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大崎教授の海外駐在記「ジョモ・ケニヤッタ農工大学駐在記5(3)」

 今回、初めて、ジョモケニヤッタ農工大学構内にある、AICAD(The African Institute for Capacity Development)の宿舎に泊まりました。日本開発援助機構(JICA)が作り寄贈したもので、セミナー室や会議室以外に、80部屋の宿泊施設、食堂、フィットネスルームなどがあります。しかし、利用者は、多くて3~4人で、ガラガラでした。この期間、私の知っているだけでも、ジョモケニヤッタ農工大学に短期で滞在した日本人は、私を除いて5人いました。過去に、AICADの宿舎を利用したことがある、という人も何人かいましたが、今回は誰も泊まりませんでした。
 理由は、高いのです。宿泊費は、山形市内のビジネスホテルや、ナイロビ市中の中堅ホテルよりも高く、ジョモケニヤッタ農工大学にやって来る、日本の大学の先生方が良く利用するという、Jujaの街の最高級ホテルの2倍の値段でした。現在、大学周辺には、学生定員の急増に伴い高層の学生アパートが雨後の筍のように建っていますが、その部屋代の2カ月分が、AICADの一泊分です。
 食事代も高かったです。朝晩の食事はごく少数の宿泊者のために作ってくれますが、昼食時には学内の教職員も食べに来ます。その支払い額から予想していた代金の2~3倍を請求されました。成田空港のレストラン並みの値段でした。料金はチェックアウトにまとめて払いましたが、代金はその時に初めて知りました。食事の味は好みの問題があるので、何とも言えません。極めつけは、ビール代でした。大学近くに、豊かな人々が車で集まる野外庭園レストランがあるのですが、そこのビール代の3倍でした。
 サービスは悪くなく、食事時間は、公開されていた時間の30分~45分の遅れでした。これは、一般のレストランと比べれば、速い方で、慣れてしまえば問題ありません。2回断水がありましたが、そのつど大きな水タンクを持って来てくれて、希望の時間に、シャワー用のお湯をバケツ一杯持って来てくれました。停電も一度ありましたが、前もってロウソクが備えつけてありました。インターネットは、電波が微弱で苦労しましたが、ともかくWifiが備え付けてありました。パスワードが時々変わるのには閉口しました。
 帰国時に、AICADから空港まで乗ったタクシーの運転手に、AICADの感想を聞かれました。「高かった」と言うと、「AICADから乗せる客は全員が高かったと、まず言う」と言いました。「特に、長期滞在した客の中には怒る人もいる」と言いました。今まで、色々な大学の宿泊施設に泊ったことがありますが、市中のホテルより高い宿泊施設は初めての経験でした。それが、日本の援助でできた施設だけにびっくりしました。日本人でさえ高いと思うのですから、アフリカの人々には、とんでもなく高い施設だと思います。最後にタクシーの運転手が、「安全を金で買っている施設だと思う。」と言いました。
 もっとも、ケニアの大学の先生方の家は、豪邸が多いです。日本のテレビドラマで映る大学教授宅は、現実離れした豪邸ですが、ケニアでは、その豪邸もみすぼらしく映る文字通りの豪邸です。山形大学のコーディネーターをしているHunja先生宅は敷地1000坪程度の高い塀に囲まれたお屋敷で、ペットとしてのシェパードを5匹放し飼いにしています。

AICADの宿舎。正面はレストラン。の画像
AICADの宿舎。正面はレストラン。

野外庭園レストランの画像
野外庭園レストラン