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貝和春佳 工学部 高分子・有機材料工学科 2年

派遣先大学:ガジャマダ大学(University of Gadjah Mada)
派遣期間:2019年2月21日~3月11日

<日本語教室での活動内容>
 日本語教室は平日に、午前10時~11時半までと、午後1時半~3時までの2回開講された。まだ日本語を勉強し始めたばかりの人から、日本語で日常会話ができる人まで、さまざまなレベルの人がいた。しかし、みんな共通して言えることは日本語を学びたいという思いがとても強いということだ。
 私は、午前中は毎日違う人に平仮名や漢字、日本語の文などを教えた。人それぞれ日本語の理解に差があるので、何を教えればよいのかを考えるのに少し苦労した。しかし、周りを見たり、学生大使が2回目の人にアドバイスをもらったりして、何とかやることができた。教えているときは基本英語か日本語なので、自分の英語が伝わらないときは少し悔しかったが、思い通りに伝わった時はとても嬉しかった。
 午後は、いつも決まった女の子に教えていた。彼女は日本の大学で勉強したいという強い意志があり、授業中も積極的に話を聞いて、質問をしてくれた。彼女には最初は漢字、後半の方には会話文や日常で使える文を教えた。漢字の書き方や書き順に抵抗があるように思えたので、書き順から丁寧に教えてあげた。
 授業以外にも、「Yamagata's Friendship Party」という山大生とチューターさんが主催となった日本語の発表会を行った。大きく4つのグループに分けて山形大学の紹介、山形の紹介、クイズ、ゲームを行った。私は日本の珍味に対するクイズを行った。準備する時間はあまりなかったが、同じ担当になった山大生と力を合わせて何とか仕上げることができた。この発表会は大成功で、UGMの学生との仲がより深まったように感じた。
※UGMの学生とは、今回訪問したガジャマダ大学の学生のこと。

<日本語教室以外での交流活動>
 平日の昼食は学食か大学外の近くのお店に、UGMの学生が必ず連れて行ってくれた。それも、日本人が食べたいものや、辛い物が少ない料理を選んでくれた。最初の方は、注文の仕方からメニューの説明までわかりやすく教えてくれた。インドネシア料理はとてもおいしかったし、サンバルという辛いソースも食べることができた。日本語教室のあとは、私たちが滞在していたホテル(WISMA KAGAMA)のロビーに来てくれて、一緒にトランプやお話をした。買い物に行きたいときは、近くのスーパーまで案内してくれたし、換金したいときもバイクで連れて行ってくれて、とても助かった。また、みんなでカラオケにも連れて行ってもらった。私たちの要求に限りなく応えてくれて、感謝してもしきれない。
 休日にはインドネシアの観光地(クラトン、動物園、ボロブドゥール、海、森など)に連れて行ってもらった。休日の企画はすべて(目的地、交通手段、食事など)チューターさんが考えてくれた。日本人が危ない目に合わないように、朝から晩まで日本人が楽しめるように、細かいところまで配慮してくれた。観光をしているときにも、日本語で丁寧に教えてくれたり、一緒に写真も撮ってくれた。どこか離れた場所に行きたいときには必ず誰かが付いてきてくれて、私たちを案内してくれた。

