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大内 理瑠 地域教育文化学部 児童教育コース 1年

派遣先:Universitas Gadjah Mada  
派遣期間:2/25~3/11

日本語教室での活動
 私の日本語教室での活動は、主に3つです。1つは、平仮名、カタカナ、簡単な漢字の指導をし、その後自己紹介の練習をしました。2つめは、複数人での日本語を使った会話を行いました。3つめは、日本語検定のテキストを使って5級と4級の問題を一緒に解きました。3つめの、この活動が主だったと思います。
 日本語教室で学生に教えるという経験を通して、相手を知ることや、いかに論理的に伝えることが大切なのか分かりました。私の場合、派遣期間中に日本人学生がたくさんいたので、1対1か1対2で教えることが多かったです。そのため、日にちが経過するにつれ、だんだんと教える相手が固定されるようになりました。そして、教える相手がどんなことを知りたくて、どんな伝え方をするべきか、少しずつ分かってきました。
 私は教える時に、英語を使って日本語の文法や漢字の意味を教えていました。しかし、できる限り日本語も使いたかったので、簡単な日本語や話す速度を変えるなどして、両方の言語を使うようにしました。このような方法をとる内に、どの範囲までは日本語を使って良いのか分かりました。また、助詞の使い方や、主語が長い文章など、文法に関する質問をされる場合もありました。これに対して、明確な根拠を持って、考え方やそのプロセスを教える必要がありました。
 以上のことより、教える相手を知ること、感覚や感情ではなく論理的に教えることが大切だと感じました。

日本語教室以外での交流活動
 授業が無い日には、観光地に連れて行ってもらいました。インドネシアでしか、見られない景色や体験が出来たと思います。海や森、動物園など、日本にもありますが、日本のそれとは、全く異なりました。また、観光地でたくさんの現地の方に、一緒に写真を撮ることを求められたことに、驚きを感じました。もちろん、危険をはらんでいる行為だとも捉えられますが、たとえ宗教色が強い国だとしても、皆が外国人に対して不寛容なわけではなく、若い世代は、むしろ友好的な人が多いように思えました。
 授業がある日は、終わった後の午後3時以降が自由時間でした。そのため、皆でご飯に行ったり、時間が経って仲良くなると、少人数のグループでご飯に行ったりすることもありました。
 日本語教室でも仲良くなることはできますが、教室を離れた場でお互いについて話すことは、2週間という短い滞在期間で距離を縮める良い機会になりました。
 そのほかにも、寮のラウンジで現地の学生と話すこともできました。日々ラウンジには、沢山の現地の学生の方が来ていたので、気軽にその輪の中に入れました。

参加目標の達成度と努力した内容
 今回の学生大使を通して、私は、宗教と共に生きる人たちの生活が見てみたいと考えていました。私たち日本人と大きく違う宗教観は、現地に行くことで、現地の人と関わることで、知れるだろうと思ったからです。何人かの現地の学生と話す中で、信仰の度合いは人によってグラデーションがあること、そのグラデーションは時として、1つの家庭の内にも存在していること、インドネシアで生きるために宗教は必要だということが分かりました。文献では無く、実際の話を聞いたことで、これからを担う若い世代の中に、宗教に対する、より多くの考え方が存在しているように見受けられました。
 そして、もう一つ目標がありました。私の専門は教育であり、自分よりも年上の大学生を相手に「教える」という経験を得たいとも考えていました。学部のカリキュラムでは、小中学生や高校生に教える機会はありますが、大学生に教える機会はありません。そのため、この学生大使は、国籍も年齢も違う相手にとって、どのようにすれば分かりやすく伝わるのか模索する貴重な機会でした。なかなか伝わらない事への歯がゆさや、上手く答えられない自分への悔しさもありましたが、そうした感情と向き合うことで2.でも述べたように、「相手を知ること」や「感覚では無く論理的に伝える」ことの大切さに気づけました。
 全体を通して、この2週間の滞在のなかで自分の目標を達成するために動くことが出来たと思います。目標を達成する過程で、現地の学生と交わした会話や出来事が、日本に帰ってきたときに自分の物の見方や価値観に影響を与えているように感じています。そのため、自分の目標以上のことを得られたように思いました。

プログラムに参加した感想
 インドネシア行きを決めてからも、インドネシアへ行くまでの期間も、期待より不安の方が大きかったです。地図上ですら、これまで正確な位置を把握しておらず、インドネシアについての知識は皆無だったので、今思えばその不安も妥当なものであるように感じます。
 実際に生活してみて、始めの数日は、生活スタイルの違いや気候、環境に慣れずに苦労する場面もありました。なかでも、虫の多さとスコールの強さは想像以上です。しかし、数日経過して、ある程度勝手がわかると、次第に余裕ができて受け入れられるようになりました。このように感じられたのは、インドネシアという縁もゆかりもない土地にいたからだと思います。日本にいたら固執してしまうようなことでも、「しょうがないな」「なんとかなる」と感じられるようになりました。それぞれの差違やハプニングに対して寛容になれたことは、今、日本で過ごす日々の自信や糧になっています。

今回の経験による今後の展望
 私にとって、2週間もの間海外に滞在するのは、初めての経験でした。やり通したことは、自信に繋がった反面、滞在中には、特に日本語教室で、もっと自分に英語を使ったコミュニケーションのスキルがあればと感じる場面もありました。そのため、模索中ではありますが、今度はより長期に海外にでてみたいと感じています。そして、今回のように色々な人に出会たらと思います。また、来年度から始まる教育実習で、日本語教室を通して学んだ「相手を知る」ということを生かしていきたいです。
 最後になりますが、インドネシアの学生さん方のサポートがあったからこそ、この2週間の滞在で、様々なことを経験できたのだと思います。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 私もこの春から日本に来る留学生のチューターを始めます。インドネシアで皆さんにして貰ったことを忘れず、私も自分のパートナーの留学生の方と向き合っていこうと思います。

大学周辺のレストランでの食事の画像
大学周辺のレストランでの食事

日本文化交流会の様子の画像
日本文化交流会の様子

観光地であった現地の小学生との画像
観光地であった現地の小学生と

集合写真の画像
集合写真