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阿部はるな 地域教育文化学部 児童教育コース 1年

派遣期間:平成30年8月22日~9月11日

 〈日本語教室での活動内容〉
授業は月曜日から金曜日まで、午前10時から11時半までと、午後1時半から3時までの一日二回行いました。大学生がほとんどだったと思います。日本語がとても上手な人もいればひらがなから教える生徒さんもいました。午前の部では私はひらがなから教える生徒さんを受け持ちました。ひらがなとカタカナをマスターしたら自己紹介と簡単な文章を書けるように指導しました。最初の一週間は日本人が英文を学ぶような感じで進めていましたが、日数が進むと次第に何を教えればいいかわからなくなっていきました。あまり文法的なことを教える段階でもないので、canやwillのような内容を過ぎると授業内容に困りました。そこで何か知りたいことがあるかと聞くと、ボキャブラリーを増やしたいと言うことだったので、最後の一週間は名詞、形容詞、動詞の語彙を教えていました。私が日本語の語彙を教え、生徒さんがインドネシア語を教えてくれるのでお互いに勉強している感じがして楽しかったです。
午後の部では担当と言える生徒さんがいなかったので、その日その日で会話だったり、漢字だったりとバラバラでした。会話ではほとんど日本語がしゃべれる人ばかりなので、文法的な話をするのではなく、日本の若者文化やアニメなどの話を多くしていたように思います。特にアニメは私がよく見る人だったので会話が弾んでよかったと思います。
日本語能力試験のテキストのお手伝いなどもしましたが、正直これが一番難しく、空欄に四択で選ぶ問題で「持ち、持つ、持って、持った」のうち「傘を____方がよい」に適切なのを選ぶというような、日本人ならフィーリングで考えてしまうような問題の説明を求められるのが大変でした。日本人でも日本語の説明をするのはとても難しかったです。

 〈日本語教室以外での活動〉
授業の後は宿泊先に戻って部屋で過ごすことが多かったですが、現地の人たちはロビーにいつもいてくれていたので、今となってはもう少しおしゃべりすればよかったと思います。
夜はいつも皆で外食に行きました。辛い調味料を冗談交じりにやたらと勧められ、割と辛みには強くなりました。夜ご飯を食べながらいろいろな話をして、すごく楽しかったし、すごく笑っていました。休日にはマリオボロやクラトン、ボロブドゥール、海などいろいろなところに連れて行っていただきとても楽しかったです。観光地に行くと一緒に写真を撮ってほしいと頼まれることもあり、日本人が珍しいんだなあと思いました。
印象に残っているのは8月末のフェスティバルに行ったときのことです。様々な民族の踊りなどを見れるショーを見ました。トークの内容は全く理解できなかったけど、ダンスはとても素晴らしく、ダンスは言語だなんて言葉を思い出しました。

 〈参加目標の達成度と努力した内容〉
今回私は大きく3つの目標を立てていました。1,インドネシアの文化を知ること2,コミュニケーション能力を向上させること3,日本の文化を伝えること、です。
一つ目の達成度は85%です。そもそもインドネシアに関する知識がほぼなかったですが、今回生活した中で、インドネシアの食文化、服装、宗教などたくさんのことを知りました。特にイスラム圏の生活を体験したことはとてもわたしにとってよい経験になりました。まずムスリムの女性全員がヒジュラをかぶっているわけではないというのが驚きでした。お祈りの時だけ被る人も多くいるようでした。またありがたいことにお祈りの体験をさせてもらいました。清め方を教えてもらって、ヒジュラを被り、アラビア語がわからないので黙ったまま動きだけをまねしたものでしたが。しかし実際に体験したことは本当に貴重でした。
二つ目は60%です。特に前半は、私より先に来ていた人たちに気圧されて現地民、日本人ともに積極的に関わっていくことができませんでした。現地の人は積極的に話しかけてくれて楽しかったですが能動的に動くことができませんでした。人が入れ替わり、私の知り合いが来てからは現地に慣れてきていたのもあって積極的な関わりが持てたように思いますが総合的に60%です。
3つめは80%です。実際に何をしていたかというとカルタや、折り紙、あとは会話をしていました。折り紙は皆楽しんでくれましたが、私自身そこまでレパートリーがなかったのが申し訳なかったです。あとは折り方を説明するのが難しかったです。会話では日本のアニメや、未だ残るサブカルチャーへの偏見についての話、あとは山形県について話していました。私は山形県民なので山形について話すのは割とできましたし、アニメも見る人なので話題も弾みました。あとは日本の宗教観についての話も興味深そうに聞いてくれました。 

〈プログラムに参加した感想〉
初めての海外で不安は大きかったですが、とにかく行ってよかったと思っています。インドネシアはお世話してくれる人たちの日本語力が高いので安心でしたし、インドネシアの食べ物もおいしかったし、想像より遙かにいい国でした。東南アジアに対するイメージが大きく変わりました。海外は怖い人がたくさんいると言われていましたが、実際に行ってみて、単に会わなかっただけかもしれませんが、皆いい人ばかりでとても充実した時間を過ごしました。日本語に対する考え方も改まりました。いつもフィーリングで話して、書いて、聞いているこの日本語というものを見つめ直すいい機会になったように思います。また旅行に行ったらこんなに現地の人と関わって話をすることもないでしょう。このプログラムだからこそインドネシアの生活や文化についても多く触れられる体験になったのだと思います。

 〈今後の展望〉
今回の体験で、百聞は一見にしかずという言葉をしみじみと感じました。今まで東南アジアに対して衛生的にも、イスラム教の国であれば宗教的にも住みにくいところだと勝手に思っていました。私のいとこは仕事でよく東南アジアに行く人だったのですが、いいところだとはよく言われていましたが、まったく信用していませんでした。しかし行ってみると、インドネシアは食中毒になるようなこともなく、ご飯はおいしかったですし、宗教の面でもお祈りなどの宗教的儀礼はもはや習慣であり、私たちが「いただきます」をわざわざ言うのと同じようなものなのかなと思いました。
自分で持ったイメージを本当だと思わず、実際にこの目で見るようにしたいと思いました。
貴重な体験ができて本当によかったです。