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透明フレキシブル樹脂への新しい超微細回路形成技術がNature Communications掲載。本学発の銀ナノ微粒子インク(国際特許技術)がいよいよ実用化へ!

掲載日:2016.04.25

 教授 栗原正人(ナノ材料化学・無機化学)

さまざまな電子機器に使われている電子回路基板を薄く、軽く、割れにくく製造できる最先端技術が「プリンテッドエレクトロニクス」。それは、PETなどの樹脂基板や紙に電気を通す特殊なインクを印刷して、電子回路基板をつくる技術です。

PETなどの汎用性の高いフレキシブル樹脂を用い、電子回路基板がプリンテッドエレクトロニクスによって作製されるようになると、薄く・軽く・繰り返し折り曲げることができるため、薄膜太陽電池、携帯電話、ディスプレイ、ICタグなど、あらゆる電子機器の劇的な性能向上につながります。そのプリンテッドエレクトロニクスに欠かせない電極材料として銀ナノ微粒子が注目されてきました。栗原正人教授(ナノ材料化学・無機化学)らは、100℃以下、室温でも焼成可能(印刷電極形成が可能)な銀ナノ微粒子の開発に世界に先駆けて成功しました。これまで誰もが気がつかなかったシュウ酸銀を原料に、その低温熱分解法を発明し、コストや環境負荷などの問題点を解決、さらに、安価で簡単に銀ナノ微粒子を大量合成できる方法(国際特許技術)を確立しました。この銀ナノ微粒子は、本学が推進する有機エレクトロニクスデバイス開発向けにも、その特許技術を提供しており、例えば、微細回路用の電極材料として活用され、これまでのプレス発表等による多くの成果に繋がっています。

今回の成果では、産業技術総合研究所・東京大学・田中貴金属工業株式会社・科学技術振興機構(JST)との共同研究により、新たな印刷技術の開発に成功しました。特に、薄いプラチックフィルムを張り付けるだけでタッチセンサーを作製できる技術として、さらに、各種の電子デバイスを印刷法によって形成するプリンテッドエレクトロニクスの必須技術として、また、塗布法によって簡易に金属薄膜パターンを形成するための新原理として、今後の応用展開が期待されています。

銀ナノ微粒子インクの写真の画像
銀ナノ微粒子インクの写真

新印刷技術法による金属配線の印刷製造工程の一部
の画像
新印刷技術法による金属配線の印刷製造工程の一部

フレキシブル基板の画像
フレキシブル基板

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