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柴田和佳 人文社会科学部 人文社会科学科1年

派遣期間:平成30年8月20日~8月28日

日本語教室での活動内容
 ガジャマダ大学での日本語教室は午前と午後に一回ずつ、1時間半の授業が組んであり、私たち山形大学の学生のみでガジャマダ大学の学生に日本語を教えていました。日本語の授業内容も私たちが独自で決めることができるため学生と話し合ってその日の教室の授業を組み立てる日がほとんどでした。私がいた期間では日本語の基礎を学ぶグループ、文法を中心に学習するグループ、日本語で会話をしながら活動をするグループに分けて行いました。私の滞在した期間は最大で9人の山大生がいたため、マンツーマンに近い体制で指導しました。文法のグループはさらに日本語がしっかり理解できている人と細かく説明して欲しい人とを分けて個人が理解できるように山大生配置を工夫しました。私は細かく説明する方が得意だったため、マンツーマン型の授業を担当することが多かったです。文法を学ぶ際には、英語の例文を日本語に訳す事で文の構造やルールを説明していき学生が質問したり、学生自身で例文を作って理解をしていました。意欲的な学生ばかりで教えている間に例文のわからない単語の意味を聞いて漢字から意味を覚えようとする人もいました。日本語に興味を持って授業に望んでいる人は予習復習しノートに細かく書いていて、私もたくさんの刺激をもらいました。このプログラムに当たって私が大切にしていた考え方は、なるべくたくさんの脱線をしてより多くの知識を吸収してもらうということです。この考え方を実践する際には授業の内容からより掘り下げて日本文化や日本語の面白さを伝えることができるように努力しました。具体的には、動詞を教える際には原型を教えるだけでなく過去形や敬語など形を変化させて例文や日常生活に活用できるように教えました。また、「あめ」という言葉が例文で出てくると「あめ」は天気の状態を表す「雨」とお菓子の「飴」があることなど一つの事柄から発展させて多くのことを教えました。文法事項の他には道案内の仕方を教え、日本の文化を紹介しながら日本語を使って折紙なども行いました。授業をするとき困難に感じたことは、日本語の性質と英語の性質の違いを踏まえて学生に日本語を教えることでした。英語と日本語では異なった性質を持つものもあり教える際には英語から説明をし始め英語の授業になってしまった時もありました。英語の日本語訳をするときは英語とのニュアンスの違いをお互いに確認し合いながらあくまでも日本語を教えるための英語を選ぶことに苦労をしました。このような苦労は多々ありましたが、山大の学生とガジャマダ大学の学生と日本語教室を通して良好な関係を築くことができ、多くの学生と交流を深めることができました。

日本語教室以外での交流活動
 この派遣プログラムの特徴は現地の学生が学校外へも連れて行ってくれることです。午後の授業が終わると買い物や夜ご飯に連れて行ってくれました。毎食のご飯は挑戦の連続でした。特に昼ごはんと夜ご飯はインドネシア語がわからないため、日本語教室に来てくれている子やチューターを担当してくれている子からメニューを教えてもらって頼んでいました。インドネシアの料理は辛いものが多く、辛いものが苦手な私は時に泣きそうになったこともありましたが現地の料理を食べることができて良い経験となりました。私のお気に入りの料理はSOTOというおかゆみたいな料理でSAMBALという唐辛子が入っていない優しい味で山大から来ていたみんなにも人気がありました。時には、料理を手で食べることもありました。初めは手で食べることに抵抗があり、スプーンとフォークを頼もうとしましたが、インドネシアの友人の勧めで、山大生みんなで挑戦しその後には手で食べる方がおいしいと感じるようになりました。料理以外でも出国の前日にはお別れ会にカラオケに連れて行ってくれ、全て日本語の曲を歌い盛り上がりました。J-POPをみんなが知っていて全員で同じ曲を歌った時は音楽で人と人とが繋がることができることを再認識しました。

参加目標と達成度
 日本語教室では自分も楽しみながら学生のニーズにあった授業をすることを目標としていました。毎回の授業が楽しくできていて、その上学生が楽しくできるような授業内容の充実や指導方法を模索しながら日々を過ごすことができたと思います。毎回の授業終わりには日本から持って来たシールやお菓子、キーホルダー、食べ物の消しゴムを渡して日本の文化に触れてもらうようにしました。授業内でも単語から連想された話題を提示し日本に関連のある事柄を積極的に会話できました。授業外では新しいものに積極的に挑戦することを目標としていました。食べ物や乗り物、新しい人との出会いは全て刺激的なことで文化の違いを感じされられる場面も多くありました。食べ物は辛いものや日本にはあまり出回らないフルーツが多くあり躊躇してしまうときもありましたが何度も果敢に挑戦したことで初めて知ることの喜びや失敗も多く経験しました。勇気を持ってトライすることはやらないで後悔するよりも価値のあることを、身を以て知りました。

プログラムに参加した感想
 英語圏の国以外を訪れるのは初めてでした。多くの人と交流する中で私が一番大切であると感じたのは言葉よりも気持ちだということです。自分がしたいことをさせてもらったとき、気遣ってもらったとき、自分のことを思って行動してもらったとき、多くの言葉よりも心のこもったありがとうと態度で気持ちが伝わることを知りました。現地の言葉をなるべく覚えて気持ちを伝えることは現地の人への尊敬の気持ちやその国の文化を大切にしたいという気持ちから行動に現れたものだと思います。そして私の気持ちを伝えることで微笑み返してくれ、言語は完璧ではないけど心が通じ合ったような気がしました。

今回の経験による今後の展望
 派遣される前にこの経験を経て自分の行動を自身で決定し、責任を持てるようになることを目標として来ました。インドネシアではインドネシア語が分からず現地で友達になった子に教えてもらう場面が多くありましたが、その中でも自分のしたいこと、自分の意見をしっかり持って英語や日本語で伝えることができました。危険なことはほとんどありませんでしたが行きと帰りのフライトは乗り継ぎがあり一人で16時間も待たなくてはならず知らない人から話しかけられて自分の身を自分で守れる行動をする大切さも身をもって実感しました。行動を決定し責任を持つことはこれからも変わらぬ目標として持つべきであると思いました。実のある滞在にするために日本語教室を工夫し授業外での活動を活発に行ったことは今後控えている留学への良い糧となり、モチベーションを高めるものになりました。この経験はさらなる自身の成長に繋がる特別なものとなりました。
 この素晴らしい体験ができたのも多くの人が支えてくださったからです。山形大学とガジャマダ大学の先生方やチューターとしてサポートしてくれたSheilaをはじめ、他にも日本語教室に参加してくれた子、滞在日が同じだった山大の仲間、そして参加を承諾しサポートしてくれた家族のおかげです。感謝の気持ちを忘れずにこれからも精進していきたいです。