国際交流担当大崎教授の海外駐在記
チェンマイ大学駐在記(7)
花笠音頭が、チェンマイ中心地の目抜き通りで1時間半にわたり流され、花笠踊りの装束を纏った64人の踊り手が、通りを踊り歩きました。2月22日午後6時5分から、チェンマイ日本総領事館開設10周年を記念して、「第10回チェンマイ・日本友好祭り」が、チェンマイ旧市街の中心である「三人の王像広場」で行われました。 祭りに先立つ午後4時半から6時まで、旧市街の入り口のターペー門から始まった花笠踊りは、目抜き通りのラーチャダムヌーン通りを半分ほど踊り歩き、プラポックラオ通りに右折して、最後に「三人の王像広場」で散会しました。この間約800mの道のりです。 タイは、午前8時と午後6時の2回、人の集まる場所で国歌が流され、人々は、直立不動で国歌を聞かねばなりません。そのため、旧市街地の各所にスピーカーが配置されています。そのスピーカーから一斉に、花笠音頭が流されたのです。この日、ラーチャムダムーン通りとプラポックラオ通りは、恒例の日曜夜市で、通りの左右と中央に、3列の露店が立っていましたが、中央の露店は、花笠踊りが終わるまで規制されていました。 踊り手は、チェンマイ日本人会の12人と、チェンマイ大学日本語学科の8人と、ラチャパット大学日本語学科の30人の大学生、モンフォート高校日本語学科の6人と、レジーナ女子高校日本語学科の8人の高校生、の合計64人でした。踊りの後には、神輿が続きました。この祭りに、ラチャパット大学日本語学科の学生が84人参加したそうです。 なぜ花笠踊りなのかを、居合わせた、日本人会幹部役員と思われる3人や、関係者数人に聞いてみましたが、誰も要領を得ず、花笠や衣装が領事館や、参加した各学校に保管されていて、この10年間、いつも花笠踊りが行われている、と言っていました。祭り本体は、午後6時5分から9時半まで行われ、後半には盆踊りがあり、その際には、花笠音頭だけでなく、阿波踊りも披露されると言っていました。しかし、私は喧噪には耐えられないので、見届けることはできませんでした。 踊りの列の最後に、モンフォート高校の日本人女性教師が、給水係りとして随行していました。彼女に話を聞いたのですが、彼女から、山形の高校生や大学生にメッセージを託されました。「モンフォート高校日本語学科の生徒は、日本語を勉強しても、使う機会がありません。それで、同世代の日本人と、生の日本語での会話を願っています。そのため、生徒たちの各家庭に、ホームステーしてくれる、日本人の高校生や大学生を募集しています。」 そこで、私は質問しました。「ホームステーすることで、タイの実際の市民生活に触れることができますね。」答えは否でした。「モンフォート高校の生徒は、裕福な家庭の子女で、お手伝いさんに囲まれた生活をしています。普通の市民生活に触れるのは無理だと思います。」確かに、「チェンマイ大学駐在記1-6」でも触れましたように、チェンマイ大学農産業学部の学生の、自家用車保有率は36%でした。また、住宅地には、日本ではテレビドラマでしか見られないような豪邸が幾らでもあります。そのような、タイの豊かな階層の家庭にホームステーしてみたい方は、国際交流室に御連絡ください。紹介します。 ところで、来年は、山形大学の学生チューターが、この花笠踊りに参加しませんか。
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