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大崎教授の海外駐在記「ラトビア大学駐在記3(4)」

 昨年まで、ラトビア大学に設置した、山形大学サテライト・オフィスは、世界文化遺産であるリーガ旧市街地の北西の隅にある、生物学部に置きました。その生物学部は、今年の9月7日の新学年度に合わせて、市の中央を流れる川幅500mのダウガヴァ川を南に越えて、新市街地に新築移転しました。約2.5kmの移動で、生物学部以外に、化学学部と地学学部と基礎医学系が一つの建物に統合移転しました。

 日本語クラスのチューターとして、理学部生物学科の学生が来ました。生物学科長の横山潤教授に、生物学部を良く見て来るようにと言われたそうです。それで、良い機会でもあるので、私も一緒に生物学部を訪れました。前もって、旧知のNils学部長に連絡しておいたので、学部長自ら新校舎の隅々まで案内してくださいました。

 旧校舎は、1869年にできた本館よりもさらに古い感じの、威風堂々としたレンガ造りの5階建ての建物で、天井が高く、階段の石段はすり減って縁は丸くなっていました。廊下は建物の中央にあり、暗く陰鬱で、両側には扉により閉ざされた部屋が並んでいました。5階建てだと言うのに、男子用トイレは1階の1カ所で、小便器は2個しかなく、1個は良く詰まって使用不能でした。女子用がどこにあったのか、私は気づかないまま終わりました。勿論、エレベーターはありませんでした。

 新校舎は、一部7階建て総ガラス張りの超モダン建築で、やや幅広のメインの廊下が南側の壁面に沿ってありました。したがって、廊下はまばゆいばかりに明るく、街の景色がパノラマのように広がっていました。この廊下は、廊下と言うよりはむしろロビーで、各階とも、天井からゆりかご椅子が幾つかぶら下がっていました。廊下には、テーブルを真ん中に5~6人が座れる小さいガラス張りの部屋が幾つかあり、話し合いをする姿が見えました。廊下の一部には細長いテーブルが緩いカーブを保ちながら据えてあり、スタンド椅子が並べてありました。階段や廊下や廊下の壁の各所には、鉢植えの草花が置いてありました。

 研究室や教室の廊下側の壁の一部もガラス張りになっている場合が多く、内部が良く見えました。トイレも各階に、男女ともにありました。2階から上の西南の隅は、20~30人が利用できる台所付きのセミナー室で、壁の二面がガラス張りでした。6階まではエレベーターで行けました。一部7階の7階もセミナー室で、屋上への出口にもなっていました。

 屋上の中央には、大きなガラス張りの屋根があり、始めはソーラーパネルだと思いましたが、そうではなく、一階中央ロビーまでの吹き抜けの明り取りの屋根でした。屋上には4基の温室があり、Nils学部長が、自分のアイディアだと言っていました。

 1階の入り口は北西の隅にあり、入るとロビーがあり、逆時計回りに廊下を進むと、南西の隅がレストランで、その奥が図書館で、さらに行くと再びロビーに出ました。その間を遮る壁や扉はありませんでした。明るく解放感に満ちた遊び心溢れた建物でした。恐らく、古色蒼然とした旧校舎も、建築時は超モダン建築だったのであろう、と想像できました。

 Nils学部長は、生物学部が用意している、英語で実施している2週間ほどの様々なサマープログラムを紹介して、山形大学の学生に是非参加してほしいと言っていました。

生物学部の新校舎の画像
生物学部の新校舎

新校舎の廊下の画像
新校舎の廊下