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大崎教授の海外駐在記「ジョモ・ケニヤッタ農工大学駐在記(3)」

 日本の新聞をインターネットで読むと、エボラ出血熱のニュースが良く目に入ります。日本からやって来るメールにも「エボラ出血熱、大変でしょう」という書き込みが増えてきました。しかし、ケニアにいると、全く別の世界の話のように聞こえます。

 エボラ出血熱の発生地の西アフリカ3か国の中で、ケニアに最も近いリベリアは、ケニアから約5000キロ離れています。山形から5000キロ離れた地は、インドネシア、タイ、ミャンマー、中国の新疆ウイグル地区です。これだけ離れていると、大変でしょう、と言われても、ピンときません。ところが、ピンとこないはずの話の影響がやって来ました。

 私はケニアに大韓航空で来ました。日本からケニアに来る路線は、他に、エミレイツ航空、カタール航空、エティハド航空、トルコ航空があります。大韓航空を利用した理由は、唯一、ケニアまでの飛行に小型犬の機内持ち込みを認めているからです。私は家族と旅行する際は、ミニュチュア・ダックスフンド犬を同行しています。預け先がないからです。

 8月14日に、大韓航空が、エボラ出血熱の流行を原因として、8月18日を最後にナイロビ便の運休を連絡してきました。ナイロビ空港が西アフリカ諸国への起点になっているからで、西アフリカ諸国へ向かうケニア航空の運休も検討されています。しかし、さすが、この種の話には鋭敏に反応する韓国です。他航空の運休の話はまだありません。

 私たちの帰国予定は8月28日で、大韓航空は、代替輸送機として、貨物室を利用しての犬の輸送を認めているエミレイツ航空に打診しました。しかし、エミレイツ航空の規定では、犬は乗り継ぎ時間を入れて17時間以内の輸送が条件で、ケニアから日本までは18時間30分かかるので、無理だと断られました。結局、家族は18日に大韓航空で、私は28日にエミレイツ航空で帰国することにしました。

 家族の突然の帰国が決まり、晩餐への招待が続いています。先日は技術工学部長のIkua教授。今日(16日)は、大家さんの、農学部のLenga教授で、明日の最終日は日本語講師のJoanさんです。日本のテレビドラマには、豪華な大学教授宅が出てきますが、私の知る限り、ドラマの教授宅は虚構の世界です。しかし、訪れたJKUATの教授宅はドラマの教授宅に負けず劣らず豪華で、Ikua教授のお宅は、ドラマ以上の広壮で瀟洒な豪邸でした。

 Ikua教授のお宅で、来年、JKUATの人文学部に外国語学科が新設され、日本語、中国語、フランス語のコースができる話を伺いました。ケニアにおける中国の存在感は抜群で、テレビでは日に2回中国語講座があります。今週、JKUATに、大臣をトップとする中国の代表団が訪れ、中国文化センターの寄贈と毎年17人の国費留学生受け入れの申し出があったそうです。近隣の高校にも、中国語クラスの寄贈が頻発しているという話を聞きました。

 しかし、中国の性急な進出に当惑し、警戒感による新植民地主義の批判もあります。JKUATが外国語学科を新設し、中国語コースだけではなく、日本語コースを設けるのも、中国に対する牽制を兼ねているのだ、と解説する先生がいました。

 この週末、チューターの茂藤君は、国際学生寮のドイツ人やアメリカ人の学生達とマサイマラに1泊2日のサファリーに出かけていきました。今日の日中の室温は21度です。

Ikua教授宅で の画像
Ikua教授宅で

Jujaの街の通勤路の画像
Jujaの街の通勤路