○山形大学利益相反マネジメントポリシー

平成21年9月9日

1 目的

企業等との共同研究や受託研究,知的財産の創出と企業等への実施許諾,企業役員等の兼業活動,さらにはベンチャー企業設立などの社会連携活動は,知識経済社会における地域の知の拠点である国立大学法人山形大学(以下「本学」という。)の重要な社会的責務である。これらの活動に対する社会からの期待は増大しており,本学はこのような期待に今後とも積極的に応えていく社会的責任を担っている。

この貢献の対価は,次の研究教育活動の促進等に資するという観点から,大学及び教職員にとって適正かつ有用なものである。しかし,当該金銭的利益の存在が誤った先入観をもたらすのではないかという社会的疑念が発生する場合には,本学及び教職員に求められている社会的な公正・中立の保持等の責任(以下「公正性」という。)と相反する状況となりうる。

このため,本学に期待されている社会的責任を十分に果たし,かつ本学教職員が安心して社会連携をはじめとする社会貢献活動に取り組めるよう,この利益相反に関する本学の基本的な理解とマネジメントの方針を示すものである。

2 利益相反の定義等

(1) 狭義の利益相反

利益相反(Conflict of Interest)とは,社会連携活動その他の社会貢献活動(以下「社会連携活動等」という。)によって本学又は本学の役員,職員,及びこれらの者とともに社会連携活動等に従事する学生(以下「役職員等」という。)にもたらされる利益(企業等からの寄付,特許実施料収入,兼業報酬,未公開株式等)によって,本学及び役職員等に求められている公正性(integrity)に影響を及ぼす恐れが生じている状況をいう。

(調整を必要とする社会的責任)

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(2) 広義の利益相反

広義の利益相反とは,狭義の利益相反に大学における職務遂行の責任と,役職員等が主に兼業活動により負っている企業等に対する職務遂行責任が衝突している状況(いわゆる「責務相反」)を加えたものをいう。特に表記のない場合は広義の利益相反を指す。

広義の利益相反と狭義の利益相反

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(3) 対象者

本ポリシーにおいて対象とする者は,次のとおりとする。

① 本学の役員及び職員

② ①の者とともに社会連携活動等に従事する学生

3 利益相反マネジメントの基本的立場

(1) 本学は,研究及び教育の還元による社会貢献を実現するため,積極的に社会連携活動等を推進するとともに,本学が社会から求められている公正性を担保する。

(2) 利益相反は常に生じうるものであり,一律な行動規範によって管理することは困難である。そのため,社会情勢の変化や多様な個々の状況を総合的に踏まえた柔軟な判断を行う。

(3) 本学が行うマネジメントでは,管理する利益相反の範囲を広げることによる研究及び教育活動の停滞を招かないよう,金銭的な利益による相反を対象とし,全学統一した判断基準としてのガイドラインの作成などにより,管理範囲の明確化を図る。

(4) マネジメントにあたっては,国立大学法人という本学の社会的信頼を確保しうる公平性と透明性を重視した仕組みとする。内外に対する説明責任を十分に果たすため,判断基準及び仕組みや運用状況等について積極的に公開する。

(5) 本学に,外部専門家等の第三者をメンバーに加えた国立大学法人山形大学利益相反マネジメント委員会(以下「全学委員会」という。)を設置する。

(6) 機動性を確保するため,利益相反マネジメントの通常の運用は部局において行う。

(7) 事務の効率化,迅速化のため,兼業や共同研究,奨学寄附金など既存の手続きから得られる情報を効果的に利用する。

(8) 効果的なマネジメントを可能とするため,セミナー等を開催し,利益相反に関する役職員の意識と理解を深める。

4 利益相反マネジメント体制

(1) 利益相反マネジメントの運用のために必要なガイドラインは,全学委員会において定める。

(2) 各学部等における運用状況(事務手続きの適正性)については,定期的に全学委員会において確認を行う。

(3) 部局に利益相反マネジメント委員会(以下「部局委員会」という。)を置き,その組織等に関する必要事項は,当該部局長が定める。複数部局が合同で部局委員会を設置することもできることとする。

(4) 全学委員会では,不適正行為の禁止などの措置を行う必要が生じた場合及び部局委員会の確認・審査を経た一定の基準・要件に該当する申告について,全学的な視点で審査を行う。

(5) 全学委員会は,研究情報部の協力を得て,総務部が担当する。

(6) 現行の兼業規程,倫理規程の枠組みを維持しつつ,利益相反マネジメント体制を構築する。

体制図

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山形大学利益相反マネジメントポリシー

平成21年9月9日 種別なし

(令和5年8月23日施行)

体系情報
全学規則/第7編 内部統制・コンプライアンス
沿革情報
平成21年9月9日 種別なし
令和5年8月23日 種別なし