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内澤美樹 地域教育文化学部 異文化交流コース 2年

派遣期間:平成29年2月27日~3月19日(21日間)

1.日本語教室での活動内容
 平日の10:00-11:30、12:30-15:00の2コマを担当した。その中でも、生徒のレベルを初級、中級、上級の3つに分け、指導を行った。はじめの1週間は、学生大使が6名いたため、各レベルに2人ずつ配置して指導を行った。2週目は、学生大使が8名に増えたため、漢字のコースも作った。3週目は、学生大使が4名となったため、各レベルに1人ずつ配置した。UGMの日本語教室は、UGMの学生のみならず、ほかの大学・高校に通う学生や、社会人なども多く受講していた。はじめのうちは、大勢の学生が受講していたのだが、最終週は学生のテスト期間と重なっており、参加者数が激減したため、少人数への指導となった。どのレベルに何人来るのか当日にならなければわからず、また、自分のレベルに釣り合わない内容を学びたい学生が来るなど、予想外のことが多く起こったため、臨機応変に対応するのが大変だった。
1.1 初級コースへの指導
  初級コースは、ひらがなの読み書きを中心に指導した。日が経つにつれ、ひらがなをマスターする人が増えたため、カタカナや挨拶、自己紹介の練習をした。
1.2 中級コースへの指導
  中級コースは、カタカナの読み書きを中心に指導した。日が経つにつれ、カタカナをマスターする人が増えたため、挨拶や自己紹介、5W1Hを用いた短文をつくる練習をした。また、途中から漢字を学習したい生徒が増加したため、漢字コースを作った。数字や曜日、体の部位、色などの簡単な漢字を練習した。
1.3 上級コースへの指導
  上級コースは、会話練習や作文を中心に指導した。中でも、完全に日本語でも内容を理解できる人たちは社会問題に対するディスカッションや、敬語、作文・日記の指導をし、あまりうまく話せない人たちは5W1Hを用いた短文、食事や買い物などで使用する会話、過去現在未来を表す文章を作る練習をした。また、漢字検定の練習、就職活動時のマナーなどを、日本に留学・就職を考えている人たちに指導した。
1.4 全コース共通して
  楽しく日本語を勉強してもらうために、かるた・トランプ・ビンゴ・連想ゲームなどのゲームで遊んだ。日本文化を知ってもらうために、折り紙をしたのが好評だった。 

2. 日本語教室以外での交流活動
  授業後や、休日は日本語教室の学生に、食事・買い物・観光に連れて行ってもらった。毎日夜までたくさんの学生がゲストハウスに遊びに来てくれて、ゲームをしたり、お互いの国の話をしたり、授業の準備を手伝ってもらったりした。また、食事の時は毎回「何が食べたい?」や「辛い食べ物は嫌いだよね?」などと気遣ってもらい、買い物の時は少しの荷物でも必ず持ってくれ、いやな顔ひとつせず長時間付き合ってくれた。これは、小さいころから「男の人が女の人に尽くすのは義務である」と教えられているため、インドネシアでは当たり前のことだそうだ。しかし、インドネシアにはインドネシアンタイムというものが存在するようで、待ち合わせの時間に連絡もなしに遅れたり、授業も途中参加・途中退出する人が多かった。
  1週目の休日は、農学部の教授の家にホームステイをし、インドネシアの方の生活を直接体験することができた。ホームステイ中も、朝市や世界遺産など、たくさんの場所に連れて行ってもらった。ホームステイが終わってからも学校で会うと明るく話しかけてくれるなどの優しさがとてもうれしかった。見送りの時もテスト期間で忙しい中たくさんの生徒が空港まで見送ってくれ、とても心の温まる3週間だった。

3. 参加目標への達成度と努力した内容
  私は、このプログラムを受講するにあたり、次の3つの目標を立てた。1つ目は、一方的に日本の文化を押し付けるのではなく、自分の専門である「異文化」(今回は特にイスラム教や食文化)について学ぶこと。2つ目は、コミュニケーション能力を向上させること。3つ目は、もっと日本を知ることである。
  1つ目の達成度は80%である。この目標は、相手の文化を学ぶことで、より相手と深い関係を築くことができ、たがいに興味を膨らませることができるのではないか。また、日本で学ぶよりもたくさんのことを直接感じられるし、今後の人生においても貴重な経験になると考え、設定した。今までイスラム教については、「肌を見せない」「アルコールと豚を摂取しない」「1日5回のお祈りをする」程度、食文化については「アルコールと豚を摂取しない」「手で食べる」「辛いものばかり」ということしか知らなかった。しかし、家では肌を見せてもよいことや、お祈り用の服が存在すること、街のあちこちにモスクがあり、好きな時間に礼拝ができることなど、実際見ることで初めてわかることがたくさんあった。食文化については、インドネシアの料理は本当に辛いものが多く、食べるのに苦労したが、インドネシアの人たちは唐辛子を生で食べても平気であり、日本の激辛ラーメンをしょっぱいといって食べていたことなど想像を超える出来事がたくさんあった。
  2つ目の達成度は100%である。この目標は、コミュニケーション能力は社会で生き抜くうえで本当に必要な能力であることから設定した。今までは、自分の英語が通じないことや、間違った使い方をするのを恐れ、自分から話しかけることはあまりなかった。しかし、今回の派遣では、日本語を話せる学生とわざと英語で会話したり、互いに言語を教えあうなど、現地でしかできない体験を混ぜながら、積極的にコミュニケーションを図ることができた。
  3つ目の達成度は100%である。この目標は、相手に何かを伝えるためには、その倍以上の知識が必要であること、また、内側と外側から見た日本ではどんな違いがあるのか興味があったことから設定した。実際に、日本語や日本文化を教えてみると、普段意識して考えたことのない疑問をたくさん質問された。そのたびにほかの学生大使と話し合ったり、インターネットで検索をし、なんとかして答えを見つけた。派遣前と比べ、たくさんの知識を得られ、私自身以前より日本について興味がわいた。

4. プログラムに参加した感想
  今回の派遣が初めてのインドネシアで、体調面やタブーを犯さないかなど不安な部分もたくさんあったが、いつのまにかそんな不安はなくなっていた。今回イスラム教やインドネシア語など、インドネシアの文化を知れたことはもちろんだが、日本語を教えることによって、より日本について詳しくなったことが一番の収穫であったと考える。私は将来、日本の文化を世界中に伝える活動に関わりたいと考えているので外国人から見た日本や、どんなことに興味があるかなどを詳しく知れてよかった。

 5. 今回の経験による今後の展望
  私にとって今回が4回目の海外訪問だったのだが、今回も今まで体験したことのない文化に触れることができて、ますます異文化について興味がわいた。やはり、日本では考えられないことが他国ではふつうであるなど、実際に行かなければわからないことがたくさんあった。そのため、これからも積極的にたくさんの場所へ足を運び、多くの人との交流を通して自分の視野を広げたい。そして、最終的には4.でも述べた通り日本の文化を世界中に伝える活動に携わりたい。

ボロブドゥールの画像
ボロブドゥール

海にての画像
海にて

日本語教室の学生さんとの画像
日本語教室の学生さんと

日本語教室の様子の画像
日本語教室の様子