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大崎教授の海外駐在記「ペルー駐在記(1)」

 2013年4月10日に、ペルーの首都リマにやって来ました。今回は、リマ市内にある、山形大学の2つの協定校に滞在し、国際交流に努めます。ペルーを代表する1917年創設の私立カトリカ大学(カトリック大学)と、1902年創設の国立ラモリナ農業大学です。前者のOBとして、フマラ現大統領とガルシア前大統領がおり、後者のOBとして、日系人として初めて大統領になったフジモリ元大統領がいます。フジモリさんは、ラモリナ農業大学の元学長でもありました。

 この2つの協定校との交流以外のミッションもあります。ラモリナ農業大学は、リマ市内にある別の2つの国立大学、北米をも含むアメリカ大陸全体で最も古い1551年創設のサン・マルコス大学と、1876年創設の国立工業大学との、3大学でAlianza Estrategica という大学同盟を結んでおり、様々な学術交流を行うとともに、共同で学生に奨学金を貸与して、海外提携国の協定校への留学派遣に努めています。提携国は、今までは、スペイン、フランス、イタリア、等のラテン系の国々でしたが、新たに日本との提携が決まりました。そこで、今回、山形大学は、ラモリナ農業大学だけでなく、サン・マルコス大学と国立工業大学とも協定校になり、3大学同盟からの留学生の受け皿を目指すことになりました。調印式は5月の末ですが、それまでに話を具体化しておく必要があります。

 4月12日には、カトリカ大学に行きました。そこでの最初の話題は、山形大学のナスカ研究所が、当日の12日に発表した新しい地上絵の発見のニュースでした。カトリカ大学側が、新聞記事の切り抜きを用意していて、挨拶が終わるとすぐにその話題になりました。

 山形大学のナスカ研究所は、人文学部の付属研究所で、2012年10月に開設されました。それに先立つ2004年から人文学部の坂井正人教授のグループが、ペルー南部のナスカ地方に伝わる巨大な地上絵を人類学、考古学、地理学、心理学、情報科学、保存科学、動物学、年代学などの学際的な視点から、実態解明を目指しています。また、ペルー政府と連携して、世界遺産ナスカの地上絵の保護活動に努めています。

 ペルーというと、ナスカ以外にも、アンデスの空中都市マチュピチュ、チチカカ湖の人の住む浮島、アマゾンの源流地帯のチョウの楽園、など、日本とは明らかに異なる世界があります。しかし、人口849万のリマは、1535年に征服者ピサロによって建設された、異国情緒豊かな旧市街と、近年の建築ブームで建設されている、私には全く違和感のない近代的な新市街が、入り乱れて存在しています。

 私の住居は、カトリカ大学に面した、新しい20階ビルの14階にあります。住居の裏手は、小白川キャンパスほどの広さの日系人クラブの敷地で、野球、サッカー、陸上、テニス、ゲートボール、などの屋外施設や、バスケットやフィットネス・ジム、各種文化センター、4軒の日本食堂、日本フードショップ、日系人のための小中学校などがあります。

 カトリカ大学に隣接して、大きな近代的ショッピング・モールもあります。このモールはカトリカ大学が経営しているそうで、授業料が無料の国立大学と張り合って、優秀な学生を獲得するために、独自の資金源として経営しているということでした。

リマの新市街地の画像
リマの新市街地

カトリカ大学構内の画像
カトリカ大学構内