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大崎教授の海外駐在記「ケニア駐在記(4)」

 「景観生態学・造園学の野外実習で、来週月曜日に庭園巡りに行くが、行かないか」と京大出身のMukundi先生に誘われたのが先週の始め。金曜日の夕刻になってもその後の知らせがないので問い合わせると、「火曜日に延びた。詳細は来週の月曜日に」月曜日の夕刻に再び問い合わせると、「明日あるかないかは明日決まる。朝に連絡する」

 火曜日の午前8時20分ごろに電話があり、「8時30分に出発する。すぐに来てくれ」と言います。スクールバスの待合場所には30人ほどの学生達が集まっていて、「7時に、8時に集合と連絡があった」との話でした。しかし、9時を過ぎてもバスは来ず、理由をMukundi先生に聞くと、「スクールバスを昨日も使ったので、ガソリンがなくて、入れているのだろう」「ガソリンを入れるのにそんなに時間がかかるのか」「ガソリンを入れるための手続きに時間がかかる。今、書類が学内を巡っているはずだ」結局、9時27分に出発できました。バスは正門を出た所で道の脇に止まり、学生が1人立ち上がり、全員が頭を垂れて旅の無事を神に祈りました。ケニアの国民は96%がクリスチャンで、日曜日の朝のテレビは一斉に宣教師のお説教を流しています。祈りの言葉を述べた学生は、たまたま一番前に座ったので、その役を果たしたそうです。

 訪れた庭園は2ヵ所。1927年に創設されたカントリー・クラブのBrackenhurstと、ケニア中央銀行と財務省が管轄するKenya School of Monetary Studies。前者はナイロビ郊外にある64ヘクタールのイングリッシュ・ガーデンで、国際会議場も兼ねた建物や食堂、各種宿泊施設、30余りの家族用コテジが芝生の庭園の中に散らばっていました。後者は、住宅街にある小白川キャンパスほどの敷地に、研修宿泊施設、食堂やカフェ、50mプールと高飛び込み用のプール、屋根付き観覧席のあるタータントラックの陸上競技場、タータンのテニスコート、諸器具の完備した屋内ジム、等などが、敷地の隅々まで行き届いたイングリッシュ・ガーデンの中にありました。圧巻は2ヵ所にある300坪ほどの中庭で、団扇状のヤシや紫の花咲くアガパンサス(アフリカン・リリー)その他の草花をシンメトリックに配し、芝地には白いベンチを置いてありました。種苗から育てる専属の庭師たちが庭園を管理し、庭園を売りに国際会議場としても使われていました。しかし、学生達が感嘆の声をもってなかなか離れなかった場所は、変哲もない宿泊所のバストイレ付の個室でした。

 帰りのバスの中で、Mukundi先生が「明日は9時半から会議があるので、講義は7時から行う」と言うと、不満の声が上がり7時半から始まることになりました。バスがキャンパス奥の学生寮で止まると、1人の学生が立ち上がり、無事に戻った感謝の祈りを神に捧げました。

 木・金曜は、JKUAT主催、学振と岡山大学資源植物科学研究所が共催の、第7回JKUAT Scientific, Technological and Industrialisation Conference があり、岡山大学からは5人の先生方とJKUATから博士課程に留学中の学生が参加していました。岡山大学は毎年この会議を共催しているそうです。

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