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阿曽南美 地域教育文化学部 児童教育コース 1年 

派遣先大学:ガジャマダ大学
派遣期間:平成31年2月25日~3月11日 

1.日本語教室での活動内容
 山大日本語クラスは平日10:00~11:30,13:30~15:00に開催される自由参加型の授業です。そのため受講者の人数は毎日変わり、それぞれの日本語のレベル・ニーズも様々です。私は語彙と文法を重点的に学びたいという方の担当をすることが多かったので、持参した文法テキストを使い日常表現を教えました。それ加え、副教材として日本地図やイラスト入りの単語カードを使い、日本の地理や食文化を伝えました。また、インドネシアのこともたくさん教えていただきました。国の文化や歴史の話からその人自身の宗教観や家族の話まで、リアルなお話を聞くことができました。
 受講者の方々の学習意欲は非常に高く、教えた内容を細かくノートに取り、日本人でもすぐには答えられないような難しい文法の質問をします。その学びに対する姿勢は同じ学生として見習うべきものがありました。

 2.日本語教室以外での交流活動
 平日は午後の授業が終わると基本的に自由な時間です。現地の学生さんは気さくで親切なので、授業後も寮のロビーで談笑したり買い物に連れて行ったりしてくれます。私は日本語クラスで仲良くなった現地の友達に毎日バイクに乗せてもらい、ショッピングモールやカフェ、サロン、図書館など色々な場所に遊びに出かけました。
 夜ごはんは外食です。アヒル、ヤギ、ナマズなどが食材として売られていること、ドリンクメニューの9割がジュースであることなど、食文化の違いを目の当たりにして驚きました。他にも、手でそのままご飯を食べること、お会計は個別にしないことなど、観光客向けではないローカルなお店だからこそ分かった部分もあります。
 休日はみんなでボロブドゥール遺跡、タマンサリ、マリオボロ通りなどの観光地や美しい森や海へ行きました。どの場所も日本ではなかなか見られない豊かな自然や素晴らしい建築に溢れています。さらに現地の学生さんがその土地の歴史や見どころを教えてくれるので非常に楽しめました。

 3.参加目標への達成度と努力した内容
 今回の学生大使において私は2つの目標を設定しました。
 1つ目は「異文化理解」です。以前から山形大学の留学生と関わる中でたびたびカルチャーショックを感じており、自分で海外に行き他国の文化を肌で感じたい、と思ったのがプログラム参加のきっかけです。
 インドネシアは9割の方がイスラム教徒の国です。食、服装、行事、礼拝、あらゆる面でイスラム教が関わります。もちろんこれらのことは日本にいるときから知っていました。しかし、自分で見て、話して、感じたイスラム国家は、今までの自分のイメージとは違うものでした。一人ひとり宗教へ対する考えは異なること、同年代の子達が宗教についてどう考えているのか、実際にこの土地へ来なければ絶対に分からなかったはずです。きっと考える機会さえなかったでしょう。
 現地の方との会話から、今まで自分に無かった考えや価値観を知ることができ、とても有意義な学びになりました。
 2つ目は「積極的なコミュニケーション」です。「自分から何もしないでいても、2週間はすぐに過ぎてしまうだろう。それなら自分から行動を起こし悔いのない2週間にしよう」と考えたのです。
 授業の際、基本的には英語で説明をします。私の拙い英語では1回だけで伝わらないこともしばしばありました。しかし、身振り手振りや絵を使い何とか伝えようとすると向こうも理解してくれます。小さな文法ミスや簡単な英語フレーズを恥ずかしがらずにどんどん話しかけることが大切だと思いました。その結果、英語で冗談を言って笑い合えるような関係になれたのでとても嬉しく思います。

 4. プログラムに参加した感想
 このプログラムを通して、世界共通語である英語の重要性を痛感しました。一方で私は、言葉以外の面の大切さをより強く感じました。私は基礎的な英語と、挨拶やありがとうなどの簡単なインドネシア語しか話せません。しかし、表情や声、態度でだいたいの言いたいことを理解してもらえます。また逆に、一語一句聞き取れなくても相手が何を伝えたいのかは推測できます。上手な言葉でなくても相手に気持ちは伝わる、とインドネシアの方々と関わる中で知りました。だから、自分は上手く話せないからと臆することなく、伝えたいという気持ちを大事にして人と向き合っていこうと思いました。
 14日間という短い期間でしたが、現地の学生や学生大使の山大生と親密な関係を築くことができました。山大からの参加者は先輩が多く初めは緊張していましたが、一緒に苦楽を共にして生活することで、今ではとても大好きな存在になりました。現地の方々はいい人ばかりです。様々な場面で、おおらかで優しい国民性を感じました。人に恵まれ、濃密で充実した毎日を送ることができました。

 5.今回の経験による今後の展望
 私は学生大使を経験し、自分に自信がつきました。インドネシアに行く前より自立した人間になれたのではないかと思います。
 学生大使のプログラムは自分で考え動くことが求められます。航空券の手配からクラスの授業設計まで自分で行います。これが正解、というものもありません。私は今回が初めての海外渡航ということもあり出発前は不安でいっぱいでしたが、日常を抜け出し全く違う環境に身を置くことで多くの貴重な経験を得られました。この経験を糧に、今後も自分で考え行動する姿勢を心掛けていきたいと思います。
 最後に、このプログラムを企画しご尽力くださったガジャマダ大学、山形大学の皆様、学生大使の方々、インドネシアの方々に心から感謝申し上げます。

おそろいの「日本語の仲間Tシャツ」の画像
おそろいの「日本語の仲間Tシャツ」

動物園にての画像
動物園にて

ボロブドゥールにての画像
ボロブドゥールにて

日本語教室のあとの夕食の画像
日本語教室のあとの夕食