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医学部 今村  文香

短期海外医療研修プログラム に参加して

 私はカナダに1週間滞在し、そのうち4日間は短期海外医療研修プログラムに参加しました。
 午前中は医療英語について学び、午後は病院やクリニックを見学してカナダの医療事情について学びました。
 医療英語に関しては先生と1対1で学びました。身体の部位については大学で学んできたベースがあったので、症状の訴え方やダイアログを中心に勉強しました。今まで習ってきた医療英語とは違って、一般の人でも分かるような英語を使っていたのが私にとって新鮮でした。4日間のうち1日はネイティブの先生も交えてロールプレイをしました。ロールプレイでは、私が医療通訳者役に、日本人の先生が患者役(日本語で話す)に、ネイティブの先生が医師役(英語で話す)になってダイアログを進めていきました。一部テキストに載っていない内容も入ってきたので、英語から日本語、日本語から英語に直すのに苦戦しました。それでもなんとかやり終えたときは達成感があり、先生方も褒めてくださって嬉しかったです。
 午後は現地の方の案内で病院を見学しました。カナダで病気にかかった場合、まずfamily doctorかwalk-in clinicに行って診察を受けます。そして必要に応じて、専門医や総合病院を紹介するシステムになっています。
 クリニックは日本人も利用するところを見学しました。ちょっと意外だったのが、クリニックには看護師がいなかった点です。そのため器具やカルテの準備は事務員の方や医者自身がしていました(ちなみに私もやらせていただきました)。そして血液検査やX線検査はクリニックではなく外部の機関に行って検査を行うとのことです。
 州立の総合病院のほうはあくまで一般客だったので診察の様子などは見学できませんでした。日本と違って命を助けることが最優先なので、手術が終わって麻酔から目が覚めると車いすに乗ってでも退院させられることがあるそうです。また、重症患者から診察していくので、軽傷の患者は何時間も待たされてしまうこともあります。これが私立病院になると待ち時間は少なくて済みますし、手術後も休みたければ1日ほど休んでから退院できるとのことでした。こうしてみると、カナダでは患者のことをよく知っているfamily doctorがいるシステムは見習いたいと思う一方で、日本は手術後もしばらく様子を見てから退院させるという点でケアが手厚いなぁと改めて思いました。
 クリニックと総合病院の他にも、レーシックの見学もしました。レーシックとは角膜の一部をはがしてレーザーで削ることで視力を回復させる治療法です。ここで手術を担当する医師はアメリカを含んで西海岸では一番実績のある方で、テレビ画面越しに手術の様子も見学させていただきました。手術前にも様々な検査があり、手術当日も3人の医師が別々に視力検査をやってミスがないか最終確認するほど、厳密にやっていました。
 プログラムが無い日はバンクーバー市内を観光しました。バンクーバーは都会としての側面だけでなく自然豊かな側面もあります。スタンレーパークでサイクリングしたときはいい運動になりましたし、グラウスマウンテンに行ったときの頂上からの眺めは圧巻でした!そして、何事も英語で積極的に話そうという姿勢になれたのもよかったです。
 たった1週間でしたが、短期研修プログラムからは様々なことを学ぶことができ、医療にさらに関心を持つことができました。英語に関しては、聞き取りはなんとかできるものの、言いたいことが英語でなかなか言えなかったので、その点は今後改善するように励みたいです。