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大崎教授の海外駐在記「ナイロビ駐在記(8)」

 2か月前の1月14日に、ナイロビ空港に降り立つと、ジョモ・ケニヤッタ農工大学(JKUAT)のあるジュジャ(Juja)の街のタクシーが迎えに来ていました。大学までの1時間の道中、運転手のダニエル君が話題にしたのは、ジュジャにウチュミ(Uchumi:スワヒリ語で「経済」)がやってくる、ということでした。ウチュミとは、ケニアの三大スーパー・マーケットの1つで、他に、ナクマット(Nakumatt)とタスキース(Tuskys)があります。

 ジュジャの中心街の建物は、多くは3~5階建てのビルで、1階が店舗で、2階以上が住居になっています。街には、JKUATに至る幹線道路以外に舗装道路はありません。市街地の道はでこぼこで、水溜りや、ぬかるみもあります。各店は間口2畳~4畳ぐらいの広さで、道沿いに屋台や露店も多く、野菜や果物を売る八百屋は、ほとんどが野外の屋台です。しかし、店の種類は日本とほぼ一緒で、思いつく限りのすべての店があります。小さな映画館もあります。2月にジュジャで、NHKが、隣国南スーダンの国営テレビに撮影技術を教えていました。南スーダンは危険だから、ジュジャで教えている、と言う話でした。

 とはいうものの、日本人がジュジャの街だけで生活をするのはなかなか大変です。魚屋にはテラピアと言う淡水魚、肉屋には匂いの濃い牛肉があるだけで、海産魚貝類や、ハム、ソーセージ、チーズの類はありません。八百屋には、白菜、大根、モヤシなど、日本人に馴染みのある野菜もありません。しかし、ウチュミ、ナクマット、タスキース、の三大スーパーに行けば、日本のスーパーに見劣りしない品数が揃っています。

 13年前に、西ケニアのビクトリア湖畔のブヤング村に1年間住んでいました。週末は車で2時間離れた、ケニア第3の都市のキスムにある、ナクマットに行きました。キスム周辺には、孤児院などでボランティア活動をしている欧米の大学生たちが沢山住んでいて、週末になるとナクマットに集まって来ました。女子学生達は、「私達、ナクマットがあるから、ここに住んでいられるのよね」と言いあっていました。

 ジュジャから最も近い三大スーパーは、ナイロビとは反対方向の5キロ先にある、ティカのタスキースです。ジュジャから乗客定員14人のマタツという、日本製の中古箱型バンを改造したミニバスが通っています。私も、タスキースには良く行きました。そんな三大スーパーの一つ、ウチュミがジュジャにやって来るというのは朗報でした。わざわざティカやナイロビ市中に行かなくても、ジュジャの街で多くのものが揃います。

 ケニアに来た直後の1月下旬の週末に、ウチュミの開店予定地を訪ねました。真新しい5階建てビルの1~2階で、商品の搬入も始まっていました。警備員に聞くと、開店は2月1日だと言われました。しかし、2月1日になると、開店は3月1日に延期されたと言われました。3月1日に、日本語クラスのJoanさんに聞くと、まだ開店していない、と言い、昨年の11月からあの状態で、開店予告と延期が繰り返されている、と言う話でした。

 3月7日に帰国しました、出国前日にウチュミの前を通ると、入り口が開いていました。店内に人はまばらで、生鮮食品の棚には大きな空きがありましたが、ジュジャにはなかった、海産魚介類、ハム、ソーセージ、チーズ、大根、モヤシ、等が置いてありました。

八百屋さんの画像
八百屋さん

ロバの荷車の画像
ロバの荷車