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大井菜々子 医学部 看護学科 2年

派遣期間:平成30年8月22日~9月5日

・日本語教室での活動
日本語教室は平日の午前と午後の1日2回、農学部の建物で行いました。生徒たちは自分の授業の合間を縫って来てくれます。そのため、毎日来る人もいればそうでない人もいるので、その時の状況をみて、臨機応変に活動していました。私は主に初級~中級の人に対して教えることが多く、基本的に授業は英語で行いました。ひらがな、カタカナ、漢字、数の数え方などを教えながら、自己紹介などの簡単な文章を作ることもしました。最初は全く自分で文章が作れなかった生徒が、例文をスムーズに作れるようになったり、最後に貰った手紙に日本語の文章を使ってくれたりしたことは、とてもうれしかったです。生徒は本当に勉強熱心で、家でも復習してくれているのが授業をしていても伝わってきて、わたしもそれに応えなければいけないと思いました。授業では、日本語だけでなく、日本に関することもたくさん話し、逆にインドネシア語やインドネシアについても教えてもらいました。ガジャ・マダ大学にはインドネシア各地から学生が来ているので、ジョグジャカルタだけでなく、インドネシア各地の話を聞くことが出来ました。

・日本語クラス以外での活動
週末はボロブドゥール遺跡や海、Sunday Morningなど、色んなところに行きました。また、ガジャマダ大学はとても広く、大学構内にはたくさんの建物や日本にはない植物があり、敷地内を歩くだけでもとても楽しかったです。
バイクの後ろに乗ったり、バイクや車の間を抜けて道路を渡ったり、手でご飯を食べたりといった、私たちにとっての非日常が日常にありました。
また、私は1度イスラム教のお祈りを体験しました。正直、他宗教の自分が一緒にしていいものか分からなかったですが、いい経験になったと思います。また、私がインドネシアに到着した日が犠牲祭の日で、その日の朝にしめたヤギを使った料理を食べました。初日からかなり日本とは違った食べ物を口にすることができたのは幸運だったのではないかと思います。毎日のアザーン、お祈り、食事をはじめ、日本では意識することがほとんどない、宗教を身近に日々感じ、今まで知らなかったイスラム教に関することも知ることができました。しかし、そんな彼らの生活が決して縛られているものではないというのも、実感としてありました。日本にいれば「なんとなく知っている」程度の感覚でしかなかったですが、教科書で学んだだけでは感じることのできない「別の世界」があったと思います。

・参加目標の達成度と努力した点
今回の目標としては、2点ありました。まず異文化の中で生活することで、柔軟性・適応力を身につけることです。2点目は2年生の専門科目を学ぶ今、医療を学ぶ学生としての視点を持って参加することでした。1点目は異文化の中で2週間生活することによって、かなり達成出来たと思います。特に今回は日本では感じない「宗教」を日常に感じながらの生活と、彼らのとてもいい経験になったと思います。2点目は衛生面や周りの人の体調に関して、知識を学んだことによって、見えたり考えたりすることが明らかに変わったと感じました。

・プログラムに参加した感想
今回の学生大使への参加は2回目です。前回の経験が役立ったこともありましたが、そうでないこともたくさんありました。それでも、自分自身の前回からの成長を感じられたのは良かったと思います。前回の参加から勉強したことや教材として用意して行ったものが授業で役に立ったり、それによって生徒に喜んでもらったりしたことは、2回目の参加をして本当に良かったと思える点です。それによって、前回よりも、お互いに楽しく授業が出来たという実感があります。また、国が変わったことによる違いもたくさんありました。例えば、「これはインドネシア語でなんて言うの?」と質問した際に、「~という言葉があるけれど、それはイスラム教の言葉だから、あなたが言う言葉としてはちょっと違うかもしれない。」といわれることが、たまにありました。これは、前回の時にはなかった経験だったと思います。日本語にも、もともとは宗教的な意味合いを持つ言葉から、日常的に使われるようになった言葉がありますが、私はあまり意識せずに使っていると思います。自身の使っている言語について、前回とは違った視点で振り返る機会になったと思います。
そして、日本語教室以外では、教科書やメディアでしか見たことの無い景色を見ることが出来ました。知識として持っているだけでは見えないことを目の当たりにしました。
また、私は帰りの飛行機が着陸予定空港の閉鎖により欠航になってしまいました。今まで海外でトラブルを経験したことがなかったため、正直不安でしたが、たくさんの人に助けられて帰ることが出来ました。今回無事に帰ることが出来たのは、自信に繋がったし、自分がどれだけの人に支えられているかを実感した、いい経験になったと思います。

・今回の経験による今後の展望
今回の活動で、自身の成長感じ、前回よりもお互いに楽しく授業が出来たという実感があると述べましたが、もちろん満足のいく授業が出来たかといえば違います。日本語の知識の偏りと英語力不足、そして、自分が日本に関してどれだけ無知であるかを痛感しました。会話のクラスでは「日本に関すること、なんでもいいから話して」と言われましたが、私はその時、何を話せばいいのか、何を知っているのか、分からなかったです。むしろ、彼らの方が日本の知識を持っていて、教えてもらったことも沢山ありました。これらの圧倒的準備不足は前回同様、反省点です。また、現地の人に完全に頼り切っていたためあまり問題にはなりませんでしたが、インドネシア語をもっと知っていればよかったと思います。授業中に、覚えたインドネシア語を使うと、生徒はとても喜んでくれました。私は、彼らが日本語を少しでも知ってくれているととてもうれしいですが、それは彼らにとっても同じなのではないかと思います。そのため、次回の参加では、もう一度インドネシアで、より良いものが出来るようにしたいです。
また、英語だけでなく様々な場面での学習をしっかりとして、成長して、また学生大使に参加したいと強く思います。