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髙橋祐太郎 理学部 理学科 1年

派遣大学:ガジャマダ大学 
派遣期間:2019年3月4日~3月18日

 日本語教室での活動内容
 ガジャマダ大学における日本語教室は平日に午前の部と午後の部の2回に分けて行われた。私の滞在期間中は現地の大学生に対して山形大学の学生の人数も十分いたため、学生のレベル分けなどは特に行わず一人で2、3人の学生に教えるという形をとって行った。学生によって日本語のレベルは様々で日本語の学習を始めたばかりの者もいれば、日本語を使って日常会話が出来る者までいろいろな学生がいた。そのため、実際に授業を行う際は学生のレベルに合わせて授業スタイルや授業内容を考え工夫した。実際の授業内容はひらがなやカタカナ、漢字などをメインに教えていたが、日本語の学習が特に進んでいる学生に対しては日本語の小説を題材に授業を進め、さらには実践的な会話を通して日本語の理解を促した。彼らからの日本語に関する質問は外国人の視点からのものだけあって説明するのが難しいものも多くあった。

日本語教室以外での交流活動
 現地の学生は日本語教室以外の場所でも積極的にコミュニケーションをとってくれ、一緒にご飯を食べるたびにインドネシアのことや学生生活のことなどを楽しそうに教えてくれた。毎回のように日本語教室が終わるとみんなでトランプをしたことがとても記憶に残っている。トランプのゲームといっても日本とインドネシアで共通のものもあれば異なるものもあり、お互いの国のゲームを紹介し合いアレンジを加えるなど楽しい時間を過ごすことができた。さらに週末にはボロブドゥール遺跡やタマンサリなどといった様々な観光地につれて連れて行ってくれ、行く先々でインドネシアの歴史や伝統文化を目の当たりにした。特にインドネシアの伝統芸能であるワヤン・クリッと呼ばれる影絵人形は町のいたるところで見ることができた。
 ジョグジャカルタは自転車に乗っている人よりもバイクに乗っている人が多く、バイクは彼らにとって生活必需品となっている。私自身は日本では一度も乗ったことがなかったが、ジョグジャカルタでは何度か乗せてもらう機会があった。ジョグジャカルタの道路状況はとても複雑になっており赤信号でも躊躇なくバイクが飛び出してくるため少し怖いと感じたものの逆に新鮮で面白かった。彼らとともに日常生活を過ごす中で、日本で決してできないような多くの貴重な体験することができた。

参加目標の達成度と努力した内容
 私は今回の学生大使の参加目標に「学生に合わせた適切な授業を提供する」「インドネシアの文化について学ぶ」の2つを設定した。
 日本語学習を始めたばかりの学生に対してはおおむね適切な日本語の授業を提供することができたと感じているものの、日本語上級者に対してはうまくは行えなかった。渡航前に日本で様々な教材を用意したものの、現地学生の日本語学習が予想以上にすすんでいたため、現地についてから新しく教材を作り直すなどとても大変だった。とくに日本語検定の対策に関しては日本人でも間違えてしまいそうな微妙な言葉の意味の違いを説明するは難しかった。しかし、学生側も必死に自分の説明している内容を理解しようとしてくれため、何とか授業を進めることができた。
 2つ目の目標である現地文化の学習については達成できたと感じている。特に宗教と食文化についてはとても衝撃を受けた。インドネシアは国民の多くがイスラム教を信仰していると聞いていたため、国民の生活もイスラム教の宗教色が強いのだろうと思っていたものの、実際に現地に行ってみるとヒンドゥー教の祝日があるなど予想に反して他宗教にも寛容な国であるのはとても意外だった。さらには、同じイスラム教徒であっても個人によって服装や細かな部分で信仰の仕方に違いがあるということを知り、イスラム教徒といっても様々な信仰の仕方があることを学ぶことができた。次に食文化に関しては、インドネシアの料理は大きく分けて辛いか甘いのどちらかであることを知った。現地に到着した当初は毎日このようなご飯で大丈夫かと心配もしたが、日数を重ねるごとに辛い料理が好きになっていった。

プログラムに参加した感想
 今回の体験を思い返して、まず一番に思うことは本プログラムに参加して本当に良かったということだ。通常の海外旅行では味わうことのできない濃密な時間を現地の同年代の学生と過ごすことができたことは私の生きていく上での一生の財産となった。同じ年齢の学生と様々な話題について話していると互いの共通している部分や独特なものの考え方や見方を毎日のように気づかされた。
 現地での会話は日本語を中心に行われていたが、英語で話さなければならない場面も当然あり日本では使うことがなかった英語を実際に話すことが面白いと感じる反面、自分の考えていることを完全に伝えられないもどかしさも感じた。
 インドネシアの若い人たちは日本のサブカルチャーに強い興味関心を抱いており、日本人の私でも初めて聞くようなアニメがインドネシアの学生の間で人気だったりと私自身もアニメについて勉強しなければならないと感じさせられた。さらには、アニメ以外にもJ-POPが意外にも人気で現地のカラオケに日本の最新の曲が入っているなど日本人として少し嬉しかった。

今回の経験による今後の展望
 今回の日本語教室を通して、長年住んでいるはずの日本について知っているようで知らないことがまだまだたくさんあると感じた。現地学生とフレデブルク要塞博物館を訪れた時に、初めてインドネシアに対し日本が侵攻した当時の状況について知った。日本語以外にもそういった日本と海外との歴史についても学び直し、日本はどのような国なのかを見つめなおしたい。さらに、これからも継続的に海外の人々との交流に積極的に参加して日本に関する情報の発信をすると共に私自身の日本の理解を進めていきたい。

日本語教室の皆さんの画像
日本語教室の皆さん

ボロブドゥール遺跡にての画像
ボロブドゥール遺跡にて

現地の子供たちの画像
現地の子供たち