ホーム > 国際交流・留学 > 海外拠点情報(駐在記) > リガ海外拠点(ラトビア) > 大崎教授の海外駐在記「ラトビア大学駐在記3(1)」

大崎教授の海外駐在記「ラトビア大学駐在記3(1)」

 9月2日~10月31日の予定で、ラトビア大学に駐在しています。過去2回の駐在では、サテライト・オフィスを生物学部のNils学部長の研究室としていました。しかし、今回は、ラトビア大学本館にある国際交流課の事務室です。

 ラトビア大学の各学部は、市内各地に分散して、独立した建物を持っています。ところが、理学系の、生物学部、化学学部、地学学部、そして医学部の基礎医学系が、一つの建物に統合することになり、その新校舎の落成式が9月7日にありました。そのため、生物学部の引っ越しの混乱を避けて、今回は、サテライト・オフィスを大学本館に移しました。

 本館は1869年に竣工したレンガ造りの3階建て半地下の建物で、本部事務機構と、法学部、医学部、神学部、コンピューティング学部が同居しています。1階中央に広いホールがあって、ホールの両側はクロークになっています。学生達は、ここで、コートなどの教室に持ち込む必要のない私物を預けます。地下は食堂です。中央2階は、吹き抜けのセレモニーホールで3階部分の周囲から見下ろすことができます。屋上には天文台があります。

 研究室や講義室は、ロの字型に建物の外縁を形成しており、国際交流課のオフィスは1階玄関ホールの左側に、二カ所に分かれてあります。私の席が設けられたのは、ディレクターのAlineさんがいる所で、重々しい扉を開くと、中に2室あり、奥の部屋にAlineさんなどの年配の御婦人が2人いて、手前の部屋には、山形大学の日本語クラス・チューター派遣プログラムでお世話になっている、AgneseさんとDaceさんという、若い女性が席を占めていました。私はAgneseさんの隣のテーブルを借りました。

 部屋の天井は高く、4個のシャンデリアがぶら下がっています。この本館の建築様式の解説を読むと、10世紀に流行ったロマネスク様式を色濃く取り入れた折衷様式とありました。折衷様式とは、ロマネスク様式とか、その後の12世紀のゴシック様式、あるいは、14世紀のルネッサンス様式、などの時代時代に独特に発展した建築様式を、それぞれの良いとこ取りをして折衷した建築様式だそうで、この本館が作られた19世紀に欧米の各地で流行ったそうです。この本館が示すロマネスク様式の特徴は、窓に現れているそうで、窓の上の半円アーチがそれで、この時代の欧米の大学や教会建築に良く取り入れられたそうです。

 建物の中で、私が関心を持ったのは、トイレでした。まず、男子用は数が少なく、2カ所に2個の小便器と3個の個室が設けられていました。個室には鍵がなく、観音開きの扉が閉まっていたなら使用中を示していました。一方、女子用は6カ所にありました。それを、日本語クラスに通う男子学生が、これは明らかな性差別だが、女子にとっては、お化粧するための重要な場所だからな、と言って笑っていました。

 日本語クラスは経済学部の5階で行っています。経済学部と本館との間には、世界文化遺産の旧市街と新市街を分ける運河が流れており、経済学部は旧市街側にあります。運河には小さな観光船が走っており、両岸は伸びやかに育った木々の生える緑地帯で、林の中に小さな道があります。日本語クラスには、現在(9月9日)6人の山形大生が正規のチューターとして、そして欧州ブラブラ旅行中の山形大生が1人、飛び入りのチューターとして参加しています。

国際交流室 DirectorのAlineさん(左)、Natolijaさん(右)の画像
国際交流室 DirectorのAlineさん(左)、Natolijaさん(右)

左が私の席、窓がロマネスク様式の画像
左が私の席、窓がロマネスク様式