<参加目標の達成度と努力した内容>
 私の今回の目標は3つあった。
 1つ目は英語を使って会話をすることだ。今回が初めての海外ということもあり、自分の英語がどこまで通用するのか楽しみな部分もあった。日本語教室においては、教える際に英語を少し話したが、言いたい言葉がぱっと出てこない場面が多くあった。また、発音が悪く何度も聞き返されて、理解されることがあったので、少し悔しかった。自分の英語が通じる場面もあったが、通じない場面の方が多かったので、さらに英語を磨きたいなと思った。
 2つ目は積極的に行動することだ。普段はあまり意識していなかったが、海外だからこそ積極的に行動しないと楽しめないと思っていた。実際に、いろんな人に話しかけたり、さまざまなことにチャレンジすることができた。その結果、たくさんの友達ができたし、楽しい経験がたくさんできた。この気持ちは日本でも忘れてはいけないものだと改めて感じることができた。
 3つ目はインドネシアを知ることだ。先にも述べたように、今回が初の海外だったので、日本ではない国はどのようなものか知りたい気持ちがとても強かった。インドネシアでは、宗教の教えが生活に根付いていることに特に驚いた。普通の人は1日5回、決まった時間にお祈りをする。また、女の人は頭にヒジャブというものを被る。日本人がお土産を渡す際には、これはハラム(宗教的に食べることができないもの)ではないかをきちんと確認している姿が特に目立った。でも、このような宗教をみんなが理解して、共生しているインドネシアの社会はとてもいいなと感じた。食事に関しては、インドネシアではキッチンがない家庭がほとんどで、外のお店で食べるのが普通であることに少し驚いた。1食日本円で100~200円で食べることができるので、手間などを考えればお手軽だなと思った。

<プログラムに参加した感想>
 インドネシアに来て本当に良かったと思っている。行く前は、衛生面や生活環境など不安な気持ちが大きかったが、インドネシアで過ごしていくにつれて、そんな気持ちがなくなっていった。それは、私たち日本人のことをインドネシア人が温かく迎えてくれたからだと思う。毎日他愛のない会話をして、ずっと笑っていた。また、私たちが楽しめるように夜遅くまで考えてくれたチューターさんには感謝の気持ちでいっぱいだ。
 休日に行った観光地、海、森などは日本とは景観などが異なっていて、とても魅力的に感じた。行った場所の一つ一つに意味があり、歴史が詰まっているなと感じた。動物園ではモーターボートに乗ることができたし、動物に触れ合うこともできた。インドネシアの主な交通手段であるバイクにも乗せてもらい、スリルも味わった。森に行くために貸し切ったバスの中では、カラオケ大会が始まり、日本の歌を歌ってとても盛り上がった。海ではたくさんはしゃぎ、たくさんの写真を撮って、みんなで同じ時間を楽しんだ。気が付けば、私はインドネシアでずっと笑っていた。
 平日の放課後にUGMの学生と何気なくしゃべっていた中で、私は国が違っても考えることは同じであるということに気づいた。国が違うだけで、それ以外は大して変わらないことに、より親近感を覚えた。また学生たちの日本への愛がとても強いことに驚いたとともに、うれしさも感じた。
 私は今回のプログラムを通して、インドネシアが大好きになった。日本もいい国だが、違った魅力がインドネシアにはある。私は、今回出会った「日本語の仲間」を一生大切にしたいと思っている。今はSNSを通して情報を交換、発信することができるので、ずっと繋がっていたいと思う。私はまた必ずインドネシアに行って、さまざまなことを学びたい。

<今回の経験による今後の展望>
 インドネシアに来る前までは、将来に対して漠然としたイメージしかなかったが、今回のプログラムを通して、私は国際的な仕事をしたいと強く思えるようになった。そのためには、英語の上達が必須だなと感じた。
 日本に行って勉強したい学生がいるのに、金銭的に行くことができないこの状況をどうにかすべきだと思った。お金のことは気にせずに、日本で勉強ができる支援づくりが必要であることに気づいた。
 またインドネシア人と同じ時間を過ごしていて、スマホをとことん活用すべきだということに気づいた。時代についていけないとかを言っているのではなく、今の時代に乗り遅れないために自ら行動していくことの大切さを学んだ。
 私は日本に住んでいるから日本中心に世界を見ていたが、もっと世界に目を向けて、世界ではどういうことが起こっていって、何が必要なのかをしっかりと考え、見極めることが必要だと感じた。次にインドネシアに行く時までには、今回よりも少しは成長した姿を見せられるように、これからも努力をしていきたい。

日本語教室での指導風景 午後のクラスで私がメインで教えていた学生の画像
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Yamagata's Friendship Party での集合写真 この会は今年が初めてだったが、大盛況だったの画像
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最後の日曜日に森と海へ行くときのバスで撮った写真 貸し切りバスの中ではこの後、カラオケパーティーが始まり、とても盛り上がった