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宮本千穂 地域教育文化学部 食環境デザインコース 3年

派遣期間:平成28年9月6日~9月19日(14日間)

日本語教室での活動
 ビギナークラスとコミュニケーションクラスに曜日で分けて日本語教室を開講していました。
 ビギナークラスでは主にひらがなの発音・筆順を教えた。黒板での板書では、ひらがなの読みをローマ字で書き、クラス全体で発音練習をした。山大生が机間巡視で小さいホワイトボードを使い、文字全体の形やとめ・はね・はらいなど細かな部分の説明や学生からの質問に答えた。発音に特に力を入れ教えた。一回の授業で約4行分(例:あ~た行)のひらがなとありがとう、おはよう、こんにちはなどの簡単な日本語・挨拶及び自己紹介などを英語で意味を伝えることで読み方、書き方とともに教えた。
 コミュニケーションクラスでは、疑問詞を中心に会話を意識した授業をした。何時に~、いくつの~という内容から時間・数字を教えた。また、時制が関わる会話から動詞の変形も教えた。授業では例文を質問・回答セットにして、日本語と英語で書き意味を伝えた。読み方を教えた後、実際に生徒のみなさんへ質問して(例:お兄さんは何人いますか? など)答えてもらう活動も取り入れた。

日本語教室以外の交流活動
 現地の人たちには、主に夕飯の時は21;00に終わるクラスの後でも、毎日のように一緒にご飯に連れて行ってもらいました。食に関しては犬肉、アヒル肉を食べたことが一番印象に残っています。休みの日や空いている時間は、ほとんど一人になることはなく、いつも誰かと一緒に、大きなショッピングモールに行ったり、ハノイの中心地に行ったりしました。15日にはお祭りがありみんなでバスに乗って出かけました。ご飯はみんなでお店に食べに行くことが多かったが、一つの部屋に集まって、話したり、お酒を飲んだり、歌ったり、写真を撮ったりもしました。ご飯を食べている時、バスに乗っている時、歩いて移動している時には日本のことを聞かれたり、ベトナムのことを質問したり、たくさん話すことで色々なことを学べました。

プログラムに参加した感想
 日本語教室では初めてメインティーチャーとして授業を進めた際に、私は英語が得意でないので自分が思うように説明できず難しかった。日本語と簡単な英語のみでも、ゆっくり話したり、文節で区切ったり、ジェスチャーなどで伝わるということに気づき、後半からは授業をすることが楽しいと思えました。日本での教育実習では、自分で予め学習の内容から板書計画まですべて完成している状態で授業をしたが、今回のプログラムでは、シラバスも計画の生徒の人数も、当日教室へ行くまで全く分からない状態だったので日本語教室に関しては、ベトナムへ行くまでとても不安で、授業も緊張しました。学生大使のみなさんに助けてもらい協力してクラスを作れたと感じています。
 交通機関に関して、ベトナムではバイクが非常に多く利用されており、大学への移動も自転車ではなくバイクを使っている人が多くかったこと、また、ハロン湾へ出かけた際に高速道路が無いため片道約4時間かかったことなどから日本とは大きく異なると感じました。
 食文化に関して気づいたことは、スプーンと箸を両方使って食事をしていたことやお米だけでなく、フランスパンを使った料理も一般的に食べられていたこと、葉物の野菜が多かったことなどです。日本の野菜や食材の種類の多さを感じた一方、果物類に関しては、日本では見たことのないものを食べることが出来ました。日本も箸やスプーンやフォークを併用したり、和洋が混同した食事をしたりしているように、多文化が混ざり合ってその国の文化をよりよくしているのではないかと思いました。ベトナムでは、おいしくないときは、残すのは普通で、食べきれないときに無理して食べる必要はないと現地の人に聞き、日本では礼儀とされてしまっている部分でもあるので、素直に思ったことを言えるベトナムの風潮がここにもあると感じました。だが、ベトナムでも、料理を食べ残すことは”もったいない”という考え方があることを知り、うれしく思いました。
 教室以外で現地の人たちと話をしていて、日本語の使い方、日本の文化に関して、「~な時、日本人は~するけど、どうしてなの?」「~な言葉は~な意味なのにどうして使わないの?」など日本人だけれど聞かれると分からないことがあり、きちんと教えてあげたかったが、説明しきれず少し悔しかった。

目標と達成度
 異文化理解、英語力の向上、改善する力をつける、の三つを目的とし、達成目標として記録を付ける、KPT法などを用いた振り返りを意識することを派遣前に立てました。達成度としては、毎日ではなかったが、「日本語教室で○の発音の教え方が難しかった、~の様に説明したら伝わった」といったように具体的に一日の反省や気づいたことをノートへ記録したり、会話などで気になったことはスマートフォンにその場でメモしたりすることで出来たと考える。良かった点と改善したい点の両方を意識していたので、改善する力をつける目的の達成にもつながったと考えられる。

今後の展望
 今回のプログラムに参加したことで、自分自身の得意なこと、苦手なこと、考え方、固定観念などに気がつきました。自分を見つめ直し、自分をより知ることで自分の人生及び残りの学生生活を変えていきたいと思っています。今後は自分で決断して、何かに挑戦することでより自分自身を高めていきたいです。本プログラム参加にあたりサポートしてくださったすべての皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。