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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記(6)」

 山形大学の人文学部に当たる学部は、ガジャマダ大学では、社会政治科学部、経済会計学部、法学部、文化科学部、哲学部、心理学部、の6学部に分割されています。

 社会政治科学部には、国際関係学科、コミュニケーション学科、政治行政学科、社会学科、社会開発学・福祉学科、公共政策・管理学科、公共行政学科、の8学科があり、教員は118人いました。経済会計学部には、会計学科、経済学科、経営学科、の3学科が、法学部には、法律科学科の1学科がありました。文化科学部には、文化人類学科、考古学科、歴史学科、インドネシア語文学科、ジャワ語文学科、英語文学科、アラビア語文学科、フランス語文学科、日本語文学科、韓国語学科、観光学科、の11学科があります。哲学部は、一般哲学科、科学哲学科、生命哲学科、の3学科が、心理学部は心理学科の1学科だけがありました。文化科学部の日本語文学科は、小さな学科で、1学年の学生数は30人で教員は9人でした。韓国語学科は1学年の学生数は20数人で教員は6人、中国語学科は存在していませんでした。いずれの学部も、山形大学との交流を期待していました。

 学内には21の研究センターがあり、日本研究センターや韓国研究センターもありましたが、中国研究センターはありませんでした。現在中国は世界の国々の主な大学に、中国語と中国文化を教える孔子学院を330校も寄贈しており、ガジャマダ大学にも当然あると思っていたのですが、意外でした。活発な活動を感じたのは、学科が存在していないドイツ研究センターでした。日本研究センターはというと、約30人の学生が有料の日本語クラスに通っているという話でしたが、いつ見てもヒッソリとしていました。運営しているのは、日本で博士学位を取得した先生方で、全学で160人おり、4人が任期4年の交代でセンター運営を担当しているそうで、センター長は阪大で学位を取得し、農学部で土壌環境微生物学を担当しているIrfan先生でした。かつては日本大使館から運営資金の補助が出ていたそうですが、現在はなくなり、日本語文学科も含めて活動は低調のようでした。

 活動が目覚ましいのは韓国語学科で、学生一人当たり2件の奨学金が当たり、誰でも韓国に留学できると言う話でした。学科紹介のパンフレットにも、韓国からの資金援助が潤沢にあることが謳われていました。「20数年前の日本と一緒」という声が聞こえました。

 現地滞在の国際交流担当として身に染みて感じるのは、国際交流の担い手は個人だということです。日本留学を経験した先生方が、学生に日本を紹介し、学生は日本に憧れと近親感を抱き、その思いが、家族、友人、地域などに広がり、私の活動に反映して来ます。

 今まで4カ国で山形大学提供の日本語クラスを開講し、それぞれ100人前後の学生を集め、3カ国で山形大学の学生を日本語チューターとして派遣するプログラムを開始しました。参加者は該当校に2~4週間滞在し、チューターとして現地の学生の注目を一身に集め、深い感動を得て帰国しています。このプログラムをガジャマダ大学でも行います。渡航費の多くは山形大学国際交流室が支援し、宿舎は受け入れ校が提供します。すべての参加学生が海外に沢山の友人を作り、帰国後もフェイスブックで頻繁に交流を続けています。教職員の方々には、学生達に、このプログラムへの参加を呼びかけていただけると幸いです。

社会政治科学部本館の画像
社会政治科学部本館

日本研究センターの画像
日本研究センター