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工学部   高沼  大樹

国際学会に参加して 〜32nd European Peptide Symposium 2012〜

 2012年9月2日から7日まで、ギリシャのアテネで開催された「32nd European Peptide Symposium 2012」に参加しました。この国際会議はペプチドに関する研究成果を、ヨーロッパ諸国を中心とした国々の研究者が発表する場でした。最先端のペプチド合成技術の紹介や生体内での動態解明、病気に対する治療薬候補となる新規リード化合物の探索など、多様な演題を目にし、改めてペプチドの有用性を認識させられる機会となりました。また、開催地アテネといえば世界史の教科書の序盤から登場する歴史のある土地であり、多くの遺跡のある都市として有名です。実際に市内は、地面を掘れば遺跡が出てくるといわれるほどで、期間中利用していた地下鉄にはその工事中に出土した土器などが展示されていました。学会の合間を縫ってアクロポリスの観光などもしてきました。修復されているとはいえ、紀元前の建造物には迫力があり、感動しました。どちらかというと私は高校生の時は地理を選択していたので、地中海性気候や植生のほうが気になっていましたが。実際には、乾燥していることは肌では感じない程度ですが、喉がすぐに乾くという印象を受けました。
 この学会で私は、「Synthesis and evaluation of SARS 3CL protease inhibitors using the serine template」という題目でポスター発表をさせて頂きました。内容としてはSARS 3CL proteaseペプチド性阻害剤を改良し、非ペプチド性の低分子阻害剤を合成するものでした。発表時間は2時間で、その間ポスターの傍らで待機していましたが、隣や向かいの発表者の内容を聞くこともできました。阻害剤のデザインについてディスカッションや、アドバイスも多数頂き、とても有意義なものになりました。ヨーロッパ中となると英語以外が母国語であるのほうが多くなりますが、発音に少し癖があるところがある程度で、皆さん英語も達者でした。そして話し好きの人が多いのではと思うほど説明をしてくれたことが印象的でした。その中私は、話し手の内容を理解することはできても、こちらから英語で会話することがやはり難しかったです。ですので、次回このような機会がある場合に備え、英語コミュニケーション力の向上を図りたいという意気込みも生まれました。
 期間中に様々な発表を聞くことができ、直接研究にプラスになる情報を得るばかりでなく、発表スライドの構成や英語表現といった部分も学ぶことができ大変有意義なものでした。今回の学会で私は初めて海外へ行くことができ、約1週間の間に貴重な体験をさせて頂き、自身の成長につながったと思います。
 

ポスター発表
アクロポリスにて