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大崎教授の海外駐在記「ジョモ・ケニヤッタ農工大学駐在記(2)」

 8月10日に、日本語クラスの「手巻き寿司パーティー」を行いました。以前に行ってきた「手巻き寿司パーティー」は、日本語クラスの打ち上げでしたが、前回、インドネシアのガジャマダ大学で、学生の要望で早い時期に行ったところ、これが私たち、及び、様々な学部や学年にわたる学生達相互に非常に緊密な関係をもたらしたので、ジョモ・ケニヤッタ農工大学でも、早い時期に行うことにしたのです。

 会場は、お世話になっている土壌学のLenga教授のお宅で、教授は甥と姪に命じて、ポーチにテーブル3個と椅子を30脚並べ、彼らを門番としても配置し、パーティーにも積極的に参加しました。結局、椅子は30脚では足りずに、台所兼リビングに4人分のソファーを並べましたが、それでも足りずに、室内外に立ったままの参加者がいました。

 パーティーは午後4時から始めましたが、先立つ2時から調理を始め、集まってきた学生たちは、生のマグロやサケを食べると知って、大きくどよめきました。参加者の中に、ナイジェリア人やインド人もいました。どの国でも共通なのですが、山形大学提供の日本語クラスには海外からの留学生がやって来ます。彼らは地元の学生となかなか交流が難しいようですが、日本語クラスではすぐに地元の学生と仲間になり、密な交流が続くようです。

 パーティーは、チューターとして来ている医学部の茂藤(もとう)優司君が、手巻き寿司の食べ方を説明することから始まりました。何人もの学生から、「日本では、いつもこんな御馳走を食べるのか」と聞かれ、「いや。今日は特別だよ」と答えたのですが、昨年の山形のサマー・プログラムに参加したエマさんが、「日本にはいろんな食べ物があって、何でも普通にスーパーで売っているよ」と、話していました。午後6時に、賑やかで陽気なパーティーが終わると、上級クラスの学生達が口々に「ユウジ、Jujaの街に行こう」と茂藤君を誘い、ナイジェリア人やインド人も一緒になって帰っていきました。

 その前日、チャーターしたタクシーで、大学から約30キロ離れたナイロビ市中に、短粒米のスシライスや、マグロやサケなどの魚の寿司ネタを買いに行きました。魚屋の店頭で、中国人かと尋ねられ、日本人だと応えると、「カムサハムニダ」と言われました。

 途中、各国の大使館が並ぶ通りを通り過ぎたときに、茂藤君が車の窓を開けて、カナダ大使館にカメラを向けました。「まずいな」と思った直後に、セキュリティーの緊急車が追いかけてきて前に回り込み、飛び降りた戦闘服の男たち数人に、自動小銃を向けられました。

 ケニアでは、大使館、軍、警察、主な官庁、及び、警察官、軍人の写真を撮ることが禁じられているのです。私達は「刑務所だ」「裁判所だ」と叫ぶ男達に護送され、カナダ大使館の警備所に車ごと連行されました。大使館から出てきた係りの取り調べの結果、目の前で、カメラからカナダ大使館の映像を削除することで釈放され、警察官に引き渡されました。

 迷彩服に自動小銃の警察官は、私達は無罪だが、運転手には責任があると言って、彼を連行しました。私は彼に財布を預けるようにとささやき、200シリングを渡しました。程なく釈放された彼の話だと、警察官に5000シリング要求され、無いと言うと身体検査をされ、ポケットの200シリングを取られたそうです。その200シリングは茂藤君が弁済しました。

手巻き寿司パーティーの画像
手巻き寿司パーティー

パーティーの参加者の画像
パーティーの参加者