ホーム > 国際交流・留学 > 海外拠点情報(駐在記) > ナイロビ海外拠点(ケニア) > 大崎教授の海外駐在記「ジョモ・ケニヤッタ農工大学駐在記2(2)」

大崎教授の海外駐在記「ナイロビ駐在記(2)」

 山形大学サテライト・オフィスが、ジョモ・ケニヤッタ農工大学 (JKUAT) に、課外授業としての日本語クラスを開設してから1年2か月が経ちました。昨年の夏休みには、山形大学の学生5人が日本語チューターとして参加しています。彼らはJKUATの学生達に強烈な印象を残したらしく、彼らの名前を懐かしげに口にする学生に良く会います。その時の模様がJKUAT の季刊誌Agritech News July-Sept 2013の23ページ目に写真付きで掲載されました。以下URLよりご覧いただけます。

 http://www.jkuat.ac.ke/agritech/Agritech%20News%20Magazine%20Issue%2055%20JULY-SEPT%202013.pdf

 彼らの派遣中の9月21日に、ナイロビの大型商業施設ウエストゲート・モールでテロ事件が起こり、関係者全員がヒャリとした記憶はまだ生々しいです。その結果、現在、学生チューターの派遣は見合わせていますが、日本語クラスに参加している当地の学生にはそれが不思議なようで、「なんで?あれはもう終わった事件でしょう。今は安全だよ」と異口同音に言います。

 学生に代わり、今週(2014年1月29日)から来週にかけて、職員の小林五月さん(理)と矢萩義和さん(工)がチューターとして参加しています。彼らは朝10時と夕方4時からの各2時間、初級クラスと上級クラスの異なる2クラスを分担して受け持っています。

 サテライト・オフィスが各国で開いている日本語クラスの共通した特徴の一つに、留学生の参加があります。JKUATでは、ナイジェリア、ウガンダ、ルワンダ、等からの留学生が参加しています。留学生は、異なる言語文化を背景とした地元の学生となかなか馴染めないそうです。しかし、日本語クラスは、皆が日本語の初級者と言う共通した言語文化を背景に、即座に仲間になれ、研究室や学部の垣根を越えた友人関係を持てることが、魅力の一つだと言う話を聞きました。

 山形大学関係者がチューターとして参加していない時期には、JKUAT構内の教員住宅に住む、小学1年生の女児のお母さんのJoanさんが、週に2回、日本語クラスを担当して下さっています。彼女の御主人はJKUATの工学系学部の先生で、岡山大学で学位を取得されたそうです。その時期にJoanさんも日本に同行して、日本語を習得しました。

 この日本語クラスの先生を始めてから、Joanさんの日本語熱は再点火されたようで、日本大使館の主催する日本語クラスに参加し始め、JKUATの日本語クラスも週4回に増やしました。今週のように、日本語チューターが来ている期間は、彼女自身が上級クラスの学生として参加しており、彼女の日本語能力は、1年前より格段に進歩していました。

 JKUATの日本語クラスの持つ最大の悩みは、教室の確保です。ダブルブッキング、トリプルブッキングが絶えません。約20人の学生を前に授業の佳境に入った頃に、たった2人の学生を従えた先生に、教室を断固明け渡すようにと言われたり、50人ぐらいの学生を率いた先生が、途方に暮れた表情で入口に佇んでいることがあります。先生方の会議や出張が頻繁にあるので、授業時間に融通性を持たせ、教室を固定していないそうです。

初級クラスを教える矢萩義和さんの画像
初級クラスを教える矢萩義和さん

上級クラスを教える小林五月さんの画像
上級クラスを教える小林五月さん