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大崎教授の海外駐在記「ペルー駐在記(2)」

 カトリカ大学の正式な名称は、Pontificia Universidad Catolica del Peru(略称はPUCP)です。リマの中心地区の西南に接する、海に面したSan Miguel 地区にあり、周囲に、国立サン・マルコス大学、博物館、美術館、動物園、があります。一般住宅は2階3階建ての低層住宅と20階もある高層住宅が、まだら状に分布しています。どの通りも5分も歩けば、芝生に覆われた公園に行き当たり、公園の中心には、多くの場合、マリア像が置かれ、朱色やピンクの花咲く樹木の下や、花壇の周囲にベンチが置いてあります。

 緑豊かなカトリカ大学は、大きな公園のようなもので、41ヘクタールのキャンパスの四囲は煉瓦の高塀で、外周は広い自動車道路です。7か所ある出入り口では入構許可証を示す必要があり、訪問者は警備員が訪問先に電話して、入構の可否を厳重にチェックされます。

 学部は、管理会計、建築都市工学、美術、理工、情報伝達科学、社会科学、法学、教育、経営管理、教養人文科学、の10学部があります。私のオフィスは、理工学部の機械工学科の3階建ての建物の3階に設けられました。学生たちがロボットを作っています。

 教職員数は、学位取得教員が393人。それ以外の教員が1987人。教授、准教授などの肩書はなく、全員が同一の先生です。事務職や技術職の職員は2710人います。教職員はすべて、お互いをファーストネームで呼び合っています。目立つのは、警備員と園丁の数で、警備員は、構内の出入り口は勿論、各校舎の出入り口や構内各所にいます。各オフィスは自動ロック方式で、オフィスの出入りには、常に鍵でドアを開く必要があります。

 警備の厳重さは住宅地も同様で、各住宅は高い塀に囲われ、門扉に鍵がかかっており、ドアは二重ドアです。豊かそうな個人住宅や集合住宅、それに、塀で囲われた住宅団地の出入り口には、常に警備員がいます。と言っても、この警備の厳重な状況は、ナイロビや延吉も似たようなもので、警備員をあまり見かけない日本とハノイが異なっていました。

 カトリカ大学に園丁が多いのも特徴で、構内の隅々まで芝生を張り、樹木や花壇が幾何学的に配されています。リマは砂漠にできた街で、1年間の平均降水量は1ミリです。したがって、庭の水やりは欠かせません。カトリナ大学の売りの一つは、この美しいキャンパスだそうで、そのための水道料金は、学内予算で大きな割合を占めているそうです。

 学生数は、学部1万8729人。修士5639人。博士114人。うち、留学生が520人だそうです。4月22日より日本語クラスを開始しました。目下の申込数は69人で、第1回目のクラスに10人が参加しました。全くの初心者は5人で、残りは、平仮名が書け、簡単な会話ができました。学内に有料の語学学校があり、日本語も学べるそうで、その学生も参加していました。日系人は4人いましたが、純粋な日系人はいませんでした。

 私の住居の裏に日系の小中学校があり、朝礼時にペルー国歌と「君が代」が歌われています。日系人の比率は約6割で、名門私立高校への進学率が高く、フジモリ元大統領や現職のフマラ大統領も卒業生だそうです。英語教育に熱心で、語学は頭の柔らかいうちにと、授業は主に英語で行っているそうで、高学年になるとスペイン語での授業が増えるそうです。このような私立学校からの進学者が多いカトリカ大学は、英語が良く通じる世界です。

カトリカ大学の日本語クラスの画像
カトリカ大学の日本語クラス

カトリカ大学(PUCP)のキャンパスの画像
カトリカ大学(PUCP)のキャンパス