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菅原麻実 医学部 看護学科 1年

派遣期間:平成28年9月1日~9月14日(14日間) 

日本語教室での授業内容
 私は9月からの参加ということと初めての学生大使のプログラム参加ということから、周りの先輩方から多くのサポートをしていただき、協力して授業を行うことができました。毎日90分の授業を4コマ、分担してこなしていくのは想像以上に大変なことでしたが、日本とは全く違う環境の中で自分たちの力で授業を作り上げていくことの楽しさのほうが大きかったです。具体的に、月曜日・水曜日・金曜日はビギナークラス、火曜日・木曜日はコミュニケーションクラスというように生徒のレベルによって分けられていたため、曜日によって雰囲気が異なっていました。ビギナークラスは、日本語を初めて習う人や習い始めたばかりの人を対象とし、ひらがなや簡単な日本語の単語、あいさつを教えました。ひらがなは、日本人にとっては何ら難しいとは感じない文字ですが生徒たちにとっては、とめやはね、書き順、「ね」と「わ」、「る」と「ろ」のように似たようなひらがなの区別などが難しいようでした。言葉が通じにくい分、実際に書いて見せたり、生徒が書いた字を添削したりすることで、きれいなひらがなを正しく教えるようにしました。また、ひらがな、単語、あいさつは繰り返し書く練習や発音練習をしてもらい、一回の授業で少しでも多くのことが定着するように取り組みました。コミュニケーションクラスは、日本語をある程度知っている人、日本語を少し話せる人を対象としていたので、普通の会話のなかに授業で扱ったことを取り入れながら、自然に会話ができるようにしました。やはり、日本語を勉強している時間がコミュニケーションクラスの生徒たちは多いため尋ねてくる質問のレベルが高度で、どのように説明したらわかりやすいか考えるのが大変でしたが、分かってくれるまで粘り強く教えることができました。

日本語教室以外での交流活動内容
 ベトナム人の学生が一緒に行動してくれたおかげで毎日が本当に楽しかったです。特に土日に出かけたハロン湾ツアーが心に残っています。ハロン湾は世界遺産で、多くの伝説が残る神々しい場所でした。みんなでベトナム国家農業大学60周年記念Tシャツを着て、ハロン湾を巡ったり、おいしい海鮮料理を食べたり、海やテーマパークへ行ったり、たくさんの思い出をつくることができました。日常生活の中でも食事はいつも外食だったのでいろんな場所でベトナム料理を食べて、多くのことを話して、このようなこともすごく楽しかったです。バインミー、ブンチャー、フォー、バインセオ、チェーなど、ベトナムにしかない食事を安く、毎日食べられたことも幸せでした。お昼ご飯は日本語教室の生徒たちと食べることもあり、教室よりも密にコミュニケーションをとることができたので良い時間を過ごすことができました。

プログラムに参加した感想
 「日本語を外国人に教える」というのは初めてであり、ましてや自分の専門とは違う領域のことをするということもあり、最初は緊張でしっかり教えている実感がありませんでした。しかし日を追うごとに、どうしたら生徒が納得してくれるのかを考えながら工夫して授業を進めていけるようになり、自分で自分の成長を感じることができました。従って、このような気づきができたことが自分自身にとってプラスになり、楽しみながら授業ができました。また、私は少し人見知りのところがあり、初対面の人に対して自分を上手く表現できないところがありましたが、プログラムに参加したことにより少し改善されたような気がします。2つの成長を実感することができ、本当に良かったです。

プログラムでの目標の達成度や努力した内容
 私のプログラムでの目標は、グローバル社会で生きていくために必要なコミュニケーション能力・自国と相手国についての理解力・課題解決能力の3つの力を向上させることでした。目標は毎日意識して行動することによっておおむね達成できたと思います。コミュニケーション能力に関していえば、英語が話せることとコミュニケーション能力があることを同等に扱ってはいけないことが理解できました。なぜなら、表情やジェスチャーだけでも十分に意思疎通を図ることができ、確実性を増すために言葉が必要だと分かったからです。言葉だけに頼らずに、全身でコミュニケーションをとることが大事だと感じました。自国と相手国についての理解については、友人たちとの会話の中で日本とベトナムの違いに気づき、違うからといって否定するのではなく、そういった考えや文化があるのだと素直に受け止めることを大切にして実践できました。また、課題解決能力は生徒からの質問に対して、臨機応変に答えたり、ただ答えるのではなくて、自分なりの工夫をしながら答えたりすることで培われていったと思います。

プログラムでの経験による今後の展望
 今回のプログラムに参加することは実は私にとってとても勇気のいることでした。しかし、それでも参加を決意したのは、日本ではできない経験をして自分を改革したいという向上心があったからです。プログラムでの経験が自分の気持ちを信じて行動することの大切さを教えてくれました。これからも様々な国を巡って、将来の夢に一歩ずつ近づけていけたらいいと思います。最後になりますが、今回のプログラム参加にあたり手助けしてくださった多くの方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。