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大崎教授の海外駐在記「ラトビア大学駐在記3(2)」

 海外サテライト・オフィスは、協定校の中から、重点的に双方向性のある交流を深化させるために選んだ大学に設立されました。そして、国際交流ための様々な活動を模索しています。現在、大きな柱となるプロジェクトは3つあります。

 (1)無料日本語クラスの提供。(2)日本語クラスに山大生を日本語チューターとして派遣。(3)日本語クラスから選抜した学生を山形に集め、サマープログラムの実施。

 これらのプロジェクトを通して、確実に双方向性のある交流が深化しています。

 例えば、今、駐在しているラトビア大学の学生の、当初の印象は、個人主義者で、恥ずかしがり屋で、集団で活動することはありえなかったです。日本語クラスに来る学生は、映画館にでも来たように、定時にやって来て、終わると潮が引くようにさっさと去って行きました。一方、ベトナム国家農業大学や、インドネシアのガジャマダ大学の学生だと、学部や学年の枠を超え、日本語クラスが山大サロンとして睦まじい交流の場になっていきました。

 しかし、今年のラトビア大学の日本語クラスの雰囲気は、地殻変動を起こしたかのような様変わりです。常に和気藹々としています。ここの日本語クラスには、中学生、高校生、他大学生、そして社会人も参加しているのですが、大きな声で挨拶を交わし、誕生日を迎えた学生のために、皆が、ケーキやシャンペンでお祝をしていました。また、クラスが終わってもすぐには帰らずに、クラスの余韻に浸り、ジョークを飛ばして集団でカフェやレストランに出かけていきます。他校と同様の、山大サロンが形成されていました。

 変化の大きな要因として、山形のサマープログラムに参加した学生の存在があります。一般に留学生は母国に戻ると、留学先の大学との関係は希薄になります。しかし、山形のサマープログラムに参加した学生には、母国に戻ると山大提供日本語クラスがあります。彼らはここで、あたかも山形大学現地駐在学生のようなリーダー性を発揮し、大活躍を始めます。

 このクラスには、サマープログラムで知り合った山大生がチューターとしてやって来ます。彼らの関係は百年の知己というような親密なものになり、彼らを媒体として、初めて出会うラトビア大生も山大生チューターも、前からの仲間のように振る舞っています。彼らの関係をさらに促進しているのは、インターネットの日本語クラスの情報板です。日本に戻ったチューターと日本語クラスの学生は、情報板で日常的にコンタクトしています。

 このような山大サロンの形成は、ラトビア大学に限ってはあり得ないと思っていました。日本語クラス、チューター派遣、サマープログラムが噛み合い始めたようです。

 「美しい山形を活用した『社会人力育成』山形講座の展開」で、「リーダーシップ論」を担当している柴田孝教授は、11月になると、毎年、ベトナム国家農業大学に山大学生を連れて行き、両大学の学生を交えた様々な活動をしています。対応するベトナム側の学生は、山大サロンの学生です。彼らとの交流で、山大生も瞬時に山大サロンの住人になります。

 皆さんも、サテライト・オフィスのある大学を訪れる際には、日本語クラスの学生に声を掛けてみてください。国際交流室が紹介します。そこで、あなたは、山形大学のあなたの研究室と同然か、それ以上の心地よい山大サロンで時を過ごせると思います。

夕方の日本語クラス、帰国するチューターを囲んで。の画像
夕方の日本語クラス、帰国するチューターを囲んで。

クラスはグループに分けて少人数で。の画像
クラスはグループに分けて少人数で。