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大友 香南 人文社会科学部グローバル・スタディーズコース3年 

日本語教室について

わたしは2月25日から4月1日まで、学生大使としては長期間の派遣でした。派遣されたときはすでに山大生がたくさんいて、個別での授業形態が出来上がっていました。10時からと、13時30分からのそれぞれ90分のコマでしたが、ほぼ毎回、違う学生を担当していたので、いろいろなレベル、分野や興味、関心に合わせた授業を行いました。中には、英語で教えなければいけない人もいて、助詞や文法の説明をするのが難しかったです。辞書を引いたり、他の山大生や学生さんたちに助けてもらったりしながら説明していました。日本語検定のテキストを持ってくる人も多く、一緒に問題を解いたり疑問点を考えたり、解説したりもしました。日本人でも書けないような漢字や、難しい日本語を知っている人が多く、授業をしながらわたしも勉強になっていました。日本語の授業を大学で取っている人は少なく、ほとんどがアニメや文化に興味を持って独学で学んだ人たちばかりで、なぜ独学でそこまで話せるのか、毎日驚きと感心が尽きなかったです。山大生が少なくなってからは会話や作文を中心に授業をしていました。わたし一人ではできることが少なくて、来てくれる人たち全員に同じ時間をかけて話したり教えたりできなかったことが心残りです。初めて日本語教育に関わりましたが、日本語についてもっと知識を増やして行くべきだった、もっと文化について教えたかった、体験できるものを持っていければよかったと感じました。 

日本語教室以外の活動について

日本語教室以外では、学生たちと話したり遊んだりする機会がたくさんありました。放課後にスーパーやカフェに連れて行ってもらったり、夕食の後にドミトリーのロビーで遅くまで談笑したりなど、とても楽しかったです。週末はボロブドゥールや博物館、タマンサリなどの遺跡を見に行けたり、マリオボロ通りなどのショッピングが楽しめる場所にも行けたりして、とても充実していました。一人になったあとは週末が2回ありましたが特別予定がなかったので、自分がしたいこと、行きたい場所などをたくさんリクエストして全部叶えてもらっていました。当たり前ですが、他の山大生がいたときよりもUGMの学生たちと話す機会がかなり増えて、普通に日本人の友達と雑談しているくらいに打ち解けることができたことがとてもうれしかったです。そのおかげで、インドネシアの文化や言葉ついてたくさん聞くことができただけでなく、学生大使のプログラムについての想いも聞くことができてうれしかったです。

また、山形の文化を紹介する機会ももらえて、学生たちにたのしんでもらえたこともとてもうれしかったです。 

目的と達成度

わたしが学生大使に行った目的は、3つありました。

1つ目は日本語教育を経験すること、学ぶこと、考えることです。実際、日本語を教えてみて、自分が毎日使っている言語でありながらうまく説明できなかったことがとても悔しかったです。また、文化についても、これはなにか、どんなものかと聞かれたときにわたしもよく知らないものが多く、もっといろいろな知識を増やす必要があると痛感しました。日本語教室では、文化を教える必要はないと言われ、今回は文化紹介などはしませんでしたが、日本語教育は日本語だけを教えればよいものなのか、文化があっての日本語ではないかと少しモヤモヤしたこともありました。今後、大学で日本語教育を学んでいく際に考えを深めたいトピックだと思いました。助詞を説明するのが難しかったですが、どんなときに使うのかのイメージを図式化して説明するのが分かりやすいと知ったので、活用できるようにしたいなと感じました。

2つ目はインドネシアの文化や宗教について学ぶこと、考えることです。イスラム圏の国に行くのは初めてで、イスラム教を信仰している人たちと関わるのも初めてでした。わたしは自分で本や経典を読んだり、調べたりしてイスラム教などの宗教について勉強していましたが、多少の偏見は残っていました。食べるものや見た目、男女に対する接し方など、日本とは全く違うものなので自分がどれだけ違和感を覚えずにいられるか、また、宗教というセンシティブな話題について、どれくらい聞いていいものなのか不安でした。少し不安に思いながらも学生たちにお祈りや食べ物、儀礼についてたくさん聞きましたが、嫌な顔一つせずにたくさん教えてくれました。日本と比べたらどうなのかと逆に質問されることもあって、ただただ聞いて学ぶだけでなく、深く考える機会にもなりました。今でもまだ理解することが難しい部分は残りますが、もっと知りたいという意欲につながりました。文化についても細かなことから、インドネシアでは当たり前のことまでたくさん教えてもらいました。

文化や生活などを全く知らなかった国ですが、UGMの学生たちのおかげで様様なことを知って、学ぶことができたと思います。

3つ目は日本人同士の人脈づくりです。わたしはグローバル・スタディーズコースに所属しているので、もともと海外に興味のある人たちの中で生活していますが、学部や学年を越えて、日本語教育や海外に興味がある人たちに会って話をしてみたかったというのも、学生大使に行くことにした理由の1つでした。実際に行ってみて、日本語教育に携わるプロジェクトに参加したことのある先輩に会えたり、その繋がりで別の先輩と知り合ったり、自分と同じような考え方を持った人に会えたりなど、いろいろな話をして考える機会を持つことができて、違う側面からも視野を広げることができたと感じています。 

これから

1か月の滞在は自分の中では最長で、さらに後半は一人になるという不安もありましたが、

毎日必ず誰かに助けられて、人の優しさを実感しながら過ごしました。山大生にも、UGMの学生たちにも感謝しきれないくらいです。

異なる文化をもって生きる人々が、共に生活すること(多文化共生)の大変さや違和感を肌で体感し、常に考えていかなければいけないものだと感じました。また、日本語教育についてもまだまだ知識も浅いことを痛感しました。これらは、わたしが将来したいことと直結してくるテーマでもあるので、大学での学びを通して深く考えて、学んでいこうと思います。

1か月間でした貴重な経験を無駄にしないように過ごします。

Yamagata’s friendship partyの集合写真の画像
Yamagata’s friendship partyの集合写真

ドゥリニー海岸にての画像
ドゥリニー海岸にて

滞在中2回目のボロブドゥール遺跡の画像
滞在中2回目のボロブドゥール遺跡

みんなとの最後の夜ご飯の画像
みんなとの最後の夜ご飯