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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記2(7)」

 6月24日の朝に、農学部のAchmadi教授に、「新教授の就任式があるから、出席しませんか」と誘われました。「途中参加で、後ろの方から写真を撮って、直ぐに退席できるなら」という条件で参加しました。そうでないと、最前列に主賓席を設けられるからです。

 会場は農学部ではなく、大学本部2階中央にある、セレモニー・ホールでした。ホール入り口のベランダのような広い廊下には飲食の用意がしてありました。ホールに入ると、正面を背にして椅子を並べ、黒いアカデミック・ガウンを纏い、黒い帽子をかぶり、黄色や水色の襟巻を垂らした人々約20人が座っていました。18学部の教授代表団だったそうです。彼らと対面した椅子席の一般席もあり、平服の人々約100人が座っていました。

 正面の右隅では、アカデミック・ガウンの一人が講演中でした。その講演が終わると、正面左隅にいた、背丈よりも長い杖を持ったアカデミック・ガウンの男が、杖で床を叩いて何かを叫びました。それが合図で、教授辞令授与と思われる式が始まりました。

 新教授は、講演をしていた人でした。学長による辞令授与の直後に、一般席に座っていた1人の御婦人が立ち上がり、新教授に歩み寄り、熱い抱擁と・・・。笑いが広がると、座席後部から女性に導かれて、中高生程度の少年2人が現れました。新教授の息子のようで、家族が揃ったところで拍手があり、再び、叫び声と杖で床を叩く音がして、式は終わりました。会場の出口に新教授の家族が並び、アカデミック・ガウンの人々が退場していきました。その中に、農学部のAchmadi教授の後ろ姿がありました。

 式終了後、農学部のサテライト・オフィスに戻ると、平服に戻ったAchmadi教授が昼食を誘いに来ました。外に公用車が待っており、学内をしばらく移動して、行った先が、大きなパーティー会場でした。入り口には、先ほどの新教授御夫妻が立っており、周囲に日本の花輪に当たる花板が10枚ほど並べてありました。会場にはバンドや歌手もいて、飲食物を並べた屋台が9か所にありました。参加者は、ざっと500人かそれ以上いました。

 パーティー会場で、私にまず声を掛けて来たのが、生物学部のSuwaruno学部長でした。次に声を掛けてきたのが、これも生物学部のEndang副学部長でした。周囲を見渡すと、昆虫学のHidayat教授など、生物学部の知った顔がありました。

 前日の6月23日に、私は生物学部で、山形大学理学部生物学科の紹介をしました。その会議には、学部長と3人の副学部長、そして、10数人の研究室長が参加しました。生物学部は13の研究室の70人の教員で構成されています。パーティー会場で会った彼らの話しで、新教授は、農学部ではなく、生物学部の動物組織学の先生であることが分かりました。そして、このパーティーの費用全額は、新教授の個人負担だそうです。私は会場に約1時間いましたが、新教授御夫妻は、出入り口の同じ場所にずっと立っていました。

 パーティーの帰りに、弁柄色の大きな屋根の、大学のシンボル的な大講堂に寄りました。7月から始まる3年生全員参加の、2か月間の田舎体験学習の結団式があり、1チーム30人で編成する各チームの、チームリーダーとサブリーダー、そして引率の先生、約700人が出席していました。先生方は、延べ10日ほど、2~3回に分けて参加するそうです。

新教授就任式 の画像
新教授就任式

教授就任披露パーティー会場の出入り口で挨拶をする新教授夫妻。の画像
教授就任披露パーティー会場の出入り口で挨拶をする新教授夫妻。