国際交流担当大崎教授の海外駐在記
チェンマイ大学駐在記（８）
|
チェンマイ大学にも、日本語チューター派遣プログラムを始めることになり、受け皿として、現在の日本語クラスを維持することになりました。そのため、適当な日本語講師を求めて、チェンマイ日本人会と交信しています。その過程で、2月22日のチェンマイ日本祭りの花笠踊りの由来が分かりました。 チェンマイ県の南隣に、ランプーン県があります。このランプーン県にタイ北部工業団地があり、ランプーン新電元という、東京の新電元株式会社の子会社が設立されました。現在、従業員が1500名余りいるそうです。その関連会社として、山形県東根市に、東根新電元があります。ランプーン新電元で製作されることになった主な製品は、東根新電元で製作されていたものが移管されたそうです。 そのため、ランプーン新電元の設立期には、東根新電元の社員が大量に派遣されたそうです。この時期、北部工業団地の日系企業には、各社とも、日本から100人、200人、とう単位で社員が派遣されたそうです。東根新電元は、山形の花笠踊りにも参加していたそうで、派遣社員の中にも花笠踊りのメンバーが多く含まれていたそうです。 タイでは、陰暦12月の満月の日（新暦では11月）に、ローイクラトン祭りと言う、日本の灯篭流しのような祭りがあるそうです。タイの2大行事の一つだそうで、農業の収穫に感謝し、水の女神コンカーに祈りをささげ、罪を謝罪し、自らを清める祭りで、紙やバナナの葉で作った灯篭を川に流すそうです。 ランプーンのローイクラトン祭りでは、踊りのコンテストがあり、ランプーン新電元の社員は、花笠の踊りセットを50以上準備して、花笠踊りを披露したそうです。2000年代には毎年連続して優勝して、ランプーンと言えば「花笠踊り」とまで言われるようになったそうです。しかし、ランプーン新電元が発展し、社員は現地従業員に次々と切り替えられ、東根新電元からの派遣社員も帰国して、5年前から花笠踊りの参加も中止されたそうです。 今回、チェンマイ日本祭りは10回目を数え、チェンマイ日本人会で、祭りは例年よりも盛大にやろう、と言うことになりました。チェンマイ日本人会の役員に、ランプーン新電元の社員がおり、それでは花笠踊りをしましょう、ということになったそうです。 タイは、67県中の15県、45カ所に工業団地を開設し、工業地区、商業住宅地区、主要空港からのインフラ等を整備して、海外の企業の誘致をしています。ランプーン県にある北部工業団地も、商業住宅地区が整備されているそうですが、チェンマイ市から30�劼靴�離れていないので、多くの日本人従業員は、チェンマイから車で通勤しているそうです。 チェンマイ在住の日本人の数は、チェンマイ日本祭りの挨拶に立った、チェンマイ県副知事、チェンマイ市長、日本人会会長、日本総領事、の話を聞いていて、3000〜5000人ぐらいと推測されます。私が接した多くの日本人は、現役の派遣社員ではなく、引退後の終の棲家にチェンマイを選んだ人達で、中には、当地で定年を迎え、あるいは、以前に当地に派遣されていた人が多くいます。南国情調のある空間に、近代的な諸施設がコンパクトにまとまってあり、住みやすいのでしょう。8月より学生チューターを派遣する予定です。
|
