WORKS

山形大学 東北農林専門職大学
本プロジェクトは、県内さくらんぼ農家から発生する規格外果実の有効活用を目的として実施している。
規格外果実をペーストやフルーツソース等へ一次加工し、加工前後の成分分析を行うことで、機能性成分を保持しやすい加工・保存方法を検討し、商品開発につなげることを目指している。
あわせて、農家の未利用資源の収益化や加工業者の新たな商品展開の可能性を広げるとともに、山形大学の学生が関わることで教育的・地域的な付加価値の創出も期待している。
本年度は、将来的な規格外果実の活用を見据えつつ、まずは加工特性を把握するため、加工適性のあるサンカオウトウ3品種を用いて基礎的な検討を行った。凍結保存前後および加工形態の違いによる品質特性の変化を確認した結果、主要な品質指標については保存前後で大きな変動は見られず、一部項目では凍結後に変化の傾向が確認された。
また、機能性に関わる成分についても凍結後に一定の変化が認められたが、品質評価の観点からは概ね良好な状態が維持されていることが確認された。これらの変化は、凍結に伴う組織構造の変化等が影響している可能性が考えられる。また、凍結後の核抜き果実とペースト加工果実を比較したところ、加工工程による顕著な成分変化は認められなかった。
このことから、小規模経営においては果実を核抜きのまま凍結保存する方法が、成分保持と作業負担軽減の両面で有効である可能性が示された。現在、一部サンプルは加工業者へ送付し、製品化に向けた検討を進めている。
今後は、規格外果実を活用した加工・販売の仕組みづくりをさらに具体化し、農家の収益向上やフードロス削減に寄与するとともに、地域と大学をつなぐ継続的な取り組みへと発展させていく。
〇担当教員
池田 和生(山形大学農学部食料生命環境学科 准教授)
中坪 あゆみ(山形大学農学部食料生命環境学科 助教)

加工適性のあるサンカオウトウ3品種