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大崎教授の海外駐在記「ナイロビ駐在記(7)」

 帰国が迫り、大きなイベントを2つしました。日本語学習発表会と、手巻き寿司パーティーです。発表会は、健康科学部のカロさんが「おかあさん」という自作の詩を朗読し、2つのグループが「世界は一つ」「無題」というドラマをしました。

 おかあさん あなたは理由なく私を愛しています あなたはいつも私を気にしています あなたはどんな季節にも私をみちびいてくれます あなたは常に親切で公平です あなたとともにある私の人生は少しもたいくつすることはありません あなたに愛されている幸せにまさるものはありません おかあさん

 「世界は一つ」は、汎アフリカ大学機構の土木学専攻のナイジェリア人留学生サダ君が脚本振付をしたもので、日本語クラスで知り合った、ケニアの女子学生とナイジェリア人留学生(民族服を着たケニア人)が恋におち、ケニア人の母親と、ナイジェリア人の父親(民族服を着たケニア人)に結婚の許しを求めに行く、と言う筋書きです。

 親は国際結婚を許さず、2人は日本人の先生(ナイジェリア人)に相談に行きます。先生は中国の女性(ケニア人)と結婚をしており、国際結婚の先輩として2人の親を説得します。親に会いに行ったときに、母親は「ゾウさんの歌」を歌いながら掃除をしており、父親は「迷子の迷子の子ネコちゃん」を歌いながら思案中でした。最後に先生の説得が効を奏し、結婚が許されると「幸せなら手を叩こう」の歌とともに大円団になりました。

 「無題」も土木専攻のナイジェリア人留学生サディック君の脚本振付の喜劇で、日本語クラスの出席が4回という初心者の農学部のホープさんを主演女優に抜擢していました。彼女が日本語クラスの先生(ケニア人)と動物園に行くシーンがありました。出演者がいかにも、という素振りで動物を演じており、先生が「あれは何ですか」と彼女に尋ねます。彼女が「あれはキリンです」「あれはシマウマです」と答えていきます。このドラマでも「メリさんの羊」と「幸せなら手を叩こう」が、効果的に取り入れられていました。

 寿司はほとんどの学生にとり未知の言葉でした。国連代表部やアメリカ大使館のある、南国の樹木草花に覆われた超豪華大邸宅地区にあるビレッジ・マーケットの魚屋さんで、マグロとサケを、大きなブロックとして買いました。それを小さくさばいたサダ君が、寿司は生魚を食べると知った瞬間に、「絶対に無理だ」と叫びました。

 手巻き寿司用に切った海苔は、受け皿代わりに使われていました。そうではなく、メシや具を海苔で巻いて、海苔ごと食べるのだ、と例を示して食べて見せ、作って渡しもしました。皆、恐る恐る、端をかじる、という様子でした。箸は全員が持ち帰りました。

 手巻き寿司パーティーは、ゲストハウスで、2時から準備を開始、4時から会食とし、予め約30人の参加時間のリストを作り、2時の参加者が10数人いることを確認しておきました。しかし、最初に来た学生は50分遅れでした。ビレッジ・マーケットに買出しのために呼んだタクシーも、予約時間を20分遅れました。前回滞在した際に、予約したチャーターバスが、約束の時間を30分過ぎても来ないので、日本留学帰りの先生に不満を漏らしたところ「ここはアフリカだよ」と笑われました。そのことを改めて思い出しました。

「幸せなら腹叩こう」と歌う「世界は一つ」の出演者の画像
「幸せなら腹叩こう」と歌う「世界は一つ」の出演者

手巻き寿司パーティーの画像
手巻き寿司パーティー