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「襷でつなぐ未来人材育成プロジェクト 」山形大学と首都圏の大学生対流促進事業
OUTLINE
2000年から2015年の1年間で、地方の若者人口(15~29歳)は、約3割(532万人)の大幅な減少をしています。一方、2017年の東京圏(東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県)への転入超過数は約12万人となっているなど、東京一極集中の傾向が続いており、通勤時間の長さ、保育サービスなど、生活環境面での多くの問題が生じています。
東京圏への転入超過のうち、大学進学時の転入超過は約7万人程度と多くの割合を占めています。東京圏一極集中に対応していくためには、若者世代への対策を行っていくことが必要です。
山形大学は首都圏大学と連携して、未来で活躍する人材の育成と就職活動支援を軸にこの社会問題に取り組んでいきます。
TASUKI PROJECTは、内閣府まち・ひと・しごと創生本部が実施している「地方と東京圏の大学生対流促進事業」に採択されています。
2018年12月21日に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2018改訂版)」では、地方への若者の流れを促進するため、地方創生に資する大学改革を推進し、地域の中核的な産業の振興やその専門人材育成などを積極的に行う地方の特色ある創生のための地方大学の振興、東京の大学の定員抑制及び地方移転の促進、若者の雇用機会の創出などを進めることとしています。
特に、大学生の地域間の対流に関して、「地方大学と東京圏の大学の単位互換等により学生が地方圏と東京圏を相互に対流・交流する取組を促進する」とされており、山形大学においても、今まで無かった首都圏大学との単位互換による学生対流を生み出していきます。
山形県は他の地方都市よりも人口減少が早く進み、産業の活性化や地域コミュニティの弱体化が懸念されています。この課題を解決するために、山形大学が首都圏の大学と連携し、強みを活かした教育プログラムやインターンシップを通じて、地方の魅力を伝えていくことに尽力します。また、異なる視点を持った学生の意見を集め、地方・首都圏全体で新しい日本の在り方について考えるきっかけを作り出します。
特に山形大学は神奈川大学と協力して、各大学が持っている資源を活かしたフィールドワークなど1つの大学では経験できないことや学生同士の交流を通じて、学生の対流を促進していきます。
このような取り組みを通じて地方に人の流れを作り、地方創生の一助とするとともに、未来で活躍する人材の育成を目指します。
両大学で行われるプログラムは、長期プログラムと短期プログラムに分けられます。
長期プログラムでは、半期単位での国内留学制度や卒業研究の一環として研究指導を受けることができます。短期プログラムでは、2日~1週間程度の期間で、両大学が持つ特徴を活かしたプログラムを展開します。例えば、山形大学では世界一雪深い演習林での「雪山実習」を、神奈川大学では港町で海洋について理解を深める「海の体験学習」を互いに提供しています。そのほかにもそれぞれの大学で就職活動支援を受けること、インターンシップに参加することもできます。
講義やフィールドワーク、学生交流を通じて、両地域への理解を深め、多様な価値観や考え方を身に着けた人材の育成を目指すとともに、学生の就職活動についても積極的な支援に取り組んでいきます。