良くなるにつれてみんなの将来のこと、哲学的なことについてはなしたりできたのもうれしかったし、勉強に限らず、自主的に様々な分野に挑戦していく姿を見てとても刺激になった。みんなには本当にたくさんお世話になって、たくさんのことを教わって、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

<目標と達成度>
 事前に設定した目標は、①異文化に触れて自分の視野を大きくする。②イスラム教について理解する③英語力の向上、の三つ。①に関しては異文化に触れたという意味でも、みんなの人柄に触れて、という意味でも自分の視野を広げられたのではないかなと思うので95%達成。②ではまだ自分の勉強の余地は残っているが、ムスリムの友達ができることでお祈りや断食などが彼らにとって生活の一部であり、習慣となっていることが分かり身近に感じられるようになった。犠牲祭に行けたのもとても良い経験になったと思う。達成度は80%。③は50%。ビギナーの授業は頑張って英語が使えたが、日常生活の中では日本語が使えるみんなに甘えてしまったので英語だけでなくインドネシア語も話せるようになりたいと思った。

<今後の展望>
 今回の渡航で以前よりも海外行ってもっといろんな世界を見たい、と感じるようになった。インドネシアはもちろんのことまたほかの国にも行ってみたいし、今回の経験を活かして再び日本語も教えてみたい。また、一度にたくさんの言語に触れてみて語学への興味がわき、今習っている英語、フランス語をもっと意欲的に勉強したいと思う。余裕があればインドネシア語にも挑戦したい。そして、語学に限らず、インドネシアのみんなのようにもっともっといろんなことに挑戦していきたい。