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大崎教授の海外駐在記「ラトビア大学駐在記2(6)」

 ラトビアは、10月26日の夏時間午前4時に時計の針が1時間巻き戻され、冬時間午前3時になりました。これで日本との時差は6時間から7時間に変わりました。ラトビアはEUの加盟国で、EUの冬時間は10月の最終日曜日に始まり3月の最終日曜日まで続きます。夏時間を冬時間に変更する基準の時間は、独仏などの中央ヨーロッパ時間の夏時間午前3時で、それが冬時間午前2時に変えられました。その際に、時差1時間の東ヨーロッパのラトビアは午前3時になり、イギリスのような西ヨーロッパは午前1時になりました。

 なお、アメリカも冬時間、夏時間を用いていますが、冬時間になるのは11月の最初の日曜日で、夏時間になるのは4月の最初の日曜日です。

 リーガの街は、冬時間になる2週間ほど前から良く雨が降るようになりました。舗装道路には側溝がほとんどないので、車道の縁に水が溜まり、車が水を跳ね上げていきます。バス停は屋根がついていますが、雨が降ると跳ね上げを警戒して、誰も屋根の下でバスを待っていません。先週から、その水溜りに氷が張るようになり、日中でも溶けなくなりました。

 私は旧市街地から東北東に5㎞程離れた学生寮内のゲストハウスに滞在していますが、街までの足の便はすこぶる良く、バス、トロリーバス、トラム(路面電車)の3つの駅が、徒歩で5~6分以内圏にあります。良く利用するのはトラムで、始発は5時30分、終発は24時45分で、通勤時間帯は1時間に10本走っています。

 3つの交通機関の切符は共通で、通常、エータロンというプリペイカードを用います。良く用いるのは20回券で10.8ユーロ(1ユーロ=137円)です。料金は各種割引があり、学生は半額です。どの交通機関も2~3の車両が連結しており、各車両に出入り口は2~3か所あります。乗り込むと、近くの支柱に単行本の大きさの検札器が付いていて、プリペイカードをタッチすると、ピッという音とともに、検札器に残りの乗車回数が示されます。

 車掌は乗っていないのですが、突然、車を止めて3~5人の車掌の一団が乗り込んできて、一斉に乗車券のチェックをします。無賃乗車やエータロンを検札器にタッチしていない人は、問答無用で降ろされ、罰金を科されます。私も一度引っかかったことがありました。

 ラトビアは、車は右側通行で、複線であるトラム(路面電車)は右側の線路を走ります。そして、トラムの出入り口は右の片側だけに付いています。一方、日本の路面電車は、出入り口は左右両側に付いていて、複線の場合、終着駅で引き込み線を利用して車線を変更し、運転席を逆にして折り返して行きます。したがって、ラトビアの終着駅での折り返し法は、日本とは異なるはずで、終着駅でどのように引き返すのか、見てみたくなりました。

 生物学部からの帰りに、逆に行く路線に乗ってみました。エータロンを検札器にタッチし、座席に座ると、トラムは一駅通って直径30m程度のループを描き、隣の車線に入って戻り始めました。次がこのトラムの終着駅だったのです。私は折り返し法に納得し、そのまま帰路に着きました。その途中で車掌団が乗り込んで来ました。私は何の疑念も無くエータロンを車掌に渡したところ、無賃乗車で上げられました。私は往路だけ払って、復路を払っていなかった、という訳です。直ぐにトラムから降ろされ、罰金5ユーロを請求されました。

ゲストハウス最寄りのトラムの駅。の画像
ゲストハウス最寄りのトラムの駅。

エータロンと検札器。の画像
エータロンと検札器。