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大崎教授の海外駐在記「ペルー駐在記(3)」

 4月17日に、カトリカ大学の国際関係担当副学長のGuzman Oveja Martinez さんのお招きを受けました。学長は外遊中だと非常に恐縮していました。お二人とも法学部出身の弁護士だそうで、学長のMarcial Antonio Rubio Correa さんは、ペルーの元文部大臣だったそうです。話は弾み、来月、山形大学を紹介する講演会をすることになり、それに先駆けて、カトリカ大学の週刊新聞に、山形大学の特集記事が載ることになりました。今日(29日)、記者がやって来て、1時間ばかりの取材を受けました。

 私がカトリカ大学に滞在している目的の、山形大学とカトリカ大学の交流の促進と、山形大学と山形県の全般的な紹介をしたのですが、山形大学が世界に誇れるものは何かを問われました。工学部の有機エレクトロニクス研究、農学部のアジア・アフリカ地域での有機農法開発、医学部の癌センター、などを話したのですが、やはり、最も興味を持たれたのは、人文学部のナスカ研究所でした。それと、私の研究分野である進化生態学も、山形大学の理学部で活発な研究が行われていることを紹介しました。

 4月28日の日曜日に、私の宿舎の裏にある日系人クラブで、日系社会の運動会兼お祭りがありました。昭和天皇の誕生日を祝って、毎年4月29日前後の日曜日に行っているそうで、主催者の話では、約1万5000人が集まりました。盛大な開会式があり、各種団体の入場行進がありました。その前日の27日に、突然、山形県人会会長というWagatsumaさんから連絡があり、運動会に来てください、と招待を受けました。行ったところ、日系社会で山形県人会は最も小さな団体なので、入場行進に参加して欲しいと頼まれ、黒い「やまがた」の字を染め抜いた、ブルーの半被と白い帽子を被って行進しました。行進した山形県人は17人いました。スタンドから観戦していたお年寄りや小さな子供もいました。

 日系社会と言っても、一見、国際色豊かで、山形県のプラカードを持った4世の少女は金髪色白で、どうみてもウエスタンそのものでした。絵で見る浅黒いインディオそのままの風貌の人もおり、そのような人々が、山形県人会や宮城県人会などのプラカードの許に集まって、ペルー国旗と日章旗の翻るグランドで、行進し、「君が代」を歌っていました。最初の全体競技は、NHKのラジオ体操で、将棋や碁のコーナーもあり、年配者と少年が対局していました。海苔巻弁当が配られ、最後はビンゴ大会で、景品は日本製新車や日本旅行でした。11月の文化の日、明治天皇の誕生日には、もっと大きな集まりがあるそうです。

 カトリカ大学の日本語教室は、全くの初心者だけではなく、ひらがなは読めて、簡単な会話ができる学生も数人参加しているそうです。そのうちの一人が、英語対訳の句集を持ってきました。英訳と言っても、単に、語句を英語に置き換えているだけです。したがって、芭蕉が山寺で詠んだ句の説明をしたところ、「俳句って、そんなに奥が深いのか」と驚き、次から次へと句の説明を求められたそうです。そして、2人の学生が俳句を作り始めました。その第一作は「わたくしは、ねこをたべない、にゃ~んにゃん」ペルーの南部では猫を食べる地域があるそうで、そのことが話題になった直後にできた句だそうです。

日章旗翻る日系クラブの陸上競技場の画像
日章旗翻る日系クラブの陸上競技場

入場行進に参加した山形県人会の人々の画像
入場行進に参加した山形県人会の人々