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ラトビア大学駐在記6(1)

 今回も学生大使派遣プログラムの話題.現在,山大生を送っている世界5か国の本学海外拠点校には,それぞれ,山大生の受入れに関わる一切を仕切る窓口役の教職員がいます.それら教職員は,各拠点校で日本に関わる研究・教育に携わっている教員か,全学的な国際交流に関わる仕事を担っている大学職員かの何れかです.この稿では,前者のケースのうち,ラトビア大学で窓口役を担っている,同大学人文学部のアグネス・ハイジマ先生を紹介します.

  さて,ハイジマ先生は,生まれも育ちもラトビアの首都リガという生粋のラトビア人です.研究分野は日本文化ですが,具体的には日本の伝統絵画の研究を専門にされ,学位論文では雪舟の水墨画を扱い,最近では浮世絵の研究に取り組んでいます.正に「わび,さび」など,日本文化の核心に迫る研究・教育に携わっています.

  ハイジマ先生が最初に関心を抱いた学問研究の対象国は,日本ではなく中国だったといいます.その関心が高じて中国に留学していた時に,後の夫となる日本人男性と知り合います.そして,その男性との交際を経る中で日本への興味が深まって行き,やがて,その男性と結婚されて渡った日本でも,さらに日本文化の研究を深めたいと考えるようになりました.そこで,名古屋大学で現在に通じる研究を始められて,同大学で学位を取得されました.日本に12年間滞在された後,2009年からラトビア大学に勤務して現在に至ります。

 現在は,大学生と高校生の娘さんを育てながら,家庭生活,研究そして教育と,とても忙しい毎日を過ごされています。

 この駐在記担当の菅原は,山形県職員時代にアメリカに3年間駐在(山形県の米国姉妹州であるコロラド州(州政府勤務))したことがあり,山形県内の社会人15名が1カ月間アメリカに渡り,現地研修を積むプログラムの受入れを担当したことがあります.その時にも感じたことですが,欧米で日本人の研修プログラムを構築する際には,日本を深く理解している現地関係者の有無が,プログラムの完成度に大きな影響をもたらします.日本を理解している現地人の方は,日本人の思考様式やメンタリティーを的確に踏まえた上で,日本人が自らの国の何に学び,感激しいくのかをよく理解しているからです.この点,ラトビア大学のハイジマ先生は,日本文化の研究を通じて日本人学生のメンタリティーをとてもよく理解してくださっており,本学にとって頼もしい存在となっています.

アグネス ハイジマ先生の画像
アグネス ハイジマ先生

ラトビア大学人文学部の画像
ラトビア大学人文学部