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大崎教授の海外駐在記「ラトビア大学駐在記2(1)」

 9月3日~11月5日の予定で、ラトビア大学に駐在しています。今日は9月10日。気候は、夏の終わりか秋の始めで、街には、半袖半ズボンの人もいれば、ジャンパーやコートを着込んだ人もいます。ちょうど、常春の国、ケニアの気候に良く似ています。

 ラトビア大学は分散キャンパスで、各学部の建物は、世界文化遺産の旧市街地を囲むように、大学の建物とは無関係の建物群の中に、ポツリポツリとあります。私のオフィスは、昨年と同じで、旧市街地の西のはずれの木立の中にある生物学部の学部長の研究室です。執務用の学部長室は別にあり、本部より徒歩15分ほどかかります。

 山形大学提供の日本語クラスは、本部より東に10分ほど離れた経済学部の5階で開いていました。旧市街とは電車通りで隔てられており、隣にオペラハウスがあります。私がクラスを訪れた時には、賑やかな部屋の中からバイオリンの音がしていました。クラスが始まるわずかな時間を利用して、部屋の隅でバイオリンの練習をしている女子学生がいたのです。街には、辻音楽師がいて、バイオリンやチェロを弾く姿を良く見かけますが、経済学部に設けられた日本語クラスでバイオリンを弾く姿を見ることは、予想していませんでした。

 現在、日本語チューターとして、山形大学生は4人滞在しています。今回の、このクラスの特徴は、中学生や高校生が多いことです。夏休みを利用して参加し、新学期が始まっても、依然として通ってきています。昨年は、教員が多かったのと様変わりです。チューター達は、受講生の能力別に、一人で3~5人の学生を引き受けて、教えています。

 チューター達の宿舎は、バスで10分程の街の東側にある人文学系の学生寮で、アジアからの留学生も多く、彼らとの食事を共にする交流も頻繁にあるそうです。貧しいロシア系の人々が住む集合住宅が多い地区で、誰もが、夜は危険だと言います。

 私の宿舎は、去年は、街の北側にある教育学系の学生寮内にあるゲスト・ハウスだったのですが、今年は、街の南側にある、法経学系の学生寮内で、路面電車を利用して、オフィスまで40分ほどかかります。寮の周囲は高級住宅街で、500~600坪の敷地に芝生を張り、草花を植え、たわわに実るリンゴの木のそばに、テーブルやチェアーを並べてあります。庭には例外なく犬がいます。ペットというよりは、番犬、というイメージの犬が多いです。

 サテライト・オフィスが各国の大学に提供している日本語クラスは、私や、チューター達がいない時期には、現地で採用した日本語講師に、クラスの維持をお願いしています。だいたい週に2~4回のクラスを開いてもらっています。

 ラトビア大学の場合は、学齢期前の2児のお母さんの、関口千亜紀さんにお願いしています。彼女は立教大学を卒業されて、フルブライト留学生としてニューヨーク州立大学で学位を取得されたそうです。専門はアメリカ文学。彼女は、ラトビアからのフルブライト留学生の御主人と知り合い、IMFに勤める御主人の都合で、ワシントンDCで暮らしていたそうですが、御主人が在外研究のため、ラトビア中央銀行に勤務することになり、昨年の9月に家族でラトビアに来られたそうです。アメリカ時代に、留学先で日本語を教え、その後、全米日本語教育学会の日本語教師養成講座で学んだそうです。ラトビアではリガ経済大学で米文学も教えるそうです。ラトビア滞在は、あと1年間の予定だそうです。

日本語クラスの窓から見た、リーガの旧市街地。の画像
日本語クラスの窓から見た、リーガの旧市街地。

日本語講師の千亜紀関口Bemsさん。の画像
日本語講師の千亜紀関口Bemsさん。