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石井百合子 工学部 応用生命システム工学科 4年

派遣期間:平成28年12月20日~12月29日(10日間)

日本語教室での活動内容
 今回試験期間と重なっていたため、1日1コマ夜の時間帯(PM6:00~7:30)の授業を行った。また日本人1人の渡航だったため、日本語がある程度できるクラスのみの受け持ちとなった。以下に授業内容を示す。
1)日本文化の紹介
日本の文化について質問されたためお土産として持って行った年賀状を基にして、日本のしきたりや文化について説明した。また筆や万年筆についての紹介も行った。
2)時制
「将来の夢について」をテーマにしてグループに分けて会話形式とした。時制がまだあやふやな学生がいたため、未来形であることを意識して話してほしいとキーワードを伝えてグループ毎に会話を行ってもらった。その時、日本で働きたいという学生が多かったため、日本から持って行った履歴書についても授業後説明をして驚いている学生もいた。
3)折り紙
ビギナークラスも合同で折り紙教室を行った。 

日本語教室以外での交流活
 現地の学生達と三食食事を摂った。私の要望を基にしてくれた食べ物を近くの屋台やカフェに行って食べることが多かった。日本語が上手い学生も多い中、まだ勉強を始めた学生も一生懸命に話しかけてくれた。周りに囲んで食事をとってベトナムならではの料理を紹介してくれて、同時にベトナム語も少し教えてくれた。
 学生達にハノイ市内を案内してもらった。ホーチミン廟、ホアンキエム湖、鎮国寺、オペラハウスにバスで行ってきた。ホーチミン廟は中を見ることは出来なかったが、政府の警察官が厳しく周りを見守っているのが見受けられた。鎮国寺では、祖師堂にいる住職の隣は母であるということを学生が詳しく説明してくれた。菩提樹の周りを9周すると良いということで学生や観光客と一緒に周った。
 そして今回クリスマスと派遣期間がかぶっていたため、クリスマスは日本語クラブの学生達と一緒にハノイ市内に行ってきた。セントジョセフ教会やホアンキエム湖がライトアップされているところや、飾り付けられているところを見に行った。道を横断するときも、歩く時も現地の学生達が回りを囲んでくれていたので、安心して歩くことができた。その時学生たちの優しさを改めて実感することができた。
 派遣期間中にベトナム民族学博物館へ学生に連れて行ってもらって、普段触れることのない民族について貴重な経験が出来た。一緒に行った学生は、普段種族が違う友達と一緒に住んでいると聞いて、種族が違っていても共に生活できると言っていた。祭りなどが各々にあり、生活様式や冠婚葬祭も違っているが共存できることを知った。また元のカンボジアと元の中国だったところは元の土地色が残っていると記されていると教えてくれた。日本ではあまり目にする機会のない運ぶ手段なども展示されていて、一生懸命に学生が教えてくれて行けてよかったと思う。博物館には、地の神様の人形が展示されていた。ベトナムの文化として、一般家庭、お店問わず地の神様に毎朝線香を立てて繁盛するようにお祈りするということも聞いて、ベトナム人がとても神様を大事にしていることを知った。
 また、ベトナムの漫画喫茶に連れて行ってもらったことも、大学生だけでなくベトナム人と触れ合う機会が持てた。実際に日本の漫画がベトナム語でおいてあるのも見ることができた。かつ丼やオムライスなどの日本の料理がローマ字で書いて提供されていて、日本を参考にしていることが分かった。そこでカードゲームを教えてもらい、その後コスプレ大会にも足を運ぶことができて学生の友達とも交流することができた。友達は大学生ではないが、日本に憧れを持っていると聞いて嬉しく思った。

参加目標への達成度と努力した内容
 私の目標達成度合は70%だと思う。外国語が苦手なのにも関わらず、緊張してしまい積極的に話せなかったことが一番の反省点である。大学の職員さんは英語での会話となったが、拙すぎてよく伝わっていなかったと感じている。もう少し事前に英語の勉強をしていたら、会話の量が増えていたと考える。しかし学生達にベトナム語を教えてもらったことで、日本語教室に通っていない学生に自己紹介ができて、お店でもお会計の際に会話ができたため満足している。
 ベトナム民族学博物館に行ったことは、目標達成に近づいたと考えている。日本と違う文化に触れることができて、当たり前のことが他国では当たり前ではないと感じた。日本にはない民族という概念がベトナムではしっかりとあった。日本でも地域ごとに文化はあるが、それよりも冠婚葬祭などが明らかに違っていると知ることができた。
 一人での渡航だったため、たくさんの学生と触れようと意識していた。その結果学生達が積極的に話しかけてくれて、バックグランドや展望などを皆から聞くことができた。

プログラムに参加した感想
 本プログラムに参加する機会を与えてくださって、本当に良かったと思う。今まで海外に行く勇気がなくて様々なことに目をつぶってきた。そのため英語力の必要性もあまり分からずにいたのが実情である。しかし実際に参加したことで自分自身の英語力の無さに痛感しとても悔しい思いをし、職員さんとももっと話したかったと後悔した。これをきっかけに英語の勉強が大事だと知ることができた。
 初めて日本を出て、初めて海外に行くことは難しいことではないと感じた。視野が広まり、いかに私自身が見ていた世界は狭かったかが思い知らされた。
 そして学生達が一生懸命に話してくれて気を遣ってくれた。鼻水が出てティッシュを出そうとした際に、「どうしたの、大丈夫?」と聞かれて私にここまで心配してくれることに感動した。こんなにも心配できて、気遣えることに尊敬したとともに見習いたいと思った。その気遣いのおかげで一人の渡航でもある程度の安全が保たれていて安心していた。現地の学生が携帯を盗られてとても怖いと思ったが、皆がフォローをしてくれて無事に10日間過ごすことができた。
 日本に憧れを持ってくれている人が多いことにも驚いた。日本の漫画が好きだから、環境がいいから等理由を聞いて、今まで身近すぎて見てこなかったことが他国では憧れてくれるということを知って日本をより好きになることができた。

今回の経験による今後の展望
 来年度から私は社会人として働くことになるが、日本に愛情をもって仕事をしたいと考える。例えば国民が住みやすい環境づくりや、地球環境に良い生活、高齢者にも優しく接していくこと等が挙げられる。より多くの人に日本が好きだと思ってもらえるように、自分自身から活発に行動したい。
 また国際交流にも英語の勉強にも、積極的に取り組んでいきたいと考えている。今まで以上に視野を広めて活動をしてきたいと思う。
 今回の参加で、少し自信をつけることができた。挑戦しようと思ったことは、どうせできないと決めつけずに前向きに努力して、周りの人に勇気づけられるような人間になりたいと思う。

初めての授業での自己紹介の画像
初めての授業での自己紹介

折り紙教室を行った際の集合写真の画像
折り紙教室を行った際の集合写